私が育った家庭には物心がつくまで自動車というものがありませんでした。
自動車という乗り物に憧れを抱くようになったのはそのためかもしれません。
数回に分けて、私の記憶に残る「みつびしのじどうしゃ」について書いてみます。よろしければおつき合いください。
三菱ディーラーに勤めていた身近な親族と仲良くしていたことで、子どもながらカタログやノベルティを手に入れやすく、もらったカタログはボロボロになっても眺めていたものです。
今もハッキリと覚えている1冊が、初代ギャランΣ(YC)のカタログ。
初代ギャランΣ(と兄弟車ギャランΛ)は、現在の三菱自動車工業取締役社長の職責に就いていらっしゃる相川哲郎さんが社長就任内定の記者会見の折、「(三菱自動車は)かっこいいクルマを造る会社」と憧れて、「入社を志したきっかけ」とおっしゃったクルマです。
後年知ったことですが初代ギャランΣが発売された当時、三菱ディーラーでは試乗待ちの行列ができたそうです。同クラスの他社車種より月販販売台数を超えたということを裏付けるエピソードですね。
当時幼かった私の眼にも、初代ギャランΣのデザインはとてもかっこよく映りました。
この後期モデルやカープラザ店向けに設定されたギャランΣエテルナも同じボディを使った基本は同じクルマなのですが、なぜか初期の丸目モデルが最もバランスが取れているように今でも思います。
上手くは言えませんが、外観を構成するパーツすべての大きさ、位置、カラーリング等が完璧な比率で配されているからではないかと推測しています。
親族の兄弟はGSL、後年親族はスーパーサルーンを所有していました。白く輝くボディに堂々とした「Σ」のエンブレムがとても格好よかったことを憶えています。仕様からしていずれも77年に発売された改良モデルだったと思われます。
そのギャランΣスーパーサルーンの木目ステアリングを握って、クラッチペダルを踏み、(5速)マニュアルシフトをシフトアップしていく―そんな親族の姿を通して私は、自動車に強く興味を持ったのかもしれません。(了)

77(昭和52)年5月発行カタログより
Posted at 2016/04/30 00:00:20 | |
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