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むさし屋さん
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2014/10/16

2014.08.13 K4-GP 500km 交代 そして・・




だいぶ、だいぶ空いてしまいましたがK4-GPの続きです。

前回までに、第一走者むさし屋の激走をお伝えしました。

その模様はこちら


で、今日はその続き。



ピットに戻ったむさし屋。

出来る限り素早く、車両から降り、

第二ドライバのガーコー君と交代します。

シートベルトの装着など、手伝える部分は手伝い、

親指を立てて、送り出しました。



やることはやった、

あとは二人のドライバに任せよう。



ただ、

まだまだ役目もレースも終わりません。



テントに戻り、ドライバサポートへと回ります。

テントでは、ドライバとの通信、タイム管理など行っています。



僕は、やんかど君からヘッドセットを受け取り

ガーコー君の状態を確認しました。



どうやらアウトラップ、特に問題なく走り出せたようです。

ドライバの声も落ち着いているようでなによりです。



交代前の時点でクラス3位、

交代で順位は4位くらいまで落ちたようですが、

これはある程度想定どおりであったので、

ペースをまずは彼につかんでもらいましょう。



交代後1周目は、3分半ば・・・2周目で3分15秒くらい、

3週目で3分10秒弱・・・と、徐々に慣れてきたようです。



本人的には、あれ?もうちょっと早く走っているつもりなんだけど・・・という感じですが、

大丈夫、それは僕も同じ感想を持って走っていたよ。


この、走行中のやり取りが、ドライバに安心感を生み、

同時に、ピットクルーも安心できます。




が、

ここで一つのトラブルが。





この通信が、切れてしまったのです。

原因は不明。

まぁ、単にネットワーク不備だと思いますが。



ネットワークが復旧して、再度接続するまでに、20分以上はかかったでしょうか。

スポーツ走行中の回線なので、切れてしまうと、なかなかつながりづらいのです。



回線状態については、不安視していたものの

過去の耐久では、一度も起こらなかったケースだけに、これには参りました。



通常、耐久は、サインボードでドライバとのやり取りを行います。

もちろん、我々もサインボードを用意していたのですが、人員的にサインボードを出すのが辛い。

そのため、基本的に通信Onlyで考えていただけに、

それが切れてしまうと一気にリスクが顕在化してしまいます。



ガーコー君が走行したときは、何とか復旧できたので事なきを得ましたが、

中々これは難しい問題です。



さて、通信が切れていた最中も、コンスタントに走り続けていたガーコー君。

ピット側では、燃費重視の走行を指示していたのですが、

しっかりその指示を守り、燃費は8.0をマーク、

タイムも、平均して3分5秒と、大変優秀です。

クリアがしっかり取れたときには2分54秒をマークし、走行タイムとしても、かなり良い。




その後も彼は堅実な走りを見せ、

燃費、タイムを両立したポジションをキープしていました。

順位こそ上げなかったものの、

僕と共に、K4-GP初参戦としては十分過ぎる走行でした。





ただ、、、

この後、アンカーやんかどへのバトンタッチの際、

我々にとって、最大の悪夢が訪れるのでした。







ドライバーチェンジ。

我々の少ない人数と機材で、

ここまでなんとか大きなミス無くやってこれたこの作業ですが、

このとき、手違いにより

ヘルメット側の通信機に、ピットからの声が届かなくなってしまったのでした。



しかし、既に第二走者ガーコー君はピットに戻ってきており、

設定をやり直している時間はない。



苦肉の策として、

スピーカーモードにしたスマホをやんかど君に持たせ、

それで交信を行うことにしたのでした。

思えば、ここが我々NoLimit唯一の、そして最大のミスをした点でした。



この時点で、ガソリンは約20リットル残。

想定の燃料よりも、かなり余裕があります。

K4-GPにおけるアイのスペシャリスト、やんかど君と、相棒のアイ。

そして、ある程度余裕のある燃料。



ガンガン行って良し!


そういって、彼を送り出しました。





既に4年、K4-GP先輩のやんかど。

昨年、一昨年と表彰台を掴んだ男。

その名に違わず、彼はアイを、

富士というサーキットでレーシングカーに変えます。



2分50秒・・・そして2分45秒と、

アイとしては驚異的なタイムで、周回を重ねます。





それに伴い、順位も上げ

一時期クラス4位だった順位を、2位まで引き上げます。


1位は、次元の違うタイムをたたき出しているオリジナルのレーシングカーであったため、

我々の遥か先を走っており、今回、この時点でNoLimitにとって2位が目標でありました。



3位とは約1周の差をつけており、

2位が、チームの手に届こうかと、

そう、感じていた、終了まであと1時間のそのとき。



その好調さの影に、

一つの深刻な問題が進行していたのです。




例の連絡手段不調の為、

ドライバーに、ピットからの声はほとんど届きません。

ただ、やんかど君からの連絡は、こちらに聞こえてきます。



『ただいまの燃料消費、45リッター。』




このまま行けば2位かと思われていた我々NoLimitですが、

この報告に、むさし屋は耳を疑いました。




1時間40分の走行時間のうち、40分が経過した時点で、

残り燃料、10リットル。


K4-GPは55リットルの燃料で5時間を走りきらなければならない競技です。

やんかど君へのバトンタッチ時点で、

35リットル消費していた我々は

残り20リットルという状況でした。



彼の持ち時間、1時間40分で20リットル、余裕と思われた燃料ですが、

わずか40分で、彼に割り当たった燃料の半分を消費してしまったのでした。



にわかにあせるピット。

彼の一周のペースと、燃料消費を計算してみると、

・・・・このまま走らせれば、終了10分前くらいで、ガス欠リタイアとなってしまうのは確実でした。




その間も、やんかど君は好調に走り続けます。

少しは詰まってゆっくり走って欲しい!

このときばかりは思いました。



なんとか、こちらから交信を試みるも、彼には中々伝わりません。

『え?!なんていったの?!聞こえな~い!!』

のんきな声がイヤホンから聞こえます。






『だーかーらー!!ペース落とせって!!』

むさし屋の悲痛な叫びが、日の暮れ始めた富士にこだまします。




何度目かの叫びの後、

願いが通じたか、どうやらやんかど君にもこちらの意図が通じた様子。

なんとかかんとか、ペースダウンさせることに成功です。



しかしながら、その間に失ったガソリン数リットルは致命的なほどでありました。




超燃費走行

これが、今後の彼に対する至上命題となります。



刻々と過ぎる時間、そして変動するガソリン残量、タイム。

それらを加味し、残り40分、どのようなペースで走らせるかを検討します。


一時、ベストラップ2分43秒を刻んだアイですが、

ピット側の指示により、3分、3分10秒・・・と、我慢のときを迎えます。



難しいのは、2分40秒台と3分では、最終的に走れる周回数が変わるのはもちろんですが、

その分、TOTALの走行距離も変わってきますから、

使用するガソリン量も変わってきます。


単にペースを落として燃費走行、というだけでなく、

ペースを少しでも変えると、その分の走行距離、時間、すべてが変動しますので、

この計算は非常に難しい。

どこまで落とせば燃費、ペースを維持し、最後まで走れるのか

落としどころはどこか、



残り30分、必死に燃費と戦うやんかど君と共に、

ピットも計算に必死でした。


更に、

残り1時間の時点では1周以上差をつけていたライバルたちも、

こちらの燃費走行に気づいたようで、

ここぞとばかりにペースアップしているのが分かります。


2分40秒から3分になるだけで、1周あたり20秒遅れる、

つまり、ライバルがペースを落とさなくても、こちらが1周あたり20秒近づくわけで、

そこにライバルたちがペースアップすると、

1周のマージンなど、すぐに吹き飛んでしまいます。



そこで、

ドライバーには更に厳しい注文



『あと数周で、後ろにライバルが見えてくるはずだ。

燃費を維持したまま、ペースアップしろ』





正直、厳しすぎることは分かっています。

が、先ほどの苦しい時間によって、なんとか、

残り燃料が、最後まで持つ可能性・・・あくまで可能性ですが、

可能性が出てきたのは確かです。



残り15分。

1周3分として、5周。

この時点で、我々NoLimitはまだ2位。







5時間という長い戦いがあっという間に終わろうとしているなか、

残り15分

最も長い15分が、

夕暮れの富士を包みます。




次回



2014.08.13 K4-GP 500km チェッカーフラッグ



おたのしみに。

がんばれやんかど。
Posted at 2014/10/16 10:25:26
イイね!
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