仙台駅

東北地方随一の大都市・仙台の表玄関。
対中京圏・対関西圏であれば空路で仙台空港(別項参照)も有り得るが、対関東圏へのアクセスでは東北新幹線開業に因り羽田便が全廃されたため、仙台駅経由で新幹線を利用する旅客のシェアが圧倒的に高い。
東北新幹線は、仙台市に入り名取川を渡る手前で在来線と合流。そのままほぼ併走し長町駅(別項参照)を過ぎたところから大きくS字カーヴを描いて仙台駅へ至る。仙台駅を出て青森方面も急カーヴで進路を北東に変える。
いずれも在来線の速度では問題にならない曲線だが、新幹線において仙台駅を通過する列車を設定する場合(計画当初は北海道方面の夜行列車などが想定された)に、速度制限を強いるボトルネックになる懸念が指摘され、現在の宮城野貨物駅近辺や、長町駅に併設する形で「新仙台駅」を整備するプランもあったという。
しかし仙台駅を通過する列車は、開業以来1本も設定されたことがなく、福島から回送されてくる「つばさ」用編成(メンテナンスを仙台総合車両所~別項で紹介~で実施する)や、今は亡き「FASTECH360」「STAR21」などの高速試験列車を含め全ての列車が停車のため減速する区間であり、この懸念は現時点では完全に杞憂に終わっている。
仙台と云えば七夕と伊達正宗。市街地中心部へ抜ける西口中央改札前のコンコースには、七夕(仙台は旧暦基準で開催するので例年8月)が近づくと、吹き抜けの高い天井から巨大で色鮮やかな七夕飾りが多数吊るされ、仙台でも最大規模のイヴェントを盛り上げる。
そして以前は中央改札口を出て正面、ステンドグラスを背にして伊達正宗の騎馬像が置かれていたのをご記憶の方も多いだろう。待ち合わせのためのアイコンとして好適なアイテムだったのだが、残念ながら今は撤去されて存在しない。
2008(平成20)年に実施された駅改修工事でスペースを喪い、県内の大崎市へ譲渡されてしまったのだ。
撤去に際しては、地元紙・河北新報や仙台ローカルのテレビ局で報道があったものの、当然全国的なニュースにならなかった。
経済や社会にインパクトを与える事件・事故でもない以上、それはそれで致し方ないことなのだが、その影響か私は看過できない出版物を発見してしまった。
時刻表である。
時刻表巻頭ページには、全国主要駅の構内案内図が掲示されている。伊達政宗公騎馬像が撤去されたのはまだ裏寒い初春。それが遅めの桜の季節を過ぎ、鬱陶しい梅雨迎えて夏の陽光が待たれる頃になっても、まだ時刻表上では伊達政宗公が独り仙台駅構内で奮戦していた。
その前後数年間、私は仙台の出先に単身赴任しており、ほぼ毎週新幹線を利用して自宅へ戻っていた。故に仙台ローカルの報道にも、時刻表にもアクセスする機会が多く、気づくことができたのだ。
早速時刻表の出版元へメールを送り、伊達正宗公騎馬像は既に撤去されている旨知らせるのと併せ、待ち合わせポイントになるようなアイテムの最新状況について、もっと綿密に情報収集するよう申し入れた。
出版社からは丁寧なお礼と、現状把握について改善を約する返事を頂戴した。
時刻表も次の号から訂正された。
なお伊達正宗公騎馬像は、陸羽東線の有備館駅に戦場を移し、今でも利用者・旅行客にその雄姿を誇らしげに見せている。
住所: 仙台市青葉区中央一丁目1-1 ※電話番号は仙台駅お忘れ物センター
電話 : 022-227-0255
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