東横綱、ヒーターコア 西横綱、バイパスパイプ 行司は式守バルブ之助
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
先日のマークⅡ復帰を果たして、1つ肩の荷が下りた私です。
そしてそのマークⅡは、燃え尽きかけていた私のイジり心を、呼び戻してくれました。
我がカローラ、『GRE71』として復活させた際からの、足りなかった箇所を修正に入ります。
第1弾、『水周り』です。
この次期は問題ないのですが、毎年夏になると、水温の上昇が著しく、怖くてエアコンが使えないという、本末転倒な仕様なのです・・・
対策として、高温に強いエンジンオイルを使う(オイルクーラーが意外と冷やしてくれるので、油冷エンジンと捉える)ことで、真夏でも夜であれば、どうにか冷却が間に合いましたが、日中はやはり、冷却負けしてしまいます。
他にも、エンジンルーム内の排熱(狭いエンジンルーム内に、見合わぬデカいエンジンのため、掃気し難い)を促す工夫も必要ですが・・・
以前から改良点として着目していたのが、『ヒーターバルブ』です(入手後、早速切断してしまったので、オリジナルの画像は借り物です)。
画像のバルブ、(初代)ロードスター等に流用されるバルブ(車種は・・・なんだろう?)ですが、何が優れているかといえば、2ウェイではなく、3ウェイなのです。
つまり通路が、前者は一方向、後者は二方向あるのです。
2
今現在カローラに装着しているバルブは、前者2ウェイです。
この車の水周りを明かしますと、ラジエーターからエンジンに入った冷却水は、シリンダーブロック、ヘッドと巡り、ヘッド後方のリヤウォーターアウトレットから、メインのバイパスパイプ(確か、25mmくらい)と、もう1つ19mmのサブ?のバイパスパイプとの2本がエンジン前方〜ラジエーターへと戻します。
ちなみに、ラジエーターホース径は、38mmです。
そうです、ラジエーターホース径がその大容量(必ずしもフルに使うとは限りませんが)となると、2本のバイパスパイプは、共に最大容量を送らなければ、冷却が間に合わないものと予測できます。
38mm径vs25mm径+19mm径
の図式です(それでも足りない気もしますが)。
ところが・・・
ウォーターアウトレットから19mm径のバイパスパイプへの接続は、ヒーター設備も絡んできます。
言わば、ウォーターアウトレット→バイパスパイプ直通(ヒーターバルブ全閉)が夏仕様、ウォーターアウトレット→全開ヒーターバルブ→ヒーターコア→バイパスパイプが冬仕様としたいのですが・・・
TE71のヒーターコアは、パイプ径が16mm、流用したヒーターバルブの口径も16mmなので、基本的には16mmに合わせざるを得ず、しかもヒーターバルブを開いた際、バイパスパイプ直通側のパイプ径が、ヒーターコア行きのホース径より大きければ、なかなかヒーターコアに温水が回らず、いつまでも温まらないため、苦肉の策として、直通側のパイプ径を、14mmに絞っていました。
ということは、ヒーターバルブを全閉した夏仕様では、19mm径が途中で14mm径に絞られてから、19mm径のバイパスパイプに入るという、チョーク状態だったのです・・・
夏場の冷却の方が、冬場の冷却より、流量が『絞り』と『ヒーターコア不通』のダブルパンチで冷えなくなるという、そりゃ冷えない仕様なのです。
そこで!
3
マークⅡより授かった【挫けぬ心】を胸に、今こそ全てを解決させん!!
まず、
①ヒーターバルブを3ウェイに変更
②ヒーターバルブのパイプ径を、20mm(厚み0.5mm、つまり内径19mm)に改造
③ヒーターコアパイプ径は、あくまで16mmなので、ヒーターバルブをコア行きに回しても、少しだけバイパスパイプ直通側に送れるよう、8mm穴を開ける
④できる限りホース、配管のシェイプアップ
を目指します。
ウォーターアウトレットから戻る“水路19mm径”を、ヒーターバルブをどちらに回そうとも、最大限減らさない、これを目標とします。
ヒーターバルブの径拡大には、厚み0.5mmと1mmのステンレスパイプを用意しましたが、ハンダ付けなら前者、溶接なら後者と考えていましたが、当然、前者選択です。
4
それだけの大容量通路は、もはやバラさないと不可能でした。
ついさっきまで新品部品、完成部品は改造用部品です。
汎用(?)部品は、バラしてナンボです。
元のパイプ(外径16mm)を、20mmホールソー(内径16mm強)のスリーブ代わりにして差し込んだところ、キレイに刳り貫けました。
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この独特な穴のドラムが、3ウェイの証?
遠慮なく拡大します。
なお、3頁の③番、『少しだけバイパスパイプ直通側に送れるよう、8mm穴を開ける』というのは、ホールソーで刳り貫く最中、ホールソー中心のドリルの存在を忘れて、気がついたらドラムに6mmの穴が開いていたという、痛恨のミス・・・!
が、「あっ、よく考えたら、19mmパイプの水源を、16mmパイプに通したら、糞詰まり気味になるな、この6mm径ホールソードリル穴で逃がすことで、むしろ解決策となるのでは!?奇跡は起こった!!」
ものは考えようです。
え、8mm?
た、たぶん6mmでは足りないと見て、もう少し拡
バリ取り失敗したんだよ!
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内部には、ドラムのブレ抑制と漏れ止めを兼ねるゴムスリーブ(とでも言うのかな?)が入っています。
ただ・・・
加工後の内径20mmどころか、元の16mmでも絞るような小さな穴径!コリャいかん!
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可能な限り、拡大しました。
ポイントとしては、スリーブとしての突起を、完全に切除してしまうと、バルブの穴に留まるキッカケが無くなってしまう、ドラムを回した際に、このゴムまで一緒に回ってしまっては、切り替えにならなくなる、水路を塞ぐ恐れがあるので、横(回転)方向に動かないように、少しだけ爪を残しました。
剛性がなくなりましたので、作動中に変形してしまう恐れはありますが・・・
きっとクーラントが、ゴム✕ドラム間の潤滑剤代わりになってくれると信じます。
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パイプはハンダ溶接にて、固定しました。
この手法を教わってから、選択肢が増えたなぁ・・・!
コレだけでもみんカラ始めた甲斐があったというものです、ありがとうございます、師匠!
夏仕様は水色水路、シンプルに下(ウォーターアウトレット)から向かって左へ抜けるのみです。
冬仕様は、赤線水路、向かって右に抜けるのと・・・
よ〜く見ると、左水路にも、抜けるようにしました(5頁の通り、なっちゃいました)。
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素のパイプのままでは心許ない、当然ビード加工(抜け止め)を施します。
このビードフォーマー、昔は4万くらいしたのですが(キノ◯ニさんでは、まだそれくらいかも?)、無印(つまりC国製)工具では、3万を切り、2万も切り、いつしか1万も切っているようで・・・
いい時代になったなぁ、私は26000円で買ったけど・・・(TT)
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改造は、1に現車確認、2に現車確認、3に現車確認!
私の場合、確認したことを、作業場に戻る途中で忘れてしまうので・・・
改造は、1に現車確認、2に現車確認、3に現車確認!
エンジン後方、バルクヘッドとの隙間に収まるのか、収めるなら何処か、固定はできるのか、純正位置とは全く違うなら、ホースやコントロールケーブルの取り回しはできるのか、しかと確認しました!
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固定にも、会心の位置に、まるでそうなるべく用意されていたネジ穴がありました!
よーし、ステーを作ろう!
えーっと・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
どれくらいオフセットできたっけ・・・?
ととりあえず、定番、アングル材(錆びてない!1枚剥がせるコーティングだ!)をテキトーな長さに切って・・・
たぶん、この辺だろう!
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ハンダ溶接?
まどろっこしい!アークしてまえ!
あぁ、ゴムが・・・ゴムが生きてますように・・・
ゴムよりも、ハンダが溶け流れないかが心配でしたが、さすが一度固まったハンダ、ビクともしませんでした。
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けっこうガッツリ付けましたが、オーバーハングが強く、ブレる恐れがあるので、補強がてらテキトーな端材鉄板を、テキトーに切ってだ〜いたい溶接してみました。
ステーにはしっかり溶接しましたが、バルブボディの背中には、ほぼ隙間無く接しているので、敢えて溶接はしないでおきました。
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あとはコントロールケーブルの被膜先端を固定するステーが取り付けられるように穴を開け、タップを切りました。
よし!コイツを持って、いざ、水路制覇だっ!
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そうそう、フラックスは零れまくっているし、溶接はしているしで、錆びも心配なので、塗装しておきましょう。
モノタロウのジンクスプレーは、廃番にならないでくれよ〜・・・
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そして翌日、いよいよバラし始めます。
手始めに、クーラントを抜き取ります。
全量・・・ではなくても問題ありません、とりあえずリヤのウォーターアウトレットの高さ以下辺りまで抜ければ良しとします(もっとも後ほど、この機にできるだけ交換します)。
さて、ワンオフで作ってもらったラジエーターですが、ドレンの位置が・・・せめて、排出用のパイプでもあれば良かったのですが、テンションロッドブラケットの形状、クーラントの排出量、水圧によって、落ちる位置が変わります。
広めの受け皿で、受け止めましょう!
こんな時、ファミリーパックアイスの容器が使いやすい!
割りと濃い青なので、コーラボトルが本当にコーラに見えます?
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さあ、バラしていきます。
順番なんてどうでもいい、外せるモンは、とっとと外してしまえ!
と言いたいところですが、ホース内に残っている状態で外せば、周囲大惨事となりかねません。
念には念を入れ、高い所から下へ、下へ。
ホースは高い所から外し、傾けられるなら、受け皿を用意して、傾けて抜き取ります。
ヒーターコアなど、片側から空気を送り(フーッ!ってするの)、内部に留まっている分も、なるべく抜きたいところです。
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ウォーターアウトレット付近の配管を外します。
チーズ(T字配管)は1/2pt、内径は十分なのですが、アウトレットから内径15mmのホースニップルを介して左右へ、向かって右にヒーターバルブ行き16mm、向かって左にバイパスパイプ行き14mmホースです。
足りるはずがない!
これだけ外しても、エンジンとバルクヘッド間の隙間の小ささたるや・・・
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赤矢印がウォーターアウトレット、青矢印がバイパスパイプです。
もう外した後ですが、ウォーターアウトレットからチーズまでは、ちゃんと19mmホースで繋いでいましたが、バイパスパイプには、16mmホースを、無理矢理広げて押し込んでありました。
もっとしっかり作らんか!
そして、実はもう1つ、今回の売りを用意しています。
そのためにも、ヒーターホースは確実に外しましょう。
TE71純正ヒーターコアは、パイプ向きが上下なんですよねぇ、このエンジンには、あまり向かないのでした・・・
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所変わって室内から。
そうです、ヒーターコアを交換するのです。
ということは、ヒーターユニットを完全に取り外す必要があります。
コイツが奥まってて、なおかつ周辺に多くの装着物があって、取り出しが大変・・・
コンソール、ダクト類、本当は置きたくなかった位置にあるECU、オーディオ、ETC等配線類・・・
集中し過ぎ(><)
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ヒーターユニットに接続されている物の1つに、クーラーユニット(エバポレーターケース)もあります。
まだ配管繋がっているのに・・・
せめて、ずらせられれば・・・
なにやら、大ごとになってまいりましたよ〜!
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そうそう、これも修正したかったのが、ダッシュボードの割れです。
あまりにも劣化の定番、よくダッシュカバー(マット)で隠している方もみえますが・・・
私は負けない!
そんなボード、修正してやるぅぅぅ!
これが隠しボルトか・・・
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ダッシュパネルやその周辺を支えるフレーム(名前失念)を外すと、途端に自由度が増します。
・・・が、空調コントロールパネルが、まー、邪魔する邪魔する。
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さて、いよいよ大ごとになって参りました。
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件のエバポレーターケース、どうにかずらすことに成功しました。
なんとか!ヒーターユニットとの結合部も浮かせることができました。
え、ブロアユニット?
とうに外しています。
もー、室内がワヤです。
それから、こんな際どい隙間を通しまくっていた、ECU配線を、いったん下に下ろそうと考えています。
このハーネスも、いや、そもそもECU野設置位置も、全く気に入ってなかったのです。
気がつけば、室内大改造となるのでした。
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