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峠を降りたあと、夕暮れの光がコックピットを包む。風は止み、エンジンの鼓動だけが胸の奥に残っていた。掌の中で、NARDIの革が静かに息をしている。長い下りで幾度も指を添えたその輪は、まるで古い友人のよう