こんにちは!
秋も深まり、絶好の趣味車シーズンの到来ですね!
ここの所、先々週末は“WEC 6 Hours of Fuji(世界耐久選手権 富士6時間耐久レース)”
先週末は、“550 Japan Meeting(550 ジャパンミーティング)”とイベント2連戦でした^^;
“550 Japan Meeting”でご一緒した皆さま、お疲れ様でした!
そこで、まずは年に一度の秋のお楽しみイベント“FIA WEC 6 Hours of Fuji (世界耐久選手権 富士6時間耐久レース)”の模様をレポートしたいと思います!
550 Japan Meetingのレポートは、今しばらくお待ちくださいm(_ _)m
(長編となっておりますので、お時間に余裕をもってどうぞ。。。マジで長いっす^^;)
10/10(土)

復活したばかりの550で東北道を南にひた走ります。

昼過ぎには霊峰富士を拝みながら、御殿場に到着しました。

あいにくの曇り空ながら、雨は降っていないようです。。
ちょうど、“LMP”クラスの予選が始まったので、ヘアピンの立ち上がりで観戦することにしました。ここで、LMPクラスのクルマを何台か解説していきたいと思います。
まずは、ワークスが鎬を削る“LMP1 - H”クラスから、
♯1 TOYOTA Racing TS040 Hybrid(トヨタ レーシング TS040 ハイブリッド)

昨シーズン、LMP1ハイブリッドカーで唯一の4輪回生システム導入によって圧倒的な速さを誇り、シリーズチャンピオンを獲得した“TS040 Hybrid”。今シーズンは、熟成の年と位置づけて臨むも、アウディ,ポルシェの進化にやや押され気味の苦しいシーズンを送っています。
パワーユニットは、3.7リッターV型8気筒NAガソリンエンジンと、前後2つのMGU-K(ブレーキ回生式モータージェネレーターユニット)からの回生エネルギーをキャパシタに蓄えて、1周あたりのエネルギー放出量は“6MJ(メガジュール)”を選択しています。
♯8 Audi Sports Team Joest R18 e-tron quatro - Hybrid(アウディ スポーツ チーム ヨースト R18 e-トロン クワトロ ハイブリッド)

ワークス対決の様相を呈して繁栄を極めた“GT1”クラスの消滅後、耐久の名門“Team Joest(チーム ヨースト)”と組み、長らく“耐久王”の座に君臨してきた“Audi”は、車名こそ“R18 e-tron quatro”と同じながら空力パッケージを昨年型から大きく変更してきました。
パワーユニットは、4リッターV型6気筒ターボディーゼルエンジンと、フロントのみに搭載したMGU-K(ブレーキ回生式モータージェネレーターユニット)からの回生エネルギーをフライホイールに蓄えて、1周あたりのエネルギー放出量はLMP1-Hカーとしては、最も少ない“4MJ”を選択しています。
出来るだけハイブリッドシステムは、最小限にとどめるコンセプトのようですが、“quatro”の名が示すように、リヤをディーゼルパワー,フロントを電気エネルギーで駆動する4輪駆動車でもあります。
♯17,♯18 Porsche Team 919 Hybrid(ポルシェ チーム 919 ハイブリッド)

お待ちかね!今年のルマンで見事優勝を飾り、ポルシェにルマン17勝目をプレゼントした“919 Hybrid”です。昨シーズンから参戦したポルシェチームですが、早くも2年目にしてLMP1-Hクラスの中で、一歩抜きんでた速さを持つまでに進化してきたところは、流石ポルシェと言ったところです!
パワーユニットは、2リッターV型4気筒ターボガソリンエンジンと、それに組み合わせられたMGU-H(排気エネルギー回生式モータージェネレーターユニット)と、フロントのMGU-K(ブレーキ回生式モータージェネレーターユニット)からの回生エネルギーをリチウムイオンバッテリーに蓄えて、1周あたりのエネルギー放出量はLMP1-Hクラス最大の“8MJ”を選択しています。

この“919 Hybrid”が採用している排気エネルギー回生式のモータージェネレーターユニット“MGU-H”は、排気圧によりエネルギーを回生するのみでなく、逆に回生した電気エネルギーを利用してタービンを回すことで、任意にターボブースト圧を高めることが可能という、なんともポルシェらしい積極的なターボシステムのようです。
実際、ヘアピンの立ち上がりで“919 Hybrid”を流し撮りで捉えようとすると、“TS040”や“R18 e-tron quatro”より速めにカメラを動かさないと、ブレてしまうほどの圧倒的な加速力を目の当たりにしました^^;
同じ、ハイブリッドLMP1カーながら、3車3様のコンセプトなところが興味深いですね♪
続いて、“LMP1”クラスながら、プライベートチームによるノンハイブリッドのLMP1カーで競われるクラスです。
♯12,♯13 REBELLION Racing R-One - AER(レベリオンレーシング R-One - AER)

すっかりLMP1クラスではお馴染みとなったプライベーター“レベリオン レーシング”。マシンは昨年、倒産した“ローラ(Lola)”からスイッチした“オレカ(Oraca)”開発の“R-One”を継続して使用しています。

パワーユニットは、昨年のトヨタ製からAER製2.4リッターV型6気筒ツインターボガソリンエンジンに変更されています。
♯4 Team ByKOLLES CLM P1/01 - AER(チーム バイコレス CLM P1/01 - AER)

昨年は“ロータス(Lotus)”として参戦していた“チーム コレス(Team KOLLES)”が、今年は“チーム バイコレス(Team ByKOLLES)”として参戦。マシンも昨年の“CLM P1/01”をアップデートして使用しています。
パワーユニットは、前述のレベリオンレーシングと同様AER製2.4リッターV型6気筒ツインターボガソリンエンジンを採用しています。
続いて、LMP2クラスのマシンも何台か紹介していきます。
♯31 Extreme Speed Motorsports Ligier JS P2 - HPD(エクストリーム スピード モータースポーツ リジェ JS P2 - HPD)

メキシコのテキーラメーカー“パトロン(PATRON)”をメインスポンサーとするアメリカのプライベーターで、マシンはフランスの“オンローク オートモティヴ(Onroak Automotive)”社が、往年の名門コンストラクター“リジェ(Liger)”との共同プロジェクトで開発した“リジェ JS P2(Liger JS P2)”を使用しています。
パワーユニットは、HPD(ホンダ パフォーマンス デベロップメント)製の3.4リッターV型8気筒NAエンジンを採用しています。
♯36 SIGNATECH ALPINE A450B - Nissan(シグナテック アルピーヌ A450B - ニッサン)

以前、“シグナテック ニッサン(Signatech Nissan)”などの名称で参戦していたチームですが、ルノー/ニッサン グループの繋がりから、名門“アルピーヌ(Alpine)”のブランドネームを冠して“シグナテック アルピーヌ(Signatech Alpine)”としてWECにフル参戦してきました。シャシの名称も“A450B”と、往年のルマンレーサーを彷彿とさせるネーミングで粋ですね♪
エンジンは、日産製の4.5リッターV型8気筒NAエンジンを採用しています。
♯42 Strakka Racing Gibson 015S - Nissan(ストラッカ レーシング ギブソン 015S - ニッサン)

イギリスのプライベーター“Strakka Racing(ストラッカ レーシング)”。こちらもWECではお馴染みのチームですが、今シーズン序盤に“童夢 S103(DOME S103)”を使用していたことでも話題になりましたね。
結局、LMP2は2017年のレギュレーション改定でシャシコンストラクターが4つに絞られることになり、童夢はその4つに選ばれなかったことから、ストラッカは“ギブソン(Gibson)”製シャシにスイッチした模様です。
この“ギブソン”というブランドネーム、なかなか聞きなれないですが、昨年までの“ザイテック(Zytek)”が名称を変更しただけのようです^^;
LMPクラスの予選が終わった頃、うさぎ㌘が到着しました~
㌘の912はフロントにラリーフォグが追加されて、“ラリー”なナローになっていました^^;
912と550の並びは、今年のGW以来になります。

今年は、アジアルマンがサポートレースとして行われているため、楽しみだった“ルマン レジェンド”の走行がありませんでしたが、駐車場に以前の“ルマン レジェンド”のゼッケンを張ったアルピーヌA110↑が停まっていました。
サポートレースのアジアルマンの決勝レース観戦もそこそこに、メインスタンド裏を散策します。
今年も、“パドックパス”と合わせて“ポルシェファンシート”を購入したので、ポルシェブースで応援グッズを引き換えに行きました!
ポルシェブースの展示は、2台の“991 GT3”と“カイエンS E-ハイブリッド(Cayenne S E-Hybrid)”
“919 Hybrid”のモックアップと“991 GT3 Cup”でした。
今年の応援グッズはこちら↓

内容は
・ルマン優勝記念ポスター
・PORSCHE INTELLIGENT PERFORMANCEナップザック
・ネックストラップ
・ポストカードセット
・ポルシェ応援フラッグ(←写真には写っていませんm(_ _)m)

メインスタンド裏では今年も恒例の“トヨタ 2000GT & ヨタハチ”の展示や

エクストリームスピードモータースポーツのメインスポンサー“PATRON(パトロン)”のブースなどもありました。

トヨタ,アウディは例年通り大規模なブースを設けて、プロモーション展開中といった感じです^^;
夕方になって後輩kimu_marchも到着し、恒例となったルマンスタイルBBQで“WEC Fuji”の夜を楽しみました♪
10/11(日)

決勝日当日、予報通りの雨がしとしとと降り続きます・・・
レース前のお楽しみの1つがピットウォークの時間ですが、相変わらずワークス3メイクスは大人気で長蛇の列ができていました。
当然、お目当ては“ポルシェ チーム(Posche Team)”のピットですが、列の最後尾からの眺めはこちら。。。↓

長っ!

ピットにたどり着いたころには、サイン時間も終わって、ハイ!お片付け!笑

それでも、人混みがいなくなった分2台の“919 Hybrid”は、バッチリ撮れました♪
スタートまでの時間は、パドック裏を散策。
雨模様のレースが予想されるため、各チームウェットとドライ両方のタイヤを準備しています。

右側のウェットタイヤ↑なんかは、ちょっとした市販ハイグリップタイヤよりも溝が入っているように見えますね!

ポルシェのモーターホームは意外と地味なデザイン。

あっ、Dr.ウルリッヒ(アウディスポーツ代表)だ!笑

新生アルピーヌはマシンもさることながら、関係者が来ていた
アパレル関係のカッコよさが際立っていました。
スタートはポルシェファンシートで観戦しようと、グランドスタンドにきました。

今年のWECは、往年のルマン式スタートを模してピットウォール側にマシンを並べ、そこからフォーメーションラップに向かう演出にしたようです。
ポルシェチームは見事予選1位,2位のフロントローを獲得した模様です♪

LMP2クラスのトップ争いを演じる“KCMG”の“オレカ 05 ニッサン(Oreca 05 Nissan)”は、レース直前までタイヤをウォーマーで温めているのか、タイヤが付いていないですね。しかも、よく見ると何人かのメカニックが“必勝ハチマキ”までして勝つ気満々です^^;

♯91,♯92のGTE Proクラス“ポルシェ チーム マンタイ(Porsche Team Manthey)”の“911 RSR”は、予選4位,5位からスタート。

メカニックもピットに戻り、スタートの時間が迫ってました~

各車フォーメーションラップに向かいます。
レース自体は定刻通り11:00にスタートしましたが、雨足が強いためセーフティーカーによる先導が続きます。

2年前の記憶がよぎりますが・・・

約38分のセーフティーカーランの後にレースがスタートしました!

ホームストレートは駆け抜けるマシンの水しぶきで霞み、後続車は大変そうですね・・・

予選では1位,2位を獲得したポルシェ勢でしたが、ヘビーウェットでのレース開始時の混乱に乗じて、アウディ“R18 e-トロン クワトロ ハイブリッド”の2台が1位,2位に躍り出ます。

一時は、トヨタ“TS040 ハイブリッド”にも前に行かれ4位,5位まで順位を落としていた“919 ハイブリッド”ですが、レコードラインがドライに近づくにつれて、圧倒的な加速の速さを生かして、アウディを追いかけます。

2時間を経過したあたりで、ようやく小雨も止んできました。

ちょうどそのころ、ホームストレート上でロマン・デュマ(Romain Dumas)の駆る“919”18号車が、マルセル・ファスラー(Marcel Fassler)の“R18 e-トロン クワトロ”7号車をパスし、ポルシェがトップを奪還しました!
ポルシェがトップに返り咲いたところで、昼ご飯にすることにしました^^;
今年のワールドフードには、あったらいいなと言っていた“カリーヴルスト(ベルリン名物カリー風味のソーセージ)”があったので、迷うことなく購入↓

って、メインの“ヴルスト(ソーセージ)”1本しか入ってなくね?爆
腹ごしらえもしたので、サーキット内を移動して色々なところで観戦することにしました。こういった楽しみができるのも、耐久レースの楽しみです。
レベリオンレーシングのパドック裏では、序盤のクラッシュで交換したリヤウイングの修理中でした↓
こちらはグランドスタンドの反対側、ピットビルの上の観戦エリアです。

ここの見所はピット作業を真上から観られるところ

ちょうど、LMGTE Proクラスの“アストン マーティン レーシング(Aston Martin Racing)”97号車がピット作業中でした。
また、ホームストレートが近いのでこのような↓迫力ある写真を撮ることもできます♪
続いて、ヘアピンへ

ヘアピンへの進入はマシン速度は遅いですが、ちょっと遠い・・・

マーク・ウェバーから交代したブレンドン・ハートレーがハンドルを握る♯17号車が、ヘアピンを駆け抜けていきます。

こちらは、LMGTE Amクラスの“♯77 デンプシー プロトン レーシング(Dempsey Proton Racing)”の“911 RSR”
アメリカの俳優パトリック・デンプシー(Patrick Dempsey)がオーナー兼ドライバーを務めるチーム。ハリウッドスターであるパトリック・デンプシーの人気は絶大で、パドックウォークでは、ワークスチームかと見まごうばかりの人だかりができていました^^;
個人的にお気に入りなのが、ここ↓のヘアピン立ち上がり。

適度な速度と近さで、なかなか良いアングルが撮れます

レコードラインは、だいぶ乾いてきましたね♪
残り1時間を切った時点での順位↓

1位:♯18 ポルシェ 919ハイブリッド
2位:♯17 ポルシェ 919ハイブリッド
3位:♯8 アウディ R18 E-トロン ハイブリッド
フィニッシュを観るべく、グランドスタンド裏を散策してポルシェファンシートに戻ります。

ポルシェブースの脇にこんなバナー↑を発見!

グランドスタンドに戻ると、一部には青空も見えてきました。

終盤、LMGTE Proクラスの3位を走行していた♯92号車マンタイの“911 RSR”が、♯71号車のAFコルセ“フェラーリ 458 イタリア(Ferrari 458 Italia)”をかわして、2位に上がりました!

17:00 長かった“6 Hours of Fuji”が、“919 ハイブリッド”の1-2フィニッシュで幕を閉じました♪

レースを征した3台が表彰台の下に並べられ、表彰式が始まりました。
LMP1-Hクラス

表彰式のプレゼンターは、“ミスタールマン”こと寺田 陽次郎氏です!

1位:♯17 ポルシェチーム 919 ハイブリッド
2位:♯18 ポルシェチーム 919 ハイブリッド
3位:♯7 アウディ チームヨースト R18 e-トロン クワトロ ハイブリッド
LMP1-Lクラス

1位:♯12 レベリオン レーシング R-One - AER
2位:♯4 チーム バイコレス CLM P1/01 - AER
3位:♯13 レベリオン レーシング R-One - AER
LMP2クラス

1位:♯26 G-ドライブ レーシング リジェ JS P2 - ニッサン
2位:♯36 シグナテック アルピーヌ A450B - ニッサン
3位:♯28 G-ドライブ レーシング リジェ JS P2 - ニッサン
LM GTE Proクラス

1位:♯51 AFコルセ フェラーリ 458イタリア
2位:♯92 ポルシェチーム マンタイ ポルシェ 911 RSR
3位:♯71 AFコルセ フェラーリ 458イタリア
LM GTE Amクラス

1位:♯77 デンプシー プロトン レーシング ポルシェ 911 RSR
2位:♯98 アストンマーティン レーシング アストンマーティン ヴァンテージ V8
3位:♯83 AFコルセ フェラーリ 458イタリア
といった結果になりました~

スタート直後に“919 ハイブリッド”が揃って順位を落とした時は、どうなることかと思いましたが、終わってみればポルシェ1-2フィニッシュと、強いポルシェをここ日本で生で観れて、ホントに良かったと思います!
パルクフェルメに佇む“ポルシェ 919 ハイブリッド”♯17号車

ボデーサイドの“1位”を示す赤LED1灯が、眩しいですね!
こちらは、3位入賞の“アウディ R18 e-トロン クワトロ ハイブリッド”

ちょうど、FIAの検査員立会いのもとで何か確認中のようで、エンジンルームが見えていました^^;

ロールバーと吸気系デバイス以外は、ほとんどメカニックの膝より下にしかメカがありませんね。あそこに4リッターV6ターボディーゼルユニットが収まっているのだから、恐ろしく低重心ですね~

車両保管から解放されたマシン達が、次の上海に向けてピットで整備されています。

こちらは整備そっちのけで(笑)、F1ロシアGP TV観戦に熱を上げる面々^^;

すっかり定着した感のある“WEC 6 hours of Fuji”ですが、今年も現地観戦に来てよかったと思います

長文にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
550 Japan Meeting編へつづく・・・