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2016/10/09

引留 三菱自動車ってなんなんだろう。綺麗すぎると。

 三菱の、いや日本のカースタイリングにも大きな影響を与えた アルド・セッサーノ だが、ミラージュ以降は大きなウェーブを起こすことはなかった。
基本的に直線と平面を巧みに駆使したデザインは当初は新鮮であったが、それ以上のものは残念ながら創生されなかったからである。

 例えば、日本のカーデザインに衝撃を与えた「ミラージュ」のその後を見てみよう。


一つ一つの線と面が吟味され、どこを見ても破綻がない熟成されたデザインになった。

 初代に比べ面が整理され実にクリーンなエクステリアデザインになったが、どこかで見たぞという感じでインパクトという点では希薄なってしまった。
 かの日産のデザイナーだった「前澤義雄」氏曰く、

「質の高いデザインになったが、人を立ち止まらせるハッと思わせるデザイン、人を惹きつける訴求力は低下してしまった。」

とコメントしている事からも伺う事ができるだろう。

 その最たるものが「トレディア」と「コルディア」ではないだろうか。
国際的なFWD化の流れの中、三菱は従来からの主力車種「ランサー」がFRである中、熾烈な販売競争を闘っていたが、そのランサーに替えて、「世界戦略車」として、スリーダイアモンドの名を散りばめた、「トレディア」と「コルディア」をリリースしたのだが、


無駄な線も面も存在しない完成されたデザインだが、見ている人の付入るスキの無い冷たさもそこにはあった。

カチッとした直線を基調として、ピラーなどの段差を極小としてクリーンで端正なデザインではあったのだが、やはりこれぞというインパクトに欠けていた。

 よく見ると、セッサーノお得意のリヤのタイヤを覆うような直線的なホイールアーチの造形「コンシールドホイールカット」が見受けられ、そこに空力的な恩恵と共に、懐かしい仏蘭西車的な香りも感じるのだが、躍動感とかハッとする存在感は希薄だった。

 「コルディア」に至っては、これまた端正なデザインではあったが、そこにスペシャルティカーたる、エモーショナルな雰囲気は無く、

 
スポーティカー、スペシャルティカーたる躍動感に欠けていた!?

端正ではあるが、どこかで見たような雰囲気のデザインで、「コルディア」たる個性が感じられなかったのは痛かった。

 さらに、開発費が乏しい中、三菱のフラッグシップとして二代目の「デボネア」も彼の手腕に任せられてのだが、そこには、既存のシャーシを使い、さらに5ナンバーサイズの呪縛も重なり、限られたスペースの中、如何に高級車然として、さらに広い居住スペースと、ゴルフバッグが五つ入る容量をという要求の中、四角四面のデザインとなってしまい、それが彼の若々しいデザインを生かすことなく没個性的なデザインになってしまった事は残念で仕方ないモノであった。


オリヂナルのデザインは、彼らしい直線と平面的な面構成ながら躍動感があったが、様々な要求から、単純な直線平面構成のデザインに・・・

 オリヂナルのモックアップのデザインは、初代ミラージュに見られた断面構成でデザインされており、躍動感のあるものであったが、高級車たる落ち着き感とか、重圧感が足りない、さらに居住空間やトランクスペースを一ミリでも増やしたいという要求から、面構成も天地スコンっと落とされた様な単純なものになってしまった。

 そうした苦しい事情の中になっても、セッサーノは根性で「コンシールドホイールカット」が生かされていた。

 三菱の乗用車だけで無く、ふそうのバスのデザインにも革命を与えた セッサーノ。


左から三番目がセッサーノ。

 確かに彼のデザインは日本人の琴線に触れた優れたものだったが、それ以上が無かった。

 それは、彼の才能を生かしきれなかった日本の5ナンバーに囚われ過ぎた法規にも原因があったのかもしれない。

 その後、三菱は、セッサーノ・ラインと決別をして、まったく異なった独自のデザインの道を進むことになった。



五代目のキャンターも氏の作品だという。こうして見ると、現代にも通じる「潔さ」を感じる端正なデザインだ。

Posted at 2016/10/09 02:28:30
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