慣らし雑感

待つことおよそ４か月。ようやく納車されたXDツーリングLパケ4WD。
納車からの約１日で900kmほど走らせてみた雑感など。

これまで試乗できていたのは、ガソリン、ディーゼルともFFのみなので、当然ながらこのデミオディーゼル4WDを駆るのはこれが初めてということになります。

第一印象はその重厚感。とてもじゃないがコンパクトカーの手応えとは思えません。

ステアリングをはじめとするあらゆる操作系のタッチが、一貫して「重厚」さを漂わせる中、スロットルペダルもFF車よりさらに重い感触ですが、おそらくこれはペダルが重いというよりも、1.3トンを超えるこのクルマのウェイトが、発進加速を緩慢にさせるが故に、感覚的にスロットルが重いと錯覚を覚えるのじゃないかという気がします。

とは言え、実際に遅いのかというとそんなことはないわけで、慣らしを終えて容赦なくスロットルを開けられるようになれば、ディーゼルならではの大トルクで十二分な加速が得られることは間違いないでしょう。

このエンジンについてはターボラグも指摘する声も耳にしますが、それは正味のターボラグだけでなく、ディーゼルならではのレスポンスの穏やかさが相まってのことじゃないかと。日本では一時期の「ディーゼル狩り」の影響もあって、乗用ディーゼルの経験者が少ないことも、こうした評価につながっているのかもしれませんね。

自分にとってはかつて乗ったベンツ190Dやデリカスターワゴン2.5Lターボディーゼル以来のディーゼル車ということになるんですが、時代の違い、排気量の違い等々を考慮しても、性能面でもフィーリング面でも、このエンジンの完成度はすごく高いと思います。

ちなみに4WDということで気になっている人も多いであろう実用燃費は、この900kmでおよそ18〜19km/lといったところ。雪道や渋滞を含む一般道４割、高速６割という内訳で、慣らしと言いつつもときに流れをリードするくらいのペースだったことを思うと、まあこんなところかも。物足りないと言う人もいるだろうけど、ここは軽油の安さで許しちゃいたいですね。

ハンドリングについては、まだ本気でワインディングを走ったわけでもないけれど、かなりの好印象。FFよりも前後重量バランスが改善されていることは（プラシーボ効果かもしれないけれど）ある程度感じ取れる気がします。ともかくオンザレールという表現がピッタリ。雪道での発進やコーナリングでも、まったく不安を覚えることがないフィーリングは、やはりアクティブトルク制御付き4WDならではです。

操作系に話を戻して、一点だけ些細なことを言うと、ライトスイッチのポジション配列は不満。OFF→AUTO→スモール→点灯となっているけど、これはOFF→スモール→AUTO→点灯にして欲しいです。現状の配列だと、信号待ち等、停車中に対向車を眩惑しないためにスモール点灯に切り替えたい時、操作を間違えやすいんですよねぇ。

ともあれ、これからの付き合いが本当に楽しみな１台。
せっかくの4WD（どうしてエンブレムはAWDなんだろ）なんだから、雪道やちょっとした不整路でも、自然を壊さない程度に楽しみたいと思います。