ポルシェのブランドイメージとはどんなものでしょう? 言い尽くされて今更ながらとも思いますが、実際、ポルシェジャパンが、どのようなブランド戦略を持ち、イメージを展開させようとしているのか、ちょっと調べてみました。
Webでの、ポルシェ・ジャパン前社長へのインタビュー記事が参考になりました。
その中で、1985年からポルシェ販売に携わっていた氏が、以前のポルシェのイメージは、「
スピード狂のためのホビーカー」だったと指摘していたのに苦笑しました。大変ニッチで趣味性の高いクルマだったのです。
ビジネスエクスプレスとしてA地点からB地点までを最速で移動できるクルマ、日常の足としても使えるし、週末のスポーツ走行も出来るクルマ、そしてどこかインテリジェンスも感じさせ、運転が上手い人が乗るクルマという感じを持っていましたが、周りから見ると、どこか変わった人が乗るクルマだったかもしれません。ポルシェパラノイアという言葉があるように、神経質な人が乗るクルマというイメージもありました。
そして、ドイツでは合法でも、日本では違法な速度でぶっ飛ばしているクルマ…。だから、どことなく後ろめたさ、背徳さを同時に感じてしまうクルマでした。
そんなポルシェもヴィーデキングが改革を進め、ポルシェジャパンが販路を握るようになると、変わっていきました。ポルシェ・ジャパン前社長いわく、「
ビジネスの開放空間」という製品コンセプトが新しい顧客に受け入れられていったのです。
「
人生において成功してください。成功してポルシェを買ってください」という氏のメッセージとともに、ビジネスで成功した人達が、息抜きのために乗るクルマとなったわけです。
オープンカー、SUV、セダンなら、高性能、高品質でも、いつもぶっ飛ばす必要はもうありません。こうしてポルシェというブランドは、合法でありスポーティ、かつ、お洒落でセレブなイメージとして世の中に受け入れられたのです。今や911に乗っている人でさえも、「スピード狂」はごくわずかかもしれません。
ポルシェジャパン公式サイトで紹介されている、「ポルシェの未来」には、911がありません。もちろん、ハイブリッド911が無いからなのですが、
”e-mobility”とはまるでIT企業のようなコピーです。しかしエコでクリーンなポルシェの「スマートカー」が出れば、ますます世の支持を得られ、「スピード狂」の存在は、ますます許されなくなっていくでしょう。

ポルシェジャパン
http://www.porsche.co.jp/e/
(2014年12月11日)
B-plus「スペシャルインタビュー」
http://www.business-plus.net/special/1109/269701.shtml
(2014年12月11日)
Posted at 2014/12/11 16:19:15 | |
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ポルシェ | 日記