おじさん、昔話ししますね。
昔はハチロクってみんなDIYでいじって、それらの情報を個人HPにあげてくれる先輩方が多かったんですけど、最近はどんどん減ってしまっていて、昔どこかで読んだんだよな~!!と思って調べても出てこなくなっちゃってますよね。
なのでノーマルエンジン+ノーマルECUで4スロ付けて遊ぶにあたり、色々調べたり体験した事をまとめて書いて置いておきます。
いまさらこんなのノウハウ()とか秘密()みたいな情報でもないでしょうし、もしかしたら誰かの役に立つ…のか?
メカ系の構成
エンジン AE86 4AG
4スロ OER(インターフィットφ38)
ISCV無し、アイドルアップ無し
制御
ECU 純正+サブコン(E-マネージ)
---------------------------------準備編------------------------------------------
OERの4スロの入手
まずOERの場合、新品で買うのであれば必要なものはすべてキットに付属すると思います。
中古で買う場合、これだけはないとダメというものが結構あるので、以下に列記します。
今回買った中古はISCV移設キットも付属してきましたが、面倒なのとごちゃごちゃするので付けませんでした。
インマニWithリンケージ
インマニとリンケージは必須です。
バラで買うのは避けたほうがいいと思います。
似たような形でキャブ用のインマニがあるのですが、
これだとスロポジが取り付けできません。
ウォーターアウトレット
ウォーターアウトレットは、OERの4スロは元々がソレックスタイプのキャブ用マニにスロットルボディを付ける設計なので、純正のウォーターアウトレットだと干渉します。
これは恐らくストレートなマニだとマスターバックが厳しいためだと思います。
ヤフオクでも見かけますがOERで単体売りしているようです。
単体で買うと高いので付属しているものを買ったほうが良いと思います。
必要なショートパーツ
フィルター~デリパイ間の燃料ホースとバンド
燃料ホースは短くて足りなくなるので内径φ8のちゃんとした燃料ホースを買いましょう。ぼくは横浜ゴムのを買いました。
M8*30のボルト(7マークフランジボルト)
ボルトはT-VISを外すので、その厚さ分短い物が必要になります。
純正をそのまま使うと長すぎて底づきします。
気づかず回すとネジ穴がダメになります(ヘッドはアルミなのでやわらかい)
M8*25Lのボルト(7マークフランジボルト)
ウォーターアウトレットのボルトのうち1本が長すぎるので必要です。
純正をそのまま使うと長すぎて底づきします。
気づかず回すとネジ穴がダメになります(ヘッドはアルミなのでやわらかい)
M8(細目)*10L
コールドスタートインジェクタのメクラボルトに使用します。
コールドスタート活かすなら不要です。
負圧タンク
ヤフオクとかで安く売っているもので十分だと思います。
実際小型で軽そうなので良さそうに見えます。
OER純正が付属していれば買う必要ないです。
純正新品部品その他
インジェクターOリング、インシュレーター
燃料ホースやデリバリーパイプに付く部品の銅パッキン
バキュームタンクに行くホース類を新調する場合、ニップルやホースなど汎用品が別途必要です。
純正インマニから外して使うもの
吸気温度センサ、スロポジ、丸い三つ又(Mapセンサ、フューエルレギュレータに行くもの)
コールドスタートインジェクターはあってもなくても良さそうな気がするのでお好みで。
配線
配線は純正配線を少しほぐせば長さ的には足りると思います。
ただ配線のルートが悪いのとT-VISとコールドスタートインジェクターのカプラが
邪魔者になって結構かさばって美しくないです。
「もうこのまま一生4スロにする!」という方はきれいに引き直しをおすすめします。
------------------------------------組付け・調整----------------------------------
バラシの順序は燃料ホース外す、デリバリーパイプ外す、ハーネス外す、水ライン外す、インマニ外すでOKかと思います。
燃料計を触るので火気厳禁です。
組付けで加工する箇所としては燃料ホース。
純正のカシメを切って、フィッティングのみ再使用し、ホースバンドで止めます。

燃料ホースの加工は必ずガソリンが完全に残っていない状態でやらないと、サンダーとかの火花で引火するかも知れません。
インジェクター周りのインシュレーターやOリング、パッキン類は必ず新品に変えたほうがいいと思います。
調整
OERの最大のネックは
①スロットルが閉じきらない”ときが”ある
②スロポジの調整が大変
この2つかと思います。
スロットルが閉じきらないはもしかするとうちの中古個体だけかも知れませんが、リターンスプリング追加するケースもあるらしいので
個々の状況に応じて対策されたほうがいいと思います。
うちの場合、どうせ閉じきらないならと開き直ってアイドルスクリューは全閉、バタフライのストッパをちょい開け気味に調整して、そこを0としてスロポジも調整しています。
スロポジも純正みたいにアジャストスクリューがないので、ハンチングせず、かつ点火時期が進角しなさそうなところを探して~みたいな感じです。

同調は僕の場合、画像のようなシンクロテスタを買って使っています。あまり神経質にならず、おおらかな気持ちで調整しましょう。
----------------------------------制御--------------------------------------------
前置き
僕は良く知らなくてしょっかーさんとちゃけせんせーが教えてくれたんですけど、
4スロは純正シングルスロットルと比較して、アクセルをそんなに踏んでいない状況下では負圧が低く大気圧に近いため、純正MAPセンサ的には「スロットルを開けている状態」になるらしいです。

【図:ちゃけせんせー】
これノーマル状態で一度バキューム計見る機会があれば、実感できたはずなのでもったいないことしましたね。
なので4スロポン付け状態だとアクセル開度少なめなのにMAPセンサは全開かな?となりインジェクターはガンガンガソリンを吹いて、空燃比11以下で動くようになります。ゲロゲロに濃いです。

んで前出の図の通り、アクセル開度全開付近は「実際もMAPセンサー上も全開」なのでだいたい12.5くらいの適正な出力空燃比っぽくなります。
従って個体差はあると思いますが、ノーマルエンジン&ECUにOER4スロを吊るしで付けてOERの謳い文句通り動くか動かないかで言えば「動く」し、基本的にずっと濃いか出力空燃比なのでノーマルECUのままで直ちにエンジンブローするか、というとそんなこともないです。
ただフィーリングがめちゃくちゃ良くない、燃費が良くない、ひょっとすると気化しきれないガスがシリンダー内壁を洗ったりするかもしれない、などあまり具合は良くなさそうです。
家に油田があるとかならまぁ良いでしょうけど。
ですのでこれを補正するために、フルコンやサブコンで調整します。
今回はサブコンで行きます。
選定ですが、要件としてスロットル開度を軸にエアフロ(MAPセンサ)信号を変化させられるものが必要だと思います。
補正機能から絞ると以下の2機種になると思います。
トラスト E-マネージ
エアフロ補正マップがスロットルは0〜100%までを14段階に、回転も500rpmごとにと細かいです。
多機能ですが、ハチロクで使うのはエアフロ補正のみです。
エンジンと会話できる方は点火も作ってもいいと思います。
デメリットはPCが必要なこと、PCとの接続に専用ケーブルが必要なこと、
さらにPCの機種が限定的なことです(後述)。
アルティメイトの方は今回試していないので除外していますが、多分同じことはできるんじゃないかと思います(自分でしらべてね)。
A'PEXi スーパーAFC
PCが不要なのが最高最大のメリットです。
データを書き込むという操作が必要ないので、セッティング画面で変更するとすぐ変化するところが素晴らしい。
1000rpm刻み、TPSはHIとLOWのみで、ざっくりとスロットル開度軸のエアフロ補正ができます。
インターフェイスは貧弱ですが、余計な事に煩わされない分、手っ取り早くて私は好きです。
ビジュアルも当時っぽくてこのみです。追加メーターっぽくモニタリングできるのも良いです。とはいえざっくりしか合わせられなさそうなので今回はパスです。
E-マネージ(Blue)の導入について
今更E-マネージ導入の話をしてもしょうがないのですが、Eマネージは本体バージョンがいくつかあるみたいです。
初期は通信ケーブル差込部がUSB-Aのもの(うちの)、後期はUSB-Bになって本体も小さくなります。
今回導入したのは初期マネです。
差込部がUSB-Aの形ですが、やり取りしている信号がなんだかわかりません。ロジックレベルやプロトコルが違うので、単純にPCとUSB-Aオス<ー>USB-Aオスで接続してもONLINEにはなりません。
なので、ラスト純正通信ケーブルが必要になります。
-----------------------余談(読まなくてもOK)--------------------------------
トラストのケーブルにはなにかTTLレベル変換ICと基板が入っています。
分解したものの石の品番までは分からず。
自作できないこともないっぽいのですが・・・多分無理かもです。
自作関係の資料は
こちらのリンク先へ。
↑秋月のRS232C-TTLレベル変換IC(アナデバのやつ)を使用して作ろうとしてみたもののダメで、
そのあと上のURLの回路図通りの石(MAX202)を使ってみたりしたもののダメでした。
なので無理かも、と言う結論です。
ちょっと悔しいので、またチャレンジしてみようと思います。
ちなみにヤフオクで売ってる自作?通信ケーブルが動くかどうかは不明です。
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ソフトウェア
初期マネにはサポートツールのバージョン1.0か1.1を使用しましょう。
現在トラストからDL可能なサポートツールはV1.50ですが、
後期のEマネはホンモノのUSB接続っぽいので、そのためV1.50以降はシリアルポート関係の設定項目が消えているんだと思われます。
中古で購入した時に困るのが取説やソフトですが、
ここにリンクを貼るのは憚られるため貼りませんが、E-manage V1.10 Downloadとかで検索すると出てきます。
この辺はセキュリティリスクもありますので自己責任で。
パソコン
初期マネはPCの要件も厳しいです。
まず64bitマシンは根本的にダメです。仮想32bit環境ならイケるのかどうかも未検証なのでわかりません。
うちの環境を書くと下記のとおりです。
32bit、WinXP HomeEdition。
本体にシリアルポートコネクタ(D-SUB9)があることが望ましいかと思います。
ない場合、USB-シリアル変換を使いますが、相性などがあるので、ハマると大変です。
ドライバがちゃんとあるやつ使えば大丈夫だとは思います。
※32bitCOUでも初期AtomのネットブックXPマシン(うちの場合はASUSのEeePC)はダメでした。
ONLINEになってもそのまま使えないので、かならず本体バージョンアップをしないとダメです。取説に方法の記載が有ります。
うちの手持ち2台ともバージョンアップしないとONLINEにはなるけど通信できませんでした。
セッティング
まず、準備ですがセッティング開始前に必ずスロポジ開度のティーチングを忘れずに。
更に僕の場合はスーパー鈍感なのでA/F計がないと絶対ダメだと言うことで取り付けました。
実際のセッティング時はマップトレースをONにして、A/F薄い/濃い部分のセルを増減するだけです。
Eマネの良いところはエアフロ補正マップ以外にさわる場所が基本無いことなので、エアフロ補正マップだけ詰めていくのみです。
個人的にはいろんな補正系が複雑に相関/相克で絡み合っているようなコンピューターよりシンプルでわかりやすい気がします。
前述の通り、アクセル開度100%近辺は特にさわる必要がないので、
イメージ的にはアクセル開度50%以下を重点的にさわるイメージです。
自分のもまだ完璧じゃないんでアレなんですが、開度50%以下で12の後半~13くらいで走ればまぁいいかなって感じなのでそれを目指してポチポチしていますがなかなか思い通りにいきません。
開度3~5%の2500~3500rpmあたりは高速巡航用に薄~く14台に持っていきたいですねぇ。
エアフロ補正マップを作り込んでいくと局所的に薄くなったり濃くなったりするので自分の勘とかは信じず、A/Fの数値に従って機械的に増減した方が良いように思います。
自分の感覚のほうがあてにならないです。
これから寒くなるので、始動性なんかも含めて詰めて行きたいと思います。
費用
今回の4スロ化のこれまでのコストは下記のとおりです。
(色々取っ替え引っ替えして遊んでいるので実際はもっとかかっているので、最も安価な計算です。)
OER4スロ中古 60000
ショートパーツ&純正部品 20000
Eマネ中古 10000
イノベートA/F計 35000
PC中古 5000
作業は全部自前なので工賃はタダ。
あ、A/F計のセンサーボスだけビール1ケースで面倒見てもらいました(笑)
というわけで4AGノーマルエンジンにヤフオクで売ってたクソ中古OER4スロを付けて
「4スロなんスよwww」とドヤるための手順のまとめ、終わります。