2026/05/05
石油にLNGにナフサ・・・子供に聞かれて説明できる?【最新改訂版】
今日は5月5日の子供の日ですが、もし子供から「石油とLNGの違いって何?」あるいは「ナフサって何?」と聞かれたら、思わず内心冷や汗というお父さんも、意外と多いのではないでしょうか(笑)
【石油と原油の違い】
まず石油と原油の違いですが、ネット上には「原油を精製したものが石油だ」などと書かれているサイトもあります。
※確かに灯油を使うストーブのことを、石油ストーブと呼ぶ。
ですが、石油は液体の化石燃料を指す言葉で、原油は地下から採掘した石油からガスや水分などを取り除く処理をしたもの、更にその原油を精製したものが灯油やガソリン等になります。
※石油→原油→灯油やガソリン等(慣用的には全部をひっくるめて石油とも言う)
【石油と天然ガス(LNG)の違い】
石油や天然ガスは、ともに化石燃料と呼ばれるエネルギー資源です。
化石燃料は、太古の生物の死骸が地層の中で長い年月をかけて分解され、エネルギー資源として利用できるようになったもので、地下のたまりやすい地層がある場所に集まって油ガス田を形成しています。
※このうち液体のものを石油、気体のものを天然ガスと呼んでいる。
なお、LNG(Liquefied Natural Gas)は天然ガスを輸送や貯蔵を容易にするために、マイナス162℃まで冷却して液体化したものです。
※LNGは日本語では液化天然ガスと呼ばれるが、天然ガスの主成分であるメタン(CH4)の沸点はマイナス161.5℃なので、液化されることで体積は約600分の1に圧縮される。
【原油の精製手順】
石油化学コンビナート内の石油精製工場では、概ね以下の手順で精製が行われます。
(1)蒸留: 原油を加熱して沸点の違いを利用して各留分に分ける。
(2)脱硫: 各留分から硫黄分を取り除く。
※燃焼時に発生する硫黄酸化物(SOx)を低減させるため。
(3)分解:分子構造を変換(重油→ガソリン基材など)
(4)改質:化学結合を変化(異性化など)
まず最初の(1)で重要となるのが、沸点です。
※沸点は、一般に分子量が大きいほど大きな値となる(分子間力も大きくなるため)
従って、蒸留をすることにより、以下のように分離することが出来ます。
・石油ガス留分(炭素数が概ね1~4。以下、同じ)
・ガソリン/ナフサ留分(5~12)
・灯油留分(9~18)
・軽油留分(14~23)
・残油(18~)
※これを見れば、天然ガスの主成分がなぜメタン(CH4)なのかという理由も解ると思います。

画像は、(一財)日本エネルギー経済研究所石油情報センターのHPより引用。
【ガソリンとナフサは競合する】
ガソリン/ナフサ留分を分解改質するなどして、ガソリンや石油化学製品の原料が生産されます。
※ガソリンはこれ以外にも残油を分解改質するなどして製造するが、基本的には石油化学製品と競合関係にある。
更に日本の場合、国産ナフサだけでは足りないので約6割を輸入に頼っていますが、主に中東産なので、ダブルパンチになっています。
※政府は早々とガソリン補助金の復活(真逆の施策)を決めたが、政権支持率を意識しての行動だろう。
我々の身の回りには石油化学製品が溢れていますが、例えばスーパーで売られている食材の殆ど(お惣菜、肉や魚、ペットボトル飲料、ポテトチップ他多くの加工品)も、包装は元を辿ればナフサなので、もし仮にナフサの供給が止まると、缶詰などの一部を除いて、中身は作れても包装が出来ない状態になります。
※それどころか、入院しても医療器具(これも今は使い捨てが主流)が足りないので手当てが出来ない、といった命に直結する問題も出てくる。
もっとも、現実にシンナーなどが品薄になっているのは、当初(3月)にナフサ分解炉を休止するなどして供給を絞った以上に、仮需による買い占めが起きたせいであり、TBSのようなリベラル系メディアが「6月に日本は詰む」などと市場の不安を煽った面が非常に大きいのですが、結果として起きてしまった流通の滞りを解消するために、政府が「ナフサは年を超えて確保できる」と表明するに至ったという次第です。
※5月現在は通常生産量に戻っているが、元々あらゆる業界に(トヨタが提唱した)ジャストオンタイムが浸透しているために、目詰まりは解消していない。
なお、これは余談ですが、過去のトイレットペーパー騒動も、あるスーパーがセール後に価格を元値に戻しただけなのに、それを毎日新聞が「(物不足から)売価が2倍になった」と悪意のある誤報をセンセーショナルに流したせいで、騒動が一気に全国に広がったとも言われています(情報源:wiki等)
しかし、政権(権力)批判をしたいがために、このように市場(社会)不安を引き起こすリベラル系メディアも問題ですが、古くはこのトレパ騒動や、最近では新型コロナ時のマスク騒動などを経験しているのに、国民も学習しない人が多いと言うか、相変わらずメルカリなどにもシンナーが一斗缶で大量に出品されているように、「楽して儲けよう」というテンバイヤーが増えすぎたのも問題かもしれません。
事実、ナフサとほぼ関係ない廉価なエンジンオイル(鉱物油)までもが不足気味なのは、このように「早く買わないと手に入らなくなる」、「値上がり前に買い占めろ」と煽られた消費者によって、シンナーなどと同様に一時的に需給バランスが崩れた側面が強いので、
必要分以外は買わないようにしましょう。
以上がざっくりとした説明です。
次回はナフサの話をもう少し詳しく書きたいと思います。
Posted at 2026/05/05 09:23:18
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