恋人も濡れる街角

熊本市内は、ポツリポツリと雨です。

梅雨ですか？

梅のような雨で梅雨ですか？

赤チンです。


濡れながら、女子高校生が帰宅しています。

助けてあげたいです。

ですが、過去にすごいトラウマを抱えているだけに・・・。








実は、僕が東京本社にお勤めの際、事件は起きました。
当時、埼玉県志木市柏町(この辺)に住んでおりました。



おりしも、今頃の季節。
アパート前まで傘をさして歩いていると、目の前をずぶぬれの女子高生が。
すでに、このキーワードでアソコがおっきしちゃった大きいお友達は、間違いなくアレです。
そんなことはさておき。
僕のアパートは目の前。っていうか２０メートルほど。
雨は止むどころか、強くなる一方の様子。

ここはやはり、男気、否！ 漢気を見せねばなりますまい。


下心を抑えつつ、優しい表情、そして優しい声で、
それでいて、馴れ馴れしくないように、紳士的な言葉使いで


赤チン：「雨、濡れてますね。傘使いますか？」


どうせ、安物の傘です。
そのまま、使い捨てても構いません。

こんな、菩薩がごとき心情で接するなんて。
熊本から一人上京し、右も左もわからず、泣きべそをかいていた男が。
ほんと、立派になったよ、お母さん。


既にぐっしょりな、女子高生。
濡れた髪をかき上げ、これまた潤んだ瞳で僕を見つめ、発した言葉は


『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！＃＄％＆＊‘＋＠！！！』


何が起こったか、即座に反応できなかった僕は、傘を放り出して
一目散に逃げ出しました。
えぇ、目の前にある僕のアパートへ。（徒歩、２０歩）
震える手で鍵を開け、部屋に入るとすぐに鍵を締め、外の気配に耳をすませました。
女子高生の叫び声はしないものの、荒い呼吸と心臓の音が耳元で聞こえ
軽い酸欠に脳が締め付けられるような思いでした。


良かれと思ったのに。
善意で声をかけたのに。

しばらくすると、意味もなく怒りがこみあげてきて。
なんて女だ。
だいたい、人に声を掛けられて叫ぶなんて非常識だ！
頭がおかしいに決まってる！！



スーツから部屋着に着替え、テレビを見ながら普段は飲まないビールを冷蔵庫から取り出し、グビッと飲みほした時にふっと思いました。



さっきの女子高生が、警察に通報してたらどうしよう・・・。



えぇ、冤罪です。
冤罪ですとも！！





ですが、女子高生側からすると、見知らぬおっさん（って当時は２０代だっちゅうの）が声をかけてきて、すごくこわかった。叫んだら、傘を放り出して逃げて行きました。どっちに逃げたかって？あのアパートの２階です。



タイホー確定


金曜日の夜。
震えながら、押し入れに隠れたのは、甘酸っぱい青春の思い出です。



その事件がきっかけで、その女子高生とは