上野台団地の新幹線
投稿日 : 2012年01月06日
1
東上線上福岡駅東口から程近い場所にある上野台団地(現コンフォール上野台)の敷地南西側の道路沿いに整備された「福岡中央公園」には、新幹線電車が留置されている。
といっても、本物の車輌ではなく、新幹線車輌に似せて造られた公衆トイレ。公衆トイレといえば薄汚く暗い印象の強い施設だが、このような愉快な形だと利用する側も楽しい。
2
全景。
現在は東北新幹線の200系旧塗装。なかでもダブルデッカー車を組込み「スーパーやまびこ」に投入されたH編成がまとったピンストライプ入りの塗り分けをしている。
しかしこのトイレが竣工した平成元年から暫くは、確か青色をしていた記憶がある。
東北新幹線でハイグレードなH編成が仕立てられたのは平成2年のことで、このトイレの竣工後。200系でも、100系新幹線と同じ前頭形状の200/2000番台が就役していたが、ピンストライプは附されていなかった。
よって造形のモデルとなったのは東北新幹線200系ではなく、東海道新幹線100系の方だろう。床下部分のデザインも、ボディマウント形状にはなっていない。
3
青塗装時代の画像がないので記憶に頼るしかないが、記憶に間違いがなければ、後天的に埼玉県に縁の深い東北新幹線仕様に塗装変更されたものと推察する。
サイド後尾部。手前側地下には非常用飲料水タンクが埋設されている旨の掲示がある。
横須賀市の三笠公園には、D51に似せた非常用飲料水タンクが設置されている。一部本物のパーツを流用している本格派だ。旧上福岡市も、もう一両飲料水タンクを仕込んだ車輌を連結して、2両編成にして欲しかった。
4
正面。横幅が若干足りないためか、細面に見える。
型枠を組む都合上、ある程度平面的な造形になってしまうのは致し方ないところ。それでも、100系新幹線をベースにしたと判る造形は見事と言っていい。
スカート部分には、200系であれば装備されているスノープラウが表現されていないが、スカート両サイドの膨らみはきちんと表現されている。なかなか芸が細かい。
5
ヘッドライト回りの造形。
全体の横幅を広げもう少し鼻先を水平方向に伸ばし、ヘッドライトを前傾気味に配置すればより本物に近付けた感じ。
ライト部分にはアクリル板が嵌っているので、点灯可能な仕様になっているのだろうか。
6
公園全体にはソメイヨシノが一面に植えられている。
春にはお花見でにぎわい、このトイレも大活躍する。
公共事業が縮減傾向で、役所の予算も自由が利かなくなっているご時勢。今後はこのようなユニークな施設が造られる可能性は低い。
新幹線とはあまり縁のない場所でこのデザインは「無駄だ」とのご意見もあろうが、特徴ある街づくりを工夫しようとした行政の意図を、私は買いたい。
タグ
関連コンテンツ( 公衆便所 の関連コンテンツ )
関連リンク
おすすめアイテム
[PR]Yahoo!ショッピング