🇬🇧 英国の住宅と間取り 🏡
第1章 英国人と家(英国人の住宅の選択;ライフスタイルによる家の選択)
第2章 地域によって異なる街並み(街並みの美しさ;守られる街並み 他)
第3章 様式による家の選択(建築様式の歴史)
第4章 リノベーション(リノベーションのルール;リノベーションの方法)
第5章 英国人の家への想い(ハウスウォーミングパーティー;家を見せることは心を開くこと 他)なるほど!
時代ごとに見る家の特徴
■1714~1790年 ジョージアン様式
ジョージ王朝。ジョージ1世から3世が在位した期間の様式です。18世紀は上流階級の貴族が、イタリアやフランスなどのヨーロッパを巡って学ぶグランドツアーが流行し、建築デザインに大きな影響を及ぼしました。連続で建てる住宅形式である「テラスドハウス」が多く建てられたのもこの時期です。
■1790~1830年 リージェンシー様式
病気で政治ができないジョージ3世に変わって、ジョージ4世が摂政皇太子として統治を行っていた時代の様式です。富裕層階級を中心に人気を得たこともあり、リゾート地で数多く見かけます。
ロンドンのテラスハウスと 緑の取り入れ方
ロンドン市内を歩くと、アイアンの柵で囲われた大きなガーデンがあり、それを囲むように高級テラスハウスが建っているのを見かけます。建物のメインとなる玄関は、ガーデンに向けて設えられています。このような区画を「ガーデンスクエア」と呼びます。1830年にヘッドフォード伯爵の依頼で、建築家のイニゴー・ジョーンズがロンドンのコベントガーデンにつくったのが始まりとされています。当時はイタリア風の広場として計画されたそうです。ガーデンは柵で囲われ、ガーデンを囲うテラスハウスの住人だけが、ガーデンへの鍵を持つことができ、ステータスとされました。テラスハウスに住まう人たちの娯楽の場としてテニスコートを所有することもあります。このようなガーデンは、田園地帯にカントリーハウスを所有する貴族や富豪の間で流行しました。テラスハウスの背面に位置する庭は、都心では大きく確保しにくいこともあり、共有の大きな広場が、窓からの景色を大切にする貴族たちに受けたのです。今ではテラスハウスのほとんどがアパートメント形式に変わったため、誰もが入れる開放された公園のようになっている場所を多く見かけます。しかし、利用できる人が限定されるガーデンも、今でも残っているのです。
メアリーとマイケルの家
大工である夫マイケルの手で、改装を重ねてきました。この家には地下もあり、大工道具と現場で余った建材や素材が、山のようにストックされています。妻メアリーの趣味はガーデニングと料理。春から夏にかけては毎日数時間、ガーデニングにいそしみます。小道の奥に鏡を置いて庭を広く見せるトリックなど、さまざまな工夫が施されており、変化に富んだ美しいイングリッシュガーデンとなっています。室内に飾られている絵や物は、2人の想い出の品ばかり。ラウンジの暖炉の上に飾られた、何気ないチェルトナム市街地の絵は、2人が出逢った場所とのこと。そんな絵が、いつも2人がくつろぐ部屋のセンターに飾られており、暖炉以上に温まります。
キャロラインの家
オルセスターという中世の建物が残る街並みにある教会の裏手の家に住むキャロライン。街中にあるためフロントガーデンはなく、いきなり玄関です。建物の一番古い部分はチューダー時代。築約400年の歴史ある建物です。歴代の住人によって建物の前後に増築された奥行きのあるテラスで、外観はジョージアン様式です。キッチンからコンサバトリーを通ってバックガーデンに出られるようになっており、バックガーデンは家の幅で奥行き方向に伸び、川まで続いています。その細長い家とガーデンをつなでいるのが、コンサバトリーです。この家にはキャロライン老夫婦が住み、キッチンとコンサバトリーで過ごすことが多いそうです。
20歳代の初めからずっとボートでの暮らしに憧れていた、今は30歳代の女性の独り暮らしです。ボートでの生活を初めて12年になるそうです。なぜボートの生活を選んだのか聞くと、「理由はないわ。ただ好きだからよ」と。仕事場にはボートから自転車に乗って出勤しています。週5日勤務のため、なかなかボートを動かせないでいることが残念と言います。ボートは中古で購入し、壁の木パネルとキッチンはそのまま使用し、内装はDIY。ナローボートの歴史が好きな彼女は、当時のスタイルを随所に取り入れています。今は隠すのが普通のエンジンルームが露出しているのも、昔のスタイルとのこと。ボートでの生活は、限られたスペースを工夫して使いこなす必要がありますが、彼女はとてもそれが上手で、快適に暮らしていました。
ピーターラビットの作者の家「ヒル・トップ」
ピーターラビットの作者であるビアトリクス・ポター(1866〜1943)が1905年に購入して実際に住んでいた家が、湖水地方のニア・ソーリー村にあります。湖水地方はイングランド北西部に位置し、避暑地や観光地としても人気の美しい場所です。村全体からピーターラビットの世界感を、五感で感じることができます。「ヒル・トップ」は1640年築の歴史あるコテージで、背面に付随する階段のある場所は1750年に増築された場所です。一般公開されており、その世界に浸ることができます。隣接する左側の部分は1906年に増築された部分で、今は一般人が住んでいます。
シャーロック・ホームズの家
推理小説「シャーロック・ホームズ」の主人公の住まいが、ロンドンにあります。ホームズは架空の人物ですが、その人気ゆえに設定どおりに、ベーカーストリート沿いにミュージアムとして存在しています。地下鉄駅の目の前と立地条件もよく、世界中から観光客で日々賑わっています。ホームズと友人のワトソン博士は、1881年から1904年まで「ベーカー・ストリート221b」の下宿宿家に住んでいました。建物は1815年築で、1860年から1934年まで実際にも下宿家として登録されており、ホームズが住んでいたと思わせてくれます。
シェイクスピアやディケンズの家も
「クリスマスキャロル」で有名な小説家チャールズ・ディケンズ(1812~ 1870)が、1837年~ 1839年に住んでいたテラスハウス。1805年築で、住んでいた当時の生活スタイルが再現されている。ロンドン市内にあり、訪れやすい。
シェイクスピアの生家
「ハムレット」や「ロミオ&ジュリエット」など多くの傑作を残した劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564~ 1616)の生家。15~ 16世紀のハーフティンバーの家が多く残る、ストラトフォード・アポン・エイヴォンの市街地に博物館と併設され、観光地となっている。
イギリスには街並みを守り、歴史ある家を残して保護するための規制があります。家に規制がかかる「リスティッド・ビルディング」と、地域に規制がかかる「コンサベーションエリア」です。「リスティッド・ビルディング」は、歴史的な価値が認められる建物などを対象として、国が認定します。「コンサベーションエリア」は、家が面する道路に指定され、その街並みを守ります。どちらも外観を勝手に変更できず、役所の許可を取る必要があります。そういった家に住む人たちは、その家に住むことを誇りととらえ、家を美しく保つことに尽力します。
町並みはどのように守られているの?
イギリスには街並みを守り、歴史ある家を残して保護するための規制があります。家に規制がかかる「リスティッド・ビルディング」と、地域に規制がかかる「コンサベーションエリア」です。「リスティッド・ビルディング」は、歴史的な価値が認められる建物などを対象として、国が認定します。「コンサベーションエリア」は、家が面する道路に指定され、その街並みを守ります。どちらも外観を勝手に変更できず、役所の許可を取る必要があります。そういった家に住む人たちは、その家に住むことを誇りととらえ、家を美しく保つことに尽力します。
🇬🇧 British Royal Family
Re: 🇬🇧 British Royal Family
Re:2 🇬🇧 British Royal Family / ♠︎KING & QUEEN♦︎展
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