エンジンカバーカーボン化(その3)

本業が、忙しくなってきたので中々時間が取れません。なので作業が遅々として進まない。


前回までの失敗を元に、型を再作製。
今回は純正のエンジンカバーのシルバー部分が外れることが判ったので、その部分は別模様にすべく取り外した状態で型を取りました。
細かい部分はガラス粉とタルク粉を混ぜたパテのやうな樹脂と、カーボンやガラスの短繊維を先行して詰め込んでやったので、かなり綺麗に型取りが出来ました。
(樹脂だけでやると最初の型取りや、離型等どこかのタイミングで型に力を加えると粉砕されます。)

離型処理は、いつものボンリースを気持ち回数を増やして塗り込んでおきました　。
型の廻りに貼ってるのはバギングフィルム固定用のシーラントテープです。
当たり前のことですが離型処理前に貼り込んでおかないとくっつかないです。

小物の場合は上手くいきましたが、ある程度の大きさになるとどうやらシリコンスプレーでは完璧に離型処理が出来ないような気がします。専用のシリコン系離型剤を投入してみたりしましたが、エンジンカバーは多少大きいのと、凹凸が結構あるため正攻法で攻めることにしました。で離型剤その2としてPVA離型剤を塗ります。初回やったときは刷毛塗りでやりましたが微妙に凸凹が目立っていたので、今回はエアスプレーで吹いてみました。
気持ち均等に塗れているような？
完全乾燥のため、暫く放置します。


ちなみにPVA離型剤は洗濯糊と成分が同じです。ですので市販品の離型剤を買わなくてもエタノールで薄めて、代用することが可能です。コストが段違いです。

エンジンカバー作製の合間と新方式の練習がてらにバッテリーカバーやABSのカバーもついでに作ってみました。
2回続けてほぼ成功と言える状態で出来上がったので、大物となるエンジンカバーも今度こそ大丈夫でしょう。

続く

さて、前回までの作品では12ミリ幅のカーボン繊維を切り刻んで使用していました。
繊維の弾性や樹脂の浸透度合いの悪さ等が原因なのかどうかは分かりませんが、細部まで樹脂が行き渡らずにいまいちな仕上がり具合となっていたことが多く、今回はこのチョップドカーボンを使用します。

スプレーノリを吹き付けたあと、繊維を十分に隙間ができないようにばらまきます。
立ち上がってる面などには、スプレーノリの粘着を利用して貼り付けます。
隙間なく貼付けを完了したら裏打ちとして、普通のカーボン布を貼り付けました。

バギングフィルムに包んで真空引きし、樹脂を含浸させていきます。

樹脂の硬化を確認したら脱型です。
今回はPVA被膜が程よく働いてくれたので、前回までの苦労が嘘のように綺麗に型から外すことが出来ました。
(青く見えるのがPVA被膜、水に溶けますので洗えば綺麗になります。)
まだ完全に乾いたと言えない感じでしたので、水洗いはもうしばらくあとにします。

裏面はこんな感じ。
裏当ては通常より目の細いカーボン布を使ったので、かなりいい感じに仕上がりました。
ざらついてるのは、ピールプライを剥がした跡です。
真空引き最中に、ズレたのでバギングフィルムと直に接してしまった部分はツルツル。