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2025年06月01日

【都市生活とモビリティの再定義】N-ONEの気軽さに慣れた私が、プレリュードをためらう理由

【都市生活とモビリティの再定義】N-ONEの気軽さに慣れた私が、プレリュードをためらう理由 ある大学教員の小さな車考

「そろそろ、もう一度スポーツカー」と思う瞬間は、今でも確かにある。しかしそのたびに、私はN-ONEという小さな相棒の存在の合理性と親密さを思い出し、そっとその欲望を脇に置く。

本稿では、都市生活における「所有の意味」と「移動の質」について、日常的観察と内省を交えながら綴ってみたい。

■ N-ONEのサイズは、都市空間設計と最もよく調和する

関東の都市部において、自動車の取り回しや駐車は単なる技術的問題ではなく、空間制度との交渉である。
月極駐車場の狭隘さ、スーパーやジムの駐車スペースの余裕のなさ、住宅街の見通しの悪さ。こうした環境においてN-ONEは、まるで都市空間に合わせて設計されたピースのように、無理なくスッと収まる。

操縦に集中するというより、「間に馴染む安心感」を得られるという点で、日々のストレスが軽減される。これは知的作業の多い私にとって、小さくない利点だ。


■ 移動というより「暮らしの延長」──気軽さの哲学

自宅からジム、あるいは近所のスーパー。わずか5〜10分の移動。
時には、シートベルトを着け忘れそうになるほど(もちろん法的には着用必須だが)、このクルマは**「暮らしの動線」と完全に溶け合っている**。

N-ONEには「ドライブする感覚」がない。むしろ、“歩く代わりに転がる”ような気楽さがある。それは大げさに言えば、車という存在が「道具」から「身体の延長」になった瞬間なのかもしれない。

■ なぜか住宅には愛着が増し、車には湧かなくなった不思議

住宅については、今も確かに愛着が深まる実感がある。
自宅は積水ハウスの注文住宅で、住み始めてから8年以上が経つが、経年に伴って「成熟していく建物」との対話が生まれつつある。
賃貸に出している積水ハウス物件も同様で、来年は築15年を迎え、いよいよ外壁工事に着手する予定だ。
自分で探した業者で行う予定で、現場第一主義の社長との対話が妙に楽しみで仕方がない。

外壁というのは単なるメンテナンスではなく、風雨を共にした年月への敬意と、これからの10年への決意でもある。
不動産には「手をかける喜び」がある。ところが、自動車に関しては──不思議なことに、ポルシェ以外には今やほとんど心が動かない。

■ スポーツカーへの郷愁と、いまの生活との乖離

かつて所有していたM3は確かに心を躍らせた。
V8エンジンの高回転での高鳴り、完敗したポルシェ911 GT2との首都高高速バトル(あっという間に抜かれた(笑))。
運転席からの視点……。どれも若き日の私にとって「車とはこういうものだ」と思わせる存在だった。


しかし、今それを再び購入しようとすると、「所有したい」という気持ちよりも、「使いこなせるか」という問いが先に立つ。

大学間を横断し、短時間で移動し、駐車に気を使い、荷物を積んでスーパーへ行くような生活の中で、果たしてプレリュードは日常に馴染むだろうか──。
車とは「自己投影」ではなく、「暮らしとの相性」になった

かつて私は、車を「自己表現の延長」として所有していた。しかし今では、車は“暮らしの器具”としての完成度が重要になったように思う。

N-ONEはその意味で、私の生活にぴたりと寄り添う存在だ。

軽自動車とはただの“節約ツール”ではない。むしろそれは、**都市生活における“知的合理性の象徴”**であり、必要十分な美意識の体現でもある。

プレリュードを躊躇う今の自分を、かつての自分がどう見るか。
きっと「つまらなくなったな」と笑うかもしれない。
けれど今、この穏やかで実用的な選択に満ちた日々に、私は小さな誇りと満足を感じている。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2025/06/01 08:52:52

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この記事へのコメント

2025年6月1日 9:40
ekaさん、素晴らしい洞察に満ちた記事をありがとうございます😊今回もいろいろと深く頷きながら読ませていただきました。
N-ONEの「暮らしの動線」としての機能性と、都市空間に馴染むサイズ感は本当に秀逸ですよね。気軽に乗り出せる利便性は、他のどんなクルマにも代えがたい魅力です。それとストレスの無い俊敏性も気に入っています。先日、神戸でランチした時、レストランに駐車場は無く、周りのパーキングを探すのにティグアンでは難儀しました。911だと尚更だったと思います。坂の街で狭隘なパーキングばかりなのでN-ONEだとスムーズだったことだろうと感じます。田舎でもそんな場所は結構多いので、予め分かってる場合はN-ONEの出動となります。

そして「ポルシェ以外には今やほとんど心が動かない」という一文、まさしく私も同じ心境です。あの独特のドライビングフィールや存在感は、他のスポーツカーでは得られないものがあります。
「自己表現の延長」から「暮らしの器具」への変化、とても興味深い視点ですね。クルマとの付き合い方が成熟していく中で、私自身も同じような変化を感じています。しかし、まだ煩悩も捨てきれず😅
しかし、どのクルマもそれぞれの役割で最高のパートナーであることに変わりはありません。

白いN-ONEと白い911のツーショットが様になってますね〜😊
私も同じ色にしたら良かったかなと少し後悔しました😅
コメントへの返答
2025年6月1日 9:52
woody中尉さん、

あたたかいコメントをありがとうございます。いつもながら、丁寧に読み取ってくださり、とても励みになります。

N-ONEの「動線との融合」という感覚、まさにおっしゃる通りで、神戸のような都市構造の中ではその取り回しの良さが真価を発揮しますね。911との比較においても、状況に応じた最適解を選べる柔軟性こそが「成熟したクルマ選び」なのだと感じます。

また、“ポルシェ以外には心が動かない”という部分にも共感いただけてとても嬉しく思いました。ドライビングフィールもさることながら、何とも言えない「存在の説得力」があるのが911ですよね。

私自身、5-10年以内に定年を迎える予定ですので、その後は岐阜の自宅に戻り、車庫付きの環境で白×黒ルーフの現行911を迎え入れるのが、ささやかな楽しみになっています。

今後も、車との「距離感」や「愛着のかたち」を大切にしながら、日々を重ねていきたいですね。

またぜひ交流させてください。( ^^) _U~~


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「【都市生活とモビリティの再定義】N-ONEの気軽さに慣れた私が、プレリュードをためらう理由 http://cvw.jp/b/2299298/48461688/
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大学教員('ω')ノ 車歴(すべて新車); EvoⅠ→Golf GTI→ BMW MINI Cooper→BMW(E46)330i→BMW(E92)M3→...
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