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2025年08月02日

【社会制度論的考察】1880mmという制度逸脱の寸法―Preludeとクラウンスポーツに見る「所有の社会的摩擦」

【社会制度論的考察】1880mmという制度逸脱の寸法―Preludeとクラウンスポーツに見る「所有の社会的摩擦」 私たちはしばしば、自動車の購入や所有を個人の自由な選択の結果と考えがちである。しかしその選択は、実は制度的枠組みと空間的制約に深く規定されている。とりわけ都市においては、道路幅、駐車場の寸法、機械式パレットの仕様といったインフラ構造=制度環境が、所有の可否を密かに決定づけている。

この観点から見たとき、Honda Prelude (全幅1,880mm)やトヨタ・クラウンスポーツ(同1,880mm、しかも出たばかりのGグレードは520万!私ならこちらを買う!)といった“過幅”車両の出現は、単なる市場の多様化ではなく、むしろ都市社会の制度的設計との摩擦点として捉えるべきである。

制度の不可視性と規制の間接性

社会制度論では、制度とは単なる法規制を指すのではなく、人々の行動を可能にし、また制限する枠組みとして理解される。都市空間における自動車の使用に関して言えば、「車幅1,850mmまでが駐車可能である」という事実そのものが制度であり、これは明文化された法律ではないが、空間設計の水準において制度的強制力を持っている。

このような制度の作用はしばしば不可視的・間接的であるため、消費者は車両のカタログスペックを見ながら自由に選んでいるつもりで、実は制度に適合する選択肢しか実質的に持たされていないという構図が成立する。Preludeの1,880mmという寸法は、まさにこの制度外に位置づけられる設計である。

毎日通うKONAMIの駐車場という“制度空間”

写真にある私が毎日利用するKONAMIスポーツクラブの立体駐車場は、まさにこの制度空間の具体例である。設計上の車幅限界は約1,850mm、N-ONE(1,475mm)であれば容易に収まる一方で、1,880mmのクラウンスポーツやPreludeは明確に制度不適合である。現実には、写真のようにクラウンスポーツは右側ギリギリに寄せ、わずかな余白を確保しながらかろうじて駐車している。もしこれから、クラウンの☞側にとめた車両が軽自動車であっても、助手席からは降りれない、降りたら接触必至で、ぶつけた後に移動するだろう(笑)。クラウンを所有するとはそういうリスクが日常茶飯事ということである

ここでは所有とはもはや自由意志ではなく、制度との折衝であり、日常的な空間行動は制度への服従か、制度外部での自己責任かの二択を迫られている。

制度からの逸脱は所有者に“社会的コスト”を課す

Preludeのような制度外寸法の車両を所有することは、単なる趣味の選択ではなく、制度から逸脱することで自らに追加的なリスクとストレスを課す行為である。具体的には:

駐車のたびに他者への配慮と空間操作が要求される

他者の迷惑になる可能性が内在する

経済的には“高価格ではない”が、制度的には“高コスト”

このように、都市制度に適合しない商品を所有するということは、社会秩序に対して“構造的に摩擦的”な選択であり、たとえ法的には自由であっても、日常生活においては制度によって“じわじわと規律化されていく”構造が働いている。

1880mmは「趣味の自由」ではなく「制度的緊張」の選択

Honda Preludeの美しさに異論はない。だがその全幅1,880mmは、都市においては制度的に想定されていない寸法である。これは「個人の自由の拡張」ではなく、制度空間に対する挑戦であり、その挑戦を支えるには、制度外部に立つことへの覚悟とコストの引き受けが必要である。

私は、制度から逸脱した所有によって社会的・空間的ストレスを背負いながら日常を送ることを望まない。
所有とは、制度の内側で安定的に成立するからこそ、生活の中で意味を持つ。
制度に反する美は、ときに所有者を制度に対抗する個人へと変えてしまう。私はそこに価値を見出さない!
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Posted at 2025/08/02 07:57:20

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この記事へのコメント

2025年8月2日 9:32
こんにちは。
サイズオーバーでも周囲に軽自動車が多い、又は空いているからどうにか停められる。
というのが現実ですよね。
立体パレット等は明確にNGにされるけど。
コメントへの返答
2025年8月2日 9:53
こんにちは。
おっしゃる通りですね! 実際のところ、駐車場の“運用実態”と“設計上の制限”との間には、ある種のゆるやかなグレーゾーンが存在していて、**「軽が多いから何とかなる」「たまたま空いていたから大丈夫だった」**というケースが現場では多いですよね😅

ただ、仰るように立体パレット式だけは明確にアウトで、あればかりはセンサーやゲートの構造そのものが機械的に拒絶してくるので、どうにもなりません💦

面白いのは、こうした「制度的にはNG、でも現場ではOK」の状況が、**日本の駐車環境における“自己責任型許容文化”**のようなものを生み出している点ですよね。規格外サイズのクルマを所有することは、一方で周囲の空間と人に依存しながら成立している――そう考えると、所有という行為が、実はかなり社会的に支えられたバランスの上にあると感じさせられます。

それでも「どうにかなる」から大型車に乗る人が多いのも事実ですし、この“どうにかなる文化”が、プレリュードのような寸法にもある程度の余地を与えてしまっているのかもしれません!

2025年8月2日 9:38
おはようございます。

田舎なので機械式パレットを見かける
事の方が少ないのですが💦
都会の駐車問題は、当事者さんには
切実な事なんだと理解します😫。
クラウンって結構な幅がありますね
トヨタの地元民なので、そこらじゅうで
走ってますが、全長が短く見えるせいか
あまり気になった事はありません
でしたが、前に乗ってた5シリは幅が
1860でしたが、駐車時は気にして
停めてました。が、車格からなのか
周りが気にして停めてくれてたので
助かってた事もありますが、日本の
駐車場事情的には1800以下がいいと
聞いた事がありますが、衝突安全性
から今の車はどんどん大きくなる
傾向?かなと思います。
プレリュードって、値段は違いますが
NSXみたいにプレミアム感を出したい
のかなと思いました。
コメントへの返答
2025年8月2日 9:44
コメントありがとうございます!

やはり地方と都市とでは、駐車場の構造や前提が大きく異なりますね。私が通っているKONAMIの立体駐車場などでは、**パレット式の制限(たとえば全幅1,850mmまで)**がごく当たり前のように存在していて、車両サイズが制度的に“ふるいにかけられる”印象があります😅

クラウンについては、確かに仰るように全長の短さから幅広に見えにくいという視覚的トリックがありますよね。以前お乗りだった5シリーズ(1860mm)も、やはり駐車時はそれなりの注意を要したことと思いますが、周囲の人が“車格に配慮してくれる”という現象は確かにあります。ある意味、ブランドの持つ“空間的威圧感”が生む社会的作用と言えるのかもしれません。

日本の駐車環境では、**「1,800mm以下が理想」というのはある種の“実用的な社会規範”**になっていますよね。それに対して、衝突安全性やバッテリーパック搭載による設計上の都合などから、クルマがどんどん大型化していくというジレンマは、制度設計とのズレとして今後さらに顕在化しそうです。

プレリュードに関しても、まさにおっしゃる通りで、価格帯こそNSXほどではないものの、所有者に特別感を提供しようとする“文化的プレミアム”をまとわせている点は、極めて意図的だと思います。

見た目、支払い条件、台数、駐車適合性……全てが「あなたはそれでも所有しますか?」と静かに問いかけてくるようで、ある種の“所有の覚悟”が試される車ですね😅

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「ペンシル住宅とアルピナB5──動産と不動産の価値減衰速度をめぐって http://cvw.jp/b/2299298/48593483/
何シテル?   08/11 13:44
大学教員('ω')ノ 車歴(すべて新車); EvoⅠ→Golf GTI→ BMW MINI Cooper→BMW(E46)330i→BMW(E92)M3→...
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