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ラガーあきのブログ一覧

2021年12月26日 イイね!

オフ会 外苑銀杏並木・辰巳PA・大黒PA

オフ会 外苑銀杏並木・辰巳PA・大黒PAおおよそ3週間前のことになるでしょうか。
銀杏並木の紅葉は見頃を過ぎておりましたが、落ちた葉が歩道に降り積もり、黄色い絨毯が敷かれているようにも見えました。
この日、私にとって待ち望んでいたぼー&ぼーさんの愛車である450SLCとの初対面が実現します。
しかも、同乗させていただけるとのことで、楽しいひと時を過ごすことになります。



お父さんと一緒にと希望されたお子さまたちはリアシートへ。
助手席に座り続けてしまいましたが、リア席の乗り心地は機会があれば確認してみたいと思います。



走り出した450SLCはとても勇ましい排気音を轟かせ、最高級のメルセデスベンツに乗っていることを忘れてしまうほど。
街中での僅かな加速でもトルク感が伝わってきます。



考えてみれば、70年代前半に4.5ℓのV型8気筒エンジンを搭載したクルマとなるともはやスーパーカーの世界であり、一線級のスポーツカー並みの動力性能を備えていて不思議はありません。



強力なエンジンパワーを路面に伝えつつも、足回りのしなやかさとシートの程良い柔らかさでタイヤへの入力に対していなしが入るので、剛柔併せもつ何とも不思議な乗り味。



ツンデレという言葉と一緒に頭の中で何かがグルグルと回り始めます。
当時のお金持ちはこれに乗っていた・・・



当日は308のプチオフ会が開催されると聞いていましたが、プジョーだと思っていたというのはここだけの話です!
ぼー&ぼーさんの愛車遍歴を考えれば、当然にフェラーリですよね。



308GTBといえば、子供の頃に憧れたスーパーカーの中の1台。
スーパーカーのカードや消しゴムはたくさん収集しました。
ノック式ボールペンのノック部分をスーパーカー消しゴムに当てて、芯をしまうときにノック部分が勢い良く戻る力を利用して相手の消しゴムが机から落ちるようにぶつけ合ったり、コースを決めてゴールまで競い合う、とか。
メンコで勝負したりもしていましたね。



エンジンが横置きという情報は当時からあったように記憶していますが、V8エンジンだとか、ミッドシップだとか、クルマの構造や仕様に興味があったのか定かではありません。
最高速252km/hというスペックは覚えていたように思います。



当時はインターネットのような便利なツールで欲しい情報が簡単に手に入る時代ではなかったので、子供心にリトラクタブルヘッドライトのフェラーリは格好良い、という程度だったのでは、と思います。



308GTBに続いて208GT4が止まっています。
ディーノシリーズのラインナップ拡張のために用意された2+2。
ミッドシップのクーペは、206、246、308とピニンファリーナで丸みのある造形に特徴がありますが、こちらはベルトーネ社のマルチェロ・ガンディーニが得意としたウェッジシェープでデザインされています。



3ℓのV型8気筒エンジンを搭載したディーノ308GT4に対し、イタリアの税金対策のために2ℓのV型8気筒エンジンを搭載した208GT4。
1,991ccで8気筒なので製造にお金を掛けた豪華なエンジンといって良いでしょうか。
1975年から1980年の間に840台が製造されているようです。



スーパーカーの風格を存分に漂わせるフェラーリ365GT4BB。
ランボルギーニカウンタックと双璧をなす人気のクルマという印象は残っています。
格好良いカウンタックに対して美しいBB。



当時、365BBと512BBは双子の兄弟のように見分けが付きませんでしたが、今でも見分けられる自信はありません。
365BBを512BBの仕様に換装されてしまうこともあるようですが、オーナーさまがこのクルマは365BBと話しておりました。
三連灯のリアランプが365BBであると主張しています。



デッサンしたら良い絵になりそうです。
いつまでも眺めていたくなります。
最高出力380PS/7,000rpm、最大トルク44.0kgm/3,900rpmを発揮する自然吸気のV型12気筒DOHCのエンジンで最高速302km/hとされています。



最高速に関して議論はあります。
最近のスポーツカーとの比較で考えても、車両重量1,450kgに対して最高出力380PSで300km/hに到達させるには厳しい気もします。
高速域になるとフロントリフトも避けられず、現実の姿も色々と知ることとなります。



個人的には、当時の乗用車の性能を考えると、300km/hと謳うことができる要素を兼ね備えていることで充分。
このクルマは今でも強いオーラを放ち、多くの人を周りに惹きつけることこそスーパーカーの王様であり続けている証と言えるのではないでしょうか。



365BBから始まるV12ミッドシップの流れにある512TR。
512BBiの後継モデルとして登場したテスタロッサを改良した512TRは走りが良くなったと聞きます。
しかし、次のF512MでV12ミッドシップの製造が打ち止めになったことから、高性能のモデルを製造し続ける難しさに直面していたのではないでしょうか。



テスタロッサシリーズは存在感あるリアのデザインに大きな魅力がありますが、リアの横幅が197cmというスペックは造形のためというより駆動系の制御という観点からの苦労の現れではないかと思わずにはいられません。



512TRは、テスタロッサから動力性能に加えて運転性も大きく改良されたと言われますが、外見の違いは小幅です。
前方からでいえば、フロントグリルの形状が一番の識別ポイントになるでしょうか。
テスタロッサより小さくなっています。



クラシカルなクーペの持つ優雅で美しい姿を伝える最も象徴的なクルマといえば、ジャガーEタイプでしょうか。
流れるような造形がクルマの速さを連想させますが、機能美に満ちている最近のスポーツカーとは目指している方向が違うと感じます。
もちろん、FRのスポーツカーをデザインするのであれば、一度はこのクルマを意識することになるでしょう。



1961年に製造が開始されたシリーズ1は、ライトカバーのかかったフロントライトがボディにしっかりと埋め込まれ、スッキリとしたフェイスに仕上がっているのが大きな魅力です。



93の後継モデルとして登場した96。
丸っこくて可愛いらしい外見ながら、RACラリーやモンテカルロラリーで優勝する実績を誇るラリーに強いクルマです。
96は1960年から1980年まで製造された息の長いモデルになりますが、フロントグリルの形状からこのクルマは1965年の意匠変更を受けたモデルのようです。



私が子供の頃、父親が117Coupeの次に選んだクルマがSAAB 900 Turbo S。
117Coupeで用事が済まないとき、借りて乗っていました。
FFの左ハンドル、しかもドッカンターボで癖はありましたが、ターボの過給でキューンという音が離陸するときの飛行機そのもの。
運転が楽しく今でもハンドルを握りたくなります。



そして、今ではこのブランドが消滅してしまいましたが、特別な思い入れがあります。
ルーフからトランクリッドに流れるフォルムが柔らかくて何とも素敵です。
リアフェンダーとのバランスも良く、テールランプやリアバンパーとも絶妙な組合せに思います。



すぐ後ろに止まっていた通称ヨタハチ。
1965年からトヨタ自転車で製造していたスポーツ800。
パプリカをベースに開発したスポーツカーなのでサイズも小型ながら、愛嬌のある外見です。
一方、車両重量は580kgと軽量ながら、最大出力45PSの790cc 2気筒OHVエンジンで最高速155km/hと見かけによらない実力があります。
Eタイプが世に出る頃にヨタハチの開発が始まったと思うと、先人たちが欧米に追いつけ追い越せと一生懸命に取り組んだ結晶のように思えてなりません。



そのライバルのホンダS800。
愛称はエスハチとヨタハチの仲間にも聞こえますが、こちらは小柄ながら端正な顔立ちに見えます。
車両重量は755kgとライバルより175kgも重いものの、最大出力70PSを発揮する791cc 直列4気筒DOHCエンジンで最高速160km/hと僅かに上回っています。
800ccのエンジンで小型スポーツカーを作って国内の需要に応えていたというのは、商売のためというより国産メーカーの意地のようにも思えます。



アストンマーティンV8 Vantage Zagato。
目に飛び込んできた瞬間からどこに止まるのか思わず注目しておりました。
初めて実車を目にしてあの個性的なデザインを近くで見てみたいという想いが湧き出してくるからです。



V8 Vantageをザガート流儀に仕立てたというより新たに設計された独創的なデザインです。
ただ、アストンマーティンのアイコンとも言える凸型に空いたフロントグリルは、デザインの一部としてしっかり取り込まれています。
ザガートといえばルーフのダブルバブルですが、このクルマは目立つほどの抑揚になっていないようです。



1986年から4年間製造され、クーペ52台、ヴォランテ37台とかなり希少なクルマです。
エンジンは車名のとおりV8 Vantageと同じ、最高出力430hpを発揮する5.3ℓV型8気筒エンジンを搭載しています。
リアからみると、ジョルジェット・ジウジアーロが設計したアルシオーネSVXを思わせます。
私の感性の問題なのか、何らかの必然性があるのか。



外苑銀杏並木がお開きの時間を迎える頃、ランボルギーニミウラが登場しました。
このクルマの存在がなければ、スーパーカーというジャンルが生まれていなかったかもしれません。
もちろん、多くの方々が一目見ようとこのクルマの周りを取り囲むように集まってきました。



ベルトーネ社のマルチェロ・ガンディーニが設計したボディを架装して1966年のジュネーブモーターショーに出展されましたが、そのときにコンクール・ド・エレガンスを受賞したのがのちに117クーペとして市販されることとなる117スポルトです。



また、ガンディーニの前任がギア社に移籍したジウジアーロ。
最も遠い存在のはずのミウラに最も繋がりを感じるという不思議な気持ちになります。



450SLCの本当の実力を少し堪能しませんか、と辰巳PAに連れてきて頂きました。
ブラインドテストしたらアメ車だと感じるのだろうかと思いながら山の手トンネル内で音と振動を楽しみました。
ドイツ車はカッチリとしているというイメージがあるので、とても良い経験になります。



お隣にフォードGTが止まっていました。
フォード創立100周年を記念して2004年に発表されたGT40のリメイクモデルのようです。
2006年までに1,500台が生産されています。



GT40は映画『フォード vs フェラーリ』により知名度を大きく上げたと思います。
そればかりか、このクルマに纏わる物語に触れ、多くの観客がこのときばかりはケン・マイルズがんばれ、フェラーリなんかに負けるなと応援したことでしょう。



給油口は右側Aピラーの付け根のボンネット後方にあります。
存在感ある給油口なので、ガソリンスタンドにある給油機の細いノズルではなく、フォーミュラカーで使うようなクイックチャージで給油したくなりそうです。



リメイクモデルは、ミッドシップレイアウトにスーパーチャージャー付きの5.4ℓV型8気筒DOHCエンジンを搭載しています。
こういうクルマに乗る方は気にしないと思いますが、燃費がどれくらいなのかとても気になります。



もう少しクルマを楽しみましょう、と大黒PAに向かいました。
いつもより多くのスカイラインが集結しているように見えました。
その中で最も目立っていたのがRB26DETTの専用エンジンを搭載したいわゆる第二世代のGT-Rと呼ばれるモデルです。
1989年に登場したR32型スカイラインGT-R。
ガングレーメタリックはイメージカラーです。
2桁ナンバーだったので、オーナーさんは長く大切に乗られているのでしょう。



R33型GT-Rは並びから離れた場所に1台停まっていました。
ドリキンの一言から曰くつきになったVスペック。
ボディが大型化されたことが災いしてケンメリGT-Rから16年ぶりの登場に沸いたR32型GT-Rと比べて盛り上がりは大きくありませんでした。
エンジンの最高出力は当時の自主規制枠一杯の280PSと同じではありますが、幾つもの改良を加えて走行性能は上がっています。
アメリカのオークションでR33型GT-Rに良い価格が付いたとニュースになっていたので、市場価格もこれから上昇していくのかも知れません。



1999年に登場したR34型GT-R。
エンジンの最高出力は280PSですが、最大トルクはR32型GT-Rより上がったR33型より更に引き上げられています。
R33型への批判に応えるようにクルマが小さくなったこともあり、評価は高まりました。
スカイラインのグレードの1つのGT-Rは、このR34型で終止符を打ち、2002年にVスペックII NürとMスペックNürの1,500台の販売で終了。
主に国内市場向けの第二世代GT-Rは、今では海外から注目を浴び、アメリカの新車販売から25年経過により輸入が解禁されるといういわゆる25年ルールにより、この最終モデルが特に狙われ青田刈りされているようです。
走行距離10kmの未登録VスペックII Nürが、7月に国内のオークションで6,050万1円で落札されたのには驚きました。



ランボルギーニ社がスポーツカーを制作するための会社を設立した1963年にちなんで世界限定63台制作されたSVJ63。
アヴェンタドールSVJと走行性能は変わりませんが、通常モデルよりカーボンパーツを多く使用しているようです。
艶消しピンクの外装色が目を惹きます。
ステアリングやヘッドレストにもピンクが採用されているので、好きな色に囲まれて楽しく運転されることでしょう。



そのお隣にはフェラーリF12tdf。
テーラーメイドプログラムでカスタマイズされた1台でしょうか。
近くで鑑賞していた親子のお父さんがSVJ63に惹かれる小さな息子さんに向かって、こっちはtdfだからもっと凄いぞと声を掛けていましたが、シザードアのランボルギーニは真のスーパーカーだったと子供の頃の自分に重なりました。



前後のディフューザーやサイドスカートはブルーのカーボンパーツが奢られています。
こういうオプションが幾らするのか予想もできませんが、この世界のクルマを購入する方たちの話を聞いていると、価格も確認せずにオーダーしていることが多いように思います。
オプションだけで高級外車が一台買えるのではないでしょうか。



他にも色々と気になるクルマはありますが、このあたりでブログを終了します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
年の瀬も押し迫り、新年に向けた準備を始める時期を迎えています。
皆さま良い年をお迎えください。
Posted at 2021/12/26 21:17:15 | コメント(2) | トラックバック(0) | オフ会 | クルマ
2021年11月23日 イイね!

オフ会 大黒PA

オフ会 大黒PA久しぶりの大黒PA。
調べてみると2018年8月以来で訪れたのは何と3年2か月ぶり。
近いうちにと思って過ごしてきましたが、3年という年月はあっという間に経過してしまうものなのですね。
(ブログアップはさらに1月後となってしまいました!)
みん友さんからのお声掛けがなければ、どうなっていたことやら。
クルマを走らせる絶好の機会とばかり117Coupeで出動することにします。



とはいえ、交通量が多いうえに路肩の退避ゾーンも少ない首都高速を現代のクルマのような信頼性を持ち合わせない古いクルマで走るプレッシャーは計り知れません。
首都高速を走行中、スロットルペダルを踏む足裏に稼働するエンジンから伝わってくる微細の振動が消えたらと想像すると、右車線を走っているときはもちろんのこと、長いトンネル内ではここで止まったら大変だから出口までは駆け抜けてくれと祈りにも近い気持ちが芽生えます。



ところが、そんな不安な気持ちをよそに、ローダウンしてオリジナルから乗り心地が大きく悪化した117Coupeはうねりと段差の絶えない路面と格闘しつつも順調に走り続けます。
ここ数年は定番となったHEATランプの警告灯も一度も点灯せず、神奈川県内に入ります。



多摩川トンネルで後方から近づく4灯ライトは川崎航路トンネルに入る頃には射程圏内に迫り、早目に道を譲ります。
暫くして、接近するのは白いハコスカだと分かり、大黒PAまで後ろを走行しようかと思い立ちましたが、トンネル内に低音を響かせながら抜かれたと思ったら一気に置いていかれてしまいます。



大黒PA に入り駐車スペースを探していると、ぼー&ぽーさんの誘導があり、良い場所に止めることができました。
お向かえの駐車スペースに停まっているのは先ほどのハコスカのようです。
エンジンのバラしと吸排気の見直しでもう20馬力アップなんて昔の夢がふと頭を過りましたが、このクルマには優雅に走り続けてもらわなければなりません。
オリジナルからもう一点だけ変更を許容するならタコ足でしょうか。
今後も基本的にレストア中心で維持していきたいと思います。



さて、みん友さんの愛車を拝見に伺います。
a_z(エージー)さんのアルファロメオ 4C Spider 33 Stradale Tributo。
4Cの最終モデルです!



外装の随所にカーボンパーツを採用しており、スペシャリティモデルに仕上げられています。ボディカラーも専用色が使われているとのことで、国内15台限定の最終モデルはファン羨望の1台だと思います。
発売当初のモデルより直進性が安定して高速道路が安心して走れます、とのインプレッションを頂きました。



続いて、@ひこさんの愛車はポルシェ911GT3RS(Type 997)。
クルマ好きには説明無用の1台です。



ボディカラーは専用色のオレンジでしょうか。先月、もう一台の愛車である真っ赤なフェラーリF430のMTを見せていただきました。
サーキット走行も想定した組合せとしてベストな選択肢を教えていただいた気がします。



久しぶりにお会いしたofcさんの206。
少しタイヤが左に切られていて良い感じの写真になりました。
ライトカバーのある黄色いディーノだったのでいらっしゃることは確かであると、クルマの写真を撮りつつもご本人を探してしまいました。



117Coupeはルーフが長く伸びていますね、と感想を聞かせていただいたので、比較しようとリアからもじっくりと拝見させていただきました。外装は緩やかな曲線で成形され、優雅なクーペに思います。
伸びやかなリアフェンダーにスパッと切り裂いたようなテールが印象的です。



白いロータスエスプリといえば、映画『007 私を愛したスパイ』を連想します。
ジェームズ・ボンドは白いエスプリで敵地から逃走中、敵のヘリコプターから機関銃で攻撃を受けて海中に逃げ込みエスプリを潜水艇に転換します。
海上でホバリングするヘリコプターに向かって潜水艇からミサイルを撃ち込み撃破すると、海中から現れた次なる敵を退け、浅瀬に向かって浮上します。
浜辺のスロープでエスプリに再び転換し、人で溢れる砂浜に姿を現します。
007シリーズのボンドカーとして、最も格好良く描かれている場面だと思います。



エスプリはジウジアーロがデザインしたクルマとしても有名です。
左リアクォーターパネルに「ESPRIT 3」とあるので、S3なのでしょうか。
ほぼ同時期にデザインしたと言われている、マセラティブーメランと類似しており、BMW M1やデロリアンも同じ系統に入ると思います。
直線とエッジを基調とした理想的なスポーツカーをデザインすると、ウェッジシェイプに辿り着くのでしょうか。



シルバーのロータスエスプリといえば、映画『プリティーウーマン』を連想します。
エドワードを演じるリチャード・ギアが道に迷い、ストリートガールを演じるジュリア・ロバーツを助手席に乗せて道案内してもらいます。運転を交代してドライバーになったジュリア・ロバーツはエスプリを見事に乗りこなすと、リチャード・ギアは興味を抱き、二人の物語が始まることになります。



第二世代のいわゆるニューシェイプモデルは、ジウジアーロモデルとは全く違うクルマに見えることがあります。
エスプリのアイデンティティであったエッジを削り、シャープで平べったいイメージだったものが丸みを帯びてふっくらした印象に変化したことによるものだと思います。



しかしながら、落ち着いてじっくりと観察していると、共通性を感じる部分も多くあります。デザインしたロータス社のピーター・スティーブンにちなんでスティーブンスモデルとも呼ばれていますが、オリジナルのプロポーションを変えずに見直しに留めたのではないかと思います。



007を話題にしたので、繋がりでいうと最新作『No Time To Die』に登場するアストンマーティンDBS Superleggera。
予告編を見る限り、本作ではダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドが運転するボンドカーとしてではなく、ボンドが引退したMI6のダブルオーエージェントに新たに採用された黒人女性に支給された車両として登場するようです。
このあたりの設定は、今の時代の流れを反映したものになっているようです。



エンジンは5.2ℓV型12気筒ツインターボを搭載しており、最高出力725PS/6,500rpm、最高トルク900Nm/1,800-5,000rpm。
ただし、1、2速ではメカニカルな負担を抑えるためトルクも抑えてあるようです。



DBS Superleggeraには、世界限定25台の007 Editionなる特別仕様が存在します。
英国本国で認定中古車が1台売りにでています。こちらの車両はボディにデカールを貼った通常モデルのようです。
アストンマーティンの広報車でドライバーはディーラーの営業マン。
大黒PAにクルマ好きがたくさんあつまるので、アピールのために車両を持ち込んだようです。



アストンマーティンのラインナップの中でGTシリーズの中核に位置付けられていたDB9。
エンジンは、伝統の自然吸気6ℓV型12気筒が搭載されています。
2004年からマイナーチェンジを繰り返しながら、DB11にその座を譲るまでの14年製造された息の長いモデルです。
このクルマは2008年以降の中期モデルになります。
フラグシップのV12 DBSや第二世代のVanquishとは異なり、エアロパーツを奢ることなく、シンプルで美しさが引き立っています。
また、中期モデルまではヘッドライトの形状に丸みがあり、エレガントな印象を強く抱かせます。
近年のアストンマーティンのコンセプトを最も具現化しているように思います。



ボディカラーはライトニングシルバーに見えます。
青白く光るボディカラーがDB9の造形にマッチしています。
リアはふっくらした作りにダックテールを組み合わせて実に上手く纏められています。
後期モデルでなければ手頃な価格になってきたので、ちょっと贅沢気分を味わいつつ気負わずに乗るクルマとして欲しくなります。



自然吸気のV12といえば、美しいエキゾーストを轟かせるフェラーリがすぐに思いつきます。
FFはスポーツカーの中心的な存在ともいえるV8ミッドシップモデルのシャープなデザインとは一線を画し、ふっくらとして落ち着いた印象を与えます。
裕福な人たちが乗るフェラーリと言われると、そんな気がしてきます。
右ハンドルを選ばれた点にゆとりを感じます。



発売当初はシューティングブレークに目に馴染まず、ボリューム感のあるリアが重たく見えてフェラーリのラインナップとして違和感がありました。
とはいえ、走りに妥協している訳ではなさそうです。
ちょっと見ただけでも、4本出しマフラー、リアディフューザー、リアフェンダーのエアアウトレットと只者ではない雰囲気。
エンジンは、6.3ℓ自然吸気V型12気筒が搭載されており、最大出力660PS/8,000rpm、最大トルク683Nm/6,000rpmを発揮し、0-100km/h加速3.7秒、0-200km/h加速11.0秒とかなり俊速です。



フェラーリの現行フラグシップともいえる812スーパーファスト。
エンジンは、6.5ℓ自然吸気V型12気筒が搭載されており、最大出力800PS/8,500rpm、最大トルク718Nm/7,000rpmを発揮します。
そのオープンモデルである812GTSは、クーペモデルより車両重量が75kg増加するものの、よりクリアーなエンジン音と0-100km/h加速3.0秒以下、0-200km/h加速8.3秒という驚異的な加速を楽しめるようです。



何よりも目を惹いたのがこのボディカラー。
ソリッドなグレーはアストンマーティンのチャイナグレーを想起させます。
デモカーを見たとき、数多くの選択肢の中から1つと言われて選ぶには思いっ切りが必要かなと思いましたが、マクラーレンのシケイン、ポルシェのクレヨンと他社メーカーもラインナップ。
それぞれ675LT、911GT3RSで塗装された個体を目にすることもあり、スポーツカーに選ばれるカラーになりましたが、華やかなフェラーリのフラグシップである812GTSに選ぶとは恐れ入りました。
内装を茶系にして組み合わせるあたりはお洒落な方は違うともはや脱帽しました。



ミッドシップV8フェラーリの起点のモデルともいえる308。
ピッコロフェラーリの系譜を作ったディーノと比べると、かなりシャープなラインでデザインされていることに気がつきます。
ランボルギーニがミウラとカウンタックで大きくイメージが変わったように、1960年代後半と1970年代半ばにかけて、デザインに大きな変化があったのでしょうか。
スーパーカー世代としては、512BBと同様、リトラクタブル・ヘッドライトのフェラーリとして憧れのクルマです。



茶系メタリックに塗装された308を初めて目にしました。
当時の経緯など、オーダーされた最初のオーナーに話を聞いてみたいと思わずにはいられません。
いずれにしても、フェラーリもクラシックの部類に入ってくると人気色やイメージカラー以外の色のほうが雰囲気があって良いのかな、と。



スーパーカーや旧車が多く止まっているゾーンから離れた場所に止まっていた488ピスタ。
綺麗なブルーメタリックに塗装されたフェラーリに強く惹きつけられましたが、内装は赤で纏められていて、とても格好良い。
かなり思い切った色合わせをしたと感心してしまいましたが、スペチアーレモデルなら少し派手な組合せをしても似合ってしまいますね。



このクルマはF12dtfでしょうか。
フェラーリのスペシャルモデルをきちんと見分ける知識を持ち合わせていないので断言できないのですが、エアロダイナミクスを採り入れたカーボンパーツで武装されたF12ベルリネッタであることは見分けられます。



F12ベルリネッタより110kgも軽量化され、同じ6.3ℓ自然吸気V型12気筒エンジンながら最高出力は40PS引き上げられて780PS。
799台限定で希少価値も高いですが、車両価格はF12ベルリネッタのほぼ4倍と高額に設定されているようです。



スーパーカー世代としては、ランボルギーニカウンタックの流れを引くアヴェンタドールの前を素通りすることはできません。
しかも、500台限定のSVロードスター2台が並ぶとなるとじっくりと眺めたくなります。



アヴェンタドールの販売台数が、ランボルギーニ社の歴代V12モデルの累計販売台数を超えたというニュースを少し前に目にしました。
製造開始から10年経過していますが、車両価格が5,000万円前後もするスーパーカーが1万台以上も売れたことに驚きます。



イオタが車名に入っていると話題を集めたアヴェンタドールSVJ。
ニュルブルクリンク北コース6分44秒97という性能には驚きました。
アヴェンタドールはライバル社の2世代先を行くと、最高出力700PSの6.5ℓ自然吸気V型12気筒エンジンを搭載して登場し、改良を重ねてSVJでは最高出力は770PSに到達。



SVJロードスターが最後のスペシャルモデルになるかと思っていましたが、ウルティメがアヴェンタドールのファイナルモデルとして発表されました。
SVやSVJのような固定式のリアウィングは付いていないアヴェンタドールSに近い外観に仕上げられるようですが、最高出力はSVJより10PS引き上げられて780PS。
自然吸気V型12気筒モデルの系譜はどのように引き継がれるのかも注目しています。



このマクラーレン600LTを見かけた瞬間にボディのあちこちをチェックしてしまいました。Vanquishを買うのか、600LTを買うのか、迷っていた時期があり、オプションの設定は頭の中に入っているからです。
そして、外装は知っている限り、オプションのカーボンパーツが選択されています。



車名のとおり、600は最高出力600PS、LTはロングテールを意味します。
同じスポーツシリーズに分類される540Cや570Sとは異なり、テールエンドを伸ばしてエアロダイナミクスをより追及したデザインになっています。
特に、エンジンフードから上方に突き出すマフラーエンドから排気ガスを流して整流するという発想を採り入れているあたりはロードカーの領域を遥かに超越した設計のように思います。



メルセデス・ベンツ190E 2.5-16も停まっていました。
エアロパーツで完全武装しているおかげでかなり強面に見えます。
メルセデスAMGも厳ついですが、63シリーズにも引けを取らない迫力を感じます。
フロントリップが低く張り出しているので、段差やスロープには気が抜けないのではと心配になります。



Evolution Ⅱの純正リアウィングは3倍は大きいでしょうか。
世界限定500台のEvolutionⅡは米国のオークションで2,000万円を超える価格で取引されているほどの人気があり、国内でもかなり高値で売買されるようです。
人気が高くて良い値段が付くというと聞こえが良いですが、値上がりを期待した投資が目的で収集の対象になっていることが高値の主因だとすると複雑な気持ちになります。



国産車でいうと、マツダRX-7が良い値段が付いている1台と言えるでしょうか。
格好良い造形の2代目FCに対し、曲線で美しさが加わった3代目FDはJDMとして人気が高いのか値上がりが大きく、1,000万円以上の車両価格が付けられているものもあります。



黄色いFDといえば、イニシャルDで登場する高橋啓介が操るマシーンが思い浮かびます。
漫画の中では、エンジンや足回りはもちろんのこと、エアロパーツを採り入れ、ヘッドライトも開閉式から固定式に換装した完全なるチューニングカーでしたが、このクルマはオリジナルを守りながら乗っているように見えます。



国産のスーパーカーといえば、初代NSXが最初に思い浮かびます。
リトラクタブル・ヘッドライトを採用している前期型が端正な顔立ちで格好良いと思います。
和製フェラーリなどと表現されたりしますが、フロントから見る限り本家を超えていると言ったら言い過ぎでしょうか。



発売当時はバブル最盛期だったこともあり、1,000万円近いのにオーダー待ちになってプレミアムが付いていたと記憶しています。
スカイラインGT-Rの2倍ほどの価格ということからもかなり高額だったことが伺えます。
空力的な安定性を追及したことから長く見えてしまうリア。
少し重たく見えてしまうのが気になります。
今の技術を持ち込むのであれば、リアディフューザーを上手く取り込んで、シャープな仕上がりにしたのではないかと想像してしまいます。



さて、ここから国内外の旧車の世界へと考えておりましたが、ブログも長くなってしまいました。
紹介したい名車がまだまだあるのですが、今回はここまでとします。
最後までお目通しいただきありがとうございました。
Posted at 2021/11/23 15:48:28 | コメント(5) | トラックバック(0) | オフ会 | クルマ
2021年07月10日 イイね!

Aston Martin Vanquish Sの乗り味(低中速編)

Aston Martin Vanquish Sの乗り味(低中速編)昨年11月から乗り始めて7か月。
その間に運転したのは僅かに350km。
しかも、車両は製造から3年が経過しているとはいえ、総走行距離は僅か550kmであり、メーカーが狙っているセッティングまで小慣れていない可能性も否定できません。



このような段階で一括りに乗り味と評するには時期尚早と言えるかもしれません。
そう考えると相応しいタイトル探しから始めなければならないことになりますが、ここでは街乗りとは明らかに違う、首都高や外環などを走ったときに感じた印象を取り上げてみたいと思います。



メーカーが公表するVanquish Sの最高速は、201mph(=323km/h) 。
トランスミッションが6速から8速に切り替わった2015年以降のモデルと同じです。
そのうち、日本の高速道路で試せるのは、120km/hまでの世界です。
体感した領域を高速域と呼ぶのは憚られ、走行性能から考えると中速域にも及びません。
そこで、サブタイトルとして低中速編と称することにします。



まず、一般道から高速道路への侵入路でパドルシフトを引いてギアを2〜3速まで落とし、アクセルペダルを床まで踏み込み、エンジンの回転数を上げます。



このとき、アストンマーティン独特のエキゾーストノートに最高出力が603PSまで引き上げられたAM27エンジン特有の中音域のエンジン音が混じります。



高性能スポーツカーと比較すると驚くような加速力はありませんが、Vanquish Sのオフィシャルビデオに収録されている、このときに発せられるノイズに何とも言えない魅力があり、Vanquishの購入を思いとどまらせていた最後の防波堤が決壊した気がします。



さて、十分な速度域まで加速したところで昂る気持ちを落ち着かせ、アクセルペダルを戻してトランスミッションをオートマモードに入れると、それまでステアリングやブレーキペダルなどから伝わってきた舗装路を走ることで生じる細かな振動が消え、滑らかで雑味のない乗り心地に変化していることに気づきます。



また、街中では、路面の凹凸を拾うとビーンという伝達スピードの速い、いかにも硬度の高い金属を伝わってきたような振動が体に入ってきます。
ところが、高速道路になると、コトンと衝撃が柔らかくなり、車体が凹凸をスルリと乗り越えたかのような感じに変化します。
車速が上がったのだから、ゴンとさらに強い衝撃になるのかとおもいきや、意外なほどしなやかな印象です。



少し誇張した例えをするならば、プラスチック製のタイヤの付いた台車の上に直に座ってガタガタとアスファルトの上を走っていたのに、いつの間にか、タイヤをゴム製に交換したうえでサスペンションを組み込み、クッション付きの台座を取り付け、その上に座らされて綺麗な舗装道路を滑るように走っていることに気がついたとでもいうような変化でしょうか。



そして、周りの速度に合わせて流すように走っている限り、自然吸気の6ℓV12エンジンを搭載したクルマに乗っていることを忘れてしまうほど穏やかです。



しかも、車速感応式のパワーステアリングには研ぎ澄まされたような鋭さはなく、繊細な操作は不要です。
というのも、ステアリングを切ると滑らかにステアリングシャフトが回転する感触のみで巻き戻るような慣性も働かず、フロントタイヤがどちらを向いているのか伝わってきません。
何だか手元が心許なく不安になります。



とはいえ、小刻みにステアリングを切ったとしても過剰に反応することもありませんし、経験則でステアリングを切っていけば、車体はほぼ予想どおりのラインを描くので、神経質にならず、大らかな気持ちでステアリングを握っていれば良いというのが正解といえると思います。
個人的な好みでいえば、切り始めからじわりとした重みがあって舵角がイメージできるようにしたいところ。



私なりの解釈としては、アストンマーティンがUltimate GTに位置付けるからには、ステアリングフィールを出しすぎることによりドライバーに細かな情報を伝達して疲れさせないような設計を意図しているのかな、と。
また、高速域に入るとステアリングがドッシリと安定するのかもしれませんが、今のところ、経験した速度域ではそのような実感はありません。



また、トランスミッションをオートマチックモードに設定していれば、スロットルペダルの加減だけで8速もあるギアの中から適切なものを素早く選択して、ストレスなくスムーズに駆け抜けられます。
パドルシフトの操作が必要なのは、V12のエンジン音やエキゾーストノートを楽しみたいとか、瞬時に強い加速が欲しいというような特別な状況にあるときだけです。



サーキットや峠で果敢に走りたいのであれば別ですが、日常の走り方としては8速もある中から最適なギアを探りながら走るということは、ドライバーが手動でナンセンスな気がします。



となると、ダッシュ周りの美しいデザインや室内に漂う独特の革の匂いを楽むこと以外、このクルマから運転中に特別な何かを感じるわけではありません。
ある意味、普通の乗用車と何ら変わりなく、走っていても刺激を受けることもなくとても退屈です。



アストンマーティンは、フェラーリと対比されることがあります。
特に、フロントミッドシップでV12エンジンを搭載したV12 Vanquishをフラグシップモデルに据えて登場させると、同じレイアウトを持つ同世代の575マラネロと比較されるようになります。



そして、その系譜にある599フィオーラ、F12 ベルリネッタ、812 スーパーファストに対して、アストンマーティンはDBS V12、Vanquish、DBS Superleggeraで対抗しているようにもみえます。
しかし、実際に運転してみると、Vanquish SはVanquishに改良を加えて走行性能を大幅に引き上げ、ライバルを圧倒するように設計されたスポーツカーであるようには思えません。



むしろ、優雅に走らせるグランドツアラーの要素が多分に含まれているようにも思えます
モータージャーナリストがアストンマーティン評としてよく口にする、フェラーリやランボルギーニを乗り尽くした方にお勧めですというのはこのことなのかな、と。



その点、私が他のスポーツカーに靡かなかったのは、2012年にVanquishが新型モデルとして発表されたときに感じたデザインの美しさは今も褪せることはなく、所有することで誰に遠慮することなくいつまでもちかくで眺めていられるという満足感を与えてくれるからなのかもしれません。



そして、運転の楽しさは、E63 M6で十分に味わえると割り切っており、逆にいえば、それがE63 M6を手放せない大きな理由の一つに繋がっています。



今や絶滅危惧種に指定されかねない自然吸気エンジンを搭載したクルマではありますが、V10とV12に加えて、発売当時は高性能の代名詞であったDOHCエンジンを搭載した117Coupeの3台が楽しめる夢のような時間がずっと続いて欲しいと思っています。
Posted at 2021/07/10 15:05:38 | コメント(6) | トラックバック(0) | Vanquish S | クルマ
2021年01月16日 イイね!

Aston Martin Vanquish Sに初乗り

Aston Martin Vanquish Sに初乗り待ち焦がれた納車の日、初めてVanquish Sを運転しました。
クルマの操作関係は、何度か試乗させてもらったVanquishと同じなので、走らせるだけなら何とか分かります。
とはいえ、現地の自動車販売店が出庫前に磨きを掛けてくれたおかげでボディに光沢があり、プロテクションフィルムの施工に向けた車両引渡しを翌日に控えていたので、塗装面に傷を付けるわけにはいきません。
そうなると、選択肢としては一般道を静かに走るしかありません。
つまり、初乗りは10kmほど慎重に街中を運転したときの印象となります。



まず、アウタードアハンドルを引いてクルマに乗り込み、ドライバーズシートに腰を下ろすと、アストンマーティン独特のレザーの香りが鼻をくすぐります。
走行距離は119milesと購入時より9miles増え、車両は製造から3年経過している中古車ではありますが、新車に近い状態なのではないでしょうか。



この香りを嗅ぐと、試乗していた頃のVanquishに対する複雑な気持ちを思い出します。
同時に、夢が実現したのだという何とも言えない高揚感に包まれます。
シートはピンとした張りがあり、柔らかく包み込むでもなく、あるいはガッチリとホールドされるでもなく、座面に跳ね返されている感じがします。



こんな印象だったかなあと違和感を抱きつつも、目を正面に向けると狭いと思っていた運転席からの視界が思いのほか開けています。
もともと、アストンマーティンはフロントガラス越しの前方視界の上下幅が狭く、どんなドライビングポジションを取ろうとも縦方向が確保しにくいという印象をもっていました。
しかし、来たるこの日のためにM6の座席を一番低くして正面に目線が向くような姿勢で運転してきた成果なのか、視界は気にせず走れそうです。



エモーショナル・コントロール・ユニットと呼ばれるスマートイグニッションキーをセンターコンソールのスロットルに差し込むと、イグニッションオンになります。



計器パネルや操作パネルにライトが灯り、ポップアップナビが立ち上がるのと併せてダッシュボードの左右からはBang & Olufsenの円形のツイータースピーカーが立ち上がります。



エンジン始動は、ブレーキペダルを踏みながらスロットルに差し込んだイグニッションキーを長めに押し込みます。



始動時のキュキュキュバラァラララというエキゾーストは、猛獣の叫びというより、近くに落雷があったときのような迫力です。



アストンマーティンの現行モデルは、エンジンスタートボタンを押す方式に戻したので、この操作でエンジンを始動するのは一世代前のアストンマーティンだけになります。
サファイアガラスからクリスタルガラスに変わったとはいえ、このイグニッションキーはズッシリとした重量がありますし、落としたり傷つけないようにとか考えると、扱いにくいという声もあったのでしょうか。



サーボトロニックのステアリングは軽くて回しやすいといえば聞こえは良いですが、タイヤの向きが手のひらに伝わってきません。
さらに、街中の交差点を曲がって直進を始めるとき、ステアリングを戻す必要があるので忙しいです。
しかも、舵角が掴めないので、勢いで戻す感じ。



ところが、改めて運転してみると、ステアリングを戻すときの握りかえで平たい部分と円形部分の境目の角が手のひらに当たります。
レザーも薄いわけではないと思いますが、ゴツゴツした硬めの手触り感はあたかもプラスチックみたい。
このステアリングが アストンマーティンのピュアスポーツに分類されるVantageのオプションとして設定されていない意味が分かったような気がしました。



ミッションはZF社のATなので、ブレーキペダルから足を離せばクリープで動き出します。
走り出してすぐに頭に過った乗り味といえば、タイヤに空気を入れ過ぎた自転車で走ったときみたい。
試乗車で掴んでいたはずの乗り味は、地面の凹凸に対してショックで和らげてくれるけど、最後に芯のような硬さを感じるという、アルデンテのスパゲッティのようなイメージです。
Vanquish Sの足回りは、ダンパーやスプリングの設定をしなやかな乗り味を維持しながら走行性能を向上させたと発表されていますが、今まで抱いていた印象とは全くの別物です。



正面の視界は感覚的にクリアしましたが、左右の窓が小さくてやや見にくいです。
死角が多くて交差点や車線変更は気を遣います。
ナーバスになりすぎなのか・・・



スロットルの反応も気難しさを感じます。
オートマモードではシフトチェンジを感じさせずに8速をスムーズに繋ぐので、街中ではペダルの加減だけなります。
しかし、低速の走り出しから少しペダルを踏み込むと、突然、力強くグイッと前進する瞬間が訪れます。
エンジン回転数、車速、ギアの微妙な関係なのか・・・
試乗していたときは興奮気味でチャンスがあれば遠慮なくスロットルを踏み込んでいたので、繊細なタッチを要求する場面の振舞いを見逃してきたのかもしれません。



カーボンセラミックのブレーキも立ち上がりから良く効きます。
こちらも聞こえは良いですが、ペダルにワンタッチしただけで強い制動力が立ち上がり、自分がギクシャクしてしまいます。
流すような低速からのブレーキは難しい。
これも試乗時には感じなかった記憶にない部分です。



何といっても、先つぼみのフロントが車両感覚を妨げて、先端までの距離感が掴めません。
ステアリングを握る手のひらからフロントタイヤの位置がイメージできないからでしょうか。



こういう印象ばかりでは、イマイチだったと読めるかもしれません。
ただ、Vanquishに試乗したときから、ハンドリングも含めてダイレクト感はSMGのE63 M6に軍配が上がることは分かっていたこと。
期待が裏切られたという失望があるわけではありません。



Sバージョンになっても従来のVanquishと変わらなかったという意味で、想定どおりだったといえます。



造形の美しさに心を奪われ、眺めているだけでも幸せになれると思えるこのクルマを運転しているということで十分。



やはり、いつかは手にしたいと思い続けたことは間違いではなかったという確認ができたというのがインプレッションです。



いずれ、アストンマーティンで最後となるであろう自然吸気V12エンジンを少し体感できる高速道路を走らせたときの印象を書きたいと思います。
Posted at 2021/01/16 20:49:54 | コメント(7) | トラックバック(0) | Vanquish S | クルマ
2020年12月12日 イイね!

プロテクションフィルムを施工

プロテクションフィルムを施工極低走行のVanquish Sを購入して、プロテクションフィルムに関心を寄せました。
BMW M6は飛び石でかなりの傷モノにして、後悔していることも影響しています。
Youtubeを見ていると、アメリカでは超高級車にフルプロテクションで塗装面を保護するというのはよくあるらしく、10年保証というショップも存在するようです。



日本国内でフルラッピングすると値が張るお店で100万円位はするらしいと認識していたので、透明なフィルムを貼るだけだったらもう少し安くて70~80万円位、リーズナブルなお店だったら30~40万円位でいけるかも、などと勝手な予想をしていました。
オールペンでも30万円位で仕上げてもらえたりしますし、フルプロテクションが手頃にできるなら即決しよう、と。



プロテクションフィルムは国内外メーカーの主要なもので4つほどあります。
比較動画の解説を見ながら、透明度や光沢感の違い、そして何といってもフィルム上の傷が熱によって修復するという付加価値に注目してXPEL Ultimate Plusにすることに決めました。
最近は、車のデータから形状に合わせて予めカットしたフィルムを使用し、塗装面にできるだけカッターの刃を当ないように作業するという方法が主流になっているようです。



そうなると、クラフトマンの腕の見せ所になるのは、パネルの周囲部分をどう処理してフィルムを貼り込んでいくのか、ある意味で想像力との戦いになります。
流石にクラフトマンの哲学まで見定めて頼むわけにはいかないので、インターネットで検索して、自宅から近くて土地勘のある地域からショップを探すことにしました。



最初に興味を惹いたのは、整備が充実しており、高級スポーツカーの実績も豊富な自宅からそう遠くないお店です。
回答も迅速で丁寧だしサービスも悪くありませんが、料金は何と私の高め予想の倍以上。
クルマを納車するまでに相当なお金を使っているので、軽々しく頼むことができません。
決断を保留し、対象を都内のショップに広げて4店ほど照会をかけてみました。
残念ながら、いずれも予算をオーバー。
フロント部分中心のセットなら40万円程度で仕上がるので、フルプロテクションは止めようかと心が揺らぎます。



そこで、県外のお店だけれども気になっていたP‐Factoryに最後の望みをかけることにしました。
作業場が明るくて綺麗でしっかりしているし、良さそうだな、と。
見積は、今までで最もリーズナブル。
フルプロテクションであれば車両搬送もサービスして頂けるとのことで、P‐Factoryに作業をお願いすることに決めました。



クルマを預けた翌日に、早速に照会が入りました。
塗装面に塗装のブツや小さい傷があるが作業を続けますか、と。
高級自動車メーカーのAston Martinの職人が丹精込めて作業した塗装で最終審査も合格した品質なのに、日本のクラフトマンは見逃してくれません。
やはり、こういう細やかさに関して日本人は長けていると思います。
プロの意見を聞きながら、作業方法を擦り合わせて進めてもらうことにします。



代表の井上さんは業界での関りが長く、指導員的な立場で仕事をしているときもあったとのこと。
現在のショップは4名で運営しており、フルプロテクションともなると4名総出で作業するそうです。
みんなで力を合わせて一つの仕事をしている感じが良いです。
私もこういう一体感のある職場で働きたいなあ、と。



フルプロテクションの作業期間は1週間ちょっと。
進捗に合わせて作業画像を送ってもらいました。
もちろん、SNSで使用することの許可も頂いています。



井上代表は体も大きく怖い方に見えなくもありませんが、当たりの柔らかい方です。
とはいえ、話していると、この仕事は他の人には負けないという自負を感じます。
お客さまの声によく耳を傾けてくれます。



フルプロテクションといってもガラスは入っていません。
フロントガラスは飛び石も受けやすいので、一緒にお願いすることにしました。
ちなみに、ガラス用のフィルムはボディ用とは違うとのこと。
ボディ用は糊がたくさん付いているのでガラスに貼ると歪んで見えてしまうようです。



東京・神奈川でプロテクションフィルムを考えられている方は、候補に入れると良いと思います。
とりあえず、私と同じようにインターネットから照会すると特典が受けられるはずです。
施工証明書も発行していただき、1年間の保証が付きます。



プロテクションフィルムを貼ると艶感が増すというのも面白いところ。
とはいえ、素人が眺めるだけならフィルムが貼ってあるのか判別できません。
折り返し部分などの複雑な造形でのフィルムの貼り方で気が付く程度。



作業してから1か月経過したところでフィルムの状況を見てもらうことになります。
今回は往復で車両を搬送していただきましたが、次はショップに伺うつもりです。
そして、様子を見ながら、良ければM6のフロントに貼ることも検討しようと思っています。
傷だらけなので作業方法は要相談になるのと、それまで資金力が保てばという条件付きではありますが・・・
Posted at 2020/12/12 22:20:18 | コメント(6) | トラックバック(0) | Vanquish S | 日記

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