2005年05月11日
流木?いや鹿?
長崎は五島に住んでいた頃の話。
私の集落に対面する形で、”島山島(しまやまじま)”という小さな島が横たわっています。周囲は30キロくらいのちいさな島ですが、町に面した入り江には数十人がひっそりと住む小さな集落があります。
この島、ずいぶん昔しから野生のニホンジカ多く生息していまして、天然記念物にもなっている彼らは西海国立公園内ということもあり手厚く保護されています。
普段は山の中に隠れていますから見ることはそうありません。夕凪の静かな夕刻など、海岸を散策する群れを近くの船から目撃することはたまに有りました。
このような条件の中ではどこの地域も同じような問題を抱えています。生息数が増えると食べ物を求めて人の生活域にまで踏み込んでくるのです。畑は食い荒らし、時には家の中に上がりこむ事も。問題は食害に止まらず、身体に付いているダニなど害虫を人の生活圏に撒き散らす事もあるんですね。”共存”・・・、聞こえはすばらしいですが、でも、とっても難しい問題ですね。
あるとき、鏡のような静かな海面を滑るように走る遊漁船のへさきに腹ばいになって、左右に散り分かれる水しぶきを寝転んで見ていました。
突然目の前に大きな木の枝が数本。最初は流木かと思いました。よくある事なんですね。がしかしその流木は結構なスピードで動いていたんです。
あれぇ、なんか変!?
良く見ると立派な角をつけた鹿が数頭泳いでいたんです。島にいる野良犬に追われ、岸辺に追い詰められ、そのまま海の中に逃げ込んだらしいのです。このまま対岸の五島本島まで?
なるほど、この島内に隔離されているはずの鹿がたまに五島本島で目撃されていた訳がわかりました。という事は、距離にして100メートルくらいは楽に泳ぐ事が出来るっていうわけですね。その気になればなんでもできる、ってこと?
因みに近年、島山島と五島本島の間には車も走れる立派な橋が掛けられました。日に3往復しかない渡しでしか渡れなかった、島の住人の方々の念願がかなったのです。
がしかし、地元のみんなは知っている。
人よりも鹿のほうが多数利用している事を・・・
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五島・やんちゃ期 | 日記
Posted at
2005/05/11 15:34:32
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