TRUST TOUCH タッチパネル故障 コンデンサ入替のDIY修理
| 目的 |
修理・故障・メンテナンス |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
 初級 |
| 作業時間 |
1時間以内 |
1
2
【通電チェック】
タッチパネルが無反応に陥ったらここから確認してみてください。
画像上段の赤丸の位置に、タッチパネルとフラットケーブルの接続部があります。粘着接続のため接続は非常に不安定です。フィルムが歪んだり浮いたり粘着が弱まったりすると非通電になります=タッチパネル無反応。赤丸を押しながらタッチパネルが反応する場合は接続部の接触不良が考えられます。
(私の場合は接触不良ではなかったので以下に進みました)
【タッチパネルフィルムを調べる】
構造は抵抗膜方式。液晶の上にフィルム2枚が貼られています。フィルムのフチのみ粘着されているので簡単に剥がれる。剥がすと代償がありますので下の方の【オマケ1】もご覧ください。
電極はフィルム1枚につき2極、合計4極がオレンジのフラットケーブルに接続。
外側フィルムは「2極の電極」のみ。
内側フィルムは「2極の電極」と外側フィルムとフラットケーブルを通電させる「通電ポイント2個(真四角)」になっていました。
フィルム内の清掃をしましたが復活することはなく、電極の接触不良もない。フィルムは故障してないっぽい。
タッチパネルのことを調べていると、コンデンサも重要なんだとか。電子部品の故障の多くはコンデンサとトランジスタという定説もあることだし、コンデンサを交換してみることに。
3
【コンデンサを調べる】
丸い部品がコンデンサ。記号からどんな種類かを調査(調べるの苦労しました)。
形状から、リード線のないSMDタイプの「アルミ電解コンデンサ」というのが判明。そのなかでも内部構造が数種類あるそうです。
・標準(電解液)
・OS-CON(伝導性高分子)
・Hybrid(伝導性高分子+電解液)
Hybridは車載部品に最適らしいです。TOUCHのコンデンサはおそらく品番や記号から想定してHybridのPanasonic製だと思われます。
さらに、
Hybridのなかでも耐熱グレードが6種類ほどあり、TOUCHは標準品のZAタイプのようです。ZAは耐熱105度の最低グレードにあたり、上には125度、150度もありました。
以上で種類が特定。TOUCHで使われるコンデンサはたぶん↓
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ
耐熱105度
----------
憶測ですが、Hybrid構造が車載部品に最適とされているだけで、OS-CONなどでもTOUCHで使えると予想しています。
4
【記号の読み方】
つぎにスペック特定。コンデンサ頭頂部の印字を解読。
模様のラインはマイナス電極、これで設置方向がわかります。
印字に統一された形式はないようですが、他製品でも静電容量と定格電圧は書かれているようです。静電容量は数値で記載、定格電圧は数値か記号で表示。記号の意味は以下のとおり。
C = 16v(16ボルト)
E = 25v
V = 35v
H = 50v
J = 63v
TOUCHコンデンサの場合、
中段の数値が「静電容量(μF)」。
下段が定格電圧。小さなコンデンサでは頭文字が「定格電圧の記号」、のこり2文字がシリーズ記号(グレード)。
上段はおそらく品番。
以上の法則で画像のコンデンサをひもとくと、たぶんこうなる。
[赤]
47 = 静電容量47μF
35 = 定格電圧35v
V = おなじく定格電圧35v
8bY = 品番?
[青]
22 = 静電容量22μF
V = 定格電圧35v
ZA = ZAシリーズ(耐熱105度)
8P = 品番?
[黄]
47 = 静電容量47μF
C = 定格電圧16v
ZA = ZAシリーズ(耐熱105度)
8P = 品番?
TOUCHで使われているコンデンサは以上の3種類と推測。
5
【部品の調達】
前項のコンデンサをまとめると↓
いずれも導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ
[赤] 47μF/35v 寸法6.3 x 5.8mm 2個
[青] 22μF/35v 寸法5 x 5.8mm 3個
[黄] 47μF/16v 寸法5 x 5.8mm 2個
これらの部品をRSサイトさんで[赤][青]を見つたので注文。1個150円ほどなので予備も含め倍の数を購入。
ちなみに[赤]はZAグレード(耐熱105度)が見当たらなかったので、ZCグレード(耐熱125度)を購入。[青]はZAです。
RSサイトさんの膨大な商品量から探すのは苦労しますので品番メモっておきます。以下品番を検索でヒットします。
[赤] 758-1073
[青] 758-1256
なお[黄]コンデンサは、私が探したときはHybridが存在せず。OS-CONの47μF/16vはありました。その品番は763-9576。
※今後商品は完売や入れ替わりなどもあり得ますので、検索でヒットしないときは自力で探してください。
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【コンデンサ入れ替え】
コンデンサは熱に弱いそうなのでハンダ付けは手短な作業がよいらしいです。
基板からコンデンサを取り外すときはコツがいりました。ハンダこてが当たらない位置でハンダ付けされており、以下の手順で行いました。
基板の電極にハンダ線を当ててハンダを盛る。盛ることで届かないハンダと結合し熱が伝わります。
盛ったポイントにハンダこて先を当て、コンデンサをつまみ(自分はピンセット使用)上に引っ張る。一度では外せないので、反対側のポイントと交互にハンダ先を当ててコンデンサを抜く。
つづけて新しいコンデンサの取り付け。
前の作業でハンダを盛っているので、その上にコンデンサを乗せてハンダを溶かすだけで固定できます。熱に弱いのでハンダの当てすぎに注意。
コンデンサは全部で7個ありますが、自分は2種類しか部品を用意できなかったので5個だけ交換。そもそもコンデンサで直る確証もなく、試しに2種類を交換してみたしだいです。
7
【動作確認】
(この時点ではタッチパネルの復活より、基板いじったので画面が映らないのではとドキドキ。)
車に接続すると画面が点灯、メモリも飛んでおらずいつもの画面。タッチパネルに触れるとピッ♪と反応。軽く触れただけで全エリア反応!
数日ようすをチェックしてましたが不具合なしの良好。直ったみたいです。
はたして、コンデンサ交換で直ったのかは定かではありません。故障を特定できず、どのコンデンサがどんな役割かも知りません。もしかして作業の衝撃で復活したのかもしれません。たまたまコンデンサ交換で復活したという内容になりますのでご了承ください。
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【オマケ1】
タッチパネルフィルムを剥がすと粘着が伸び、表示面に付着すると除去しにくいので注意です。
また元に戻すと粘着が弱まるため剥がれやすくなります。とくに接続部が浮いてしまうと通電しなくなりますので、できれば剥がさない方が無難。
接続部も剥がしてしまった私は、接触不良が起きていることが判明。外側フィルムが浮いていました。
内側フィルムの通電ポイント(真四角)に若干ハンダを盛り、薄手両面テープでフィルムを接着。これで解消しました。
【オマケ2】
Greddyが書かれた保護パネル。無い方がタッチパネルが敏感に反応するだろうと思っていましたが関係ないようです。抵抗膜パネルは圧力で反応するため保護パネルが有っても無くても影響なし。抵抗膜方式は傷がつきやすいので保護パネルは必要らしいです。
【ぼやき】
透過性の悪いTOUCH、日差しが強いと何が写ってるか白ボケて見えません。透過性の悪い原因は、透過率78%の抵抗膜方式タッチパネルでした。
Greddyが書かれた保護パネルはほぼ透明、素の液晶もとても鮮明です。抵抗膜方式でないものを導入してほしかったです。
<経過報告>
上記の修理から半年もしないうちにタッチパネルが無反応になり、前に戻りました。
基板(コンデンサのない側/裏側)のつぶつぶした電子部品の数個が、焦げたように亀裂が入っていました。これが原因かは不明。コンデンサで負荷がかかったのか、そもそも亀裂した部品が悪かったのかは知りません。
タッチパネル無反応になりましたが、そのまま使っています。
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