
発売当時,気の毒にも「ぷあまんず・POるシェ」という称号で,口の悪いジャーナリスト達に呼ばれていた車種があった。いくら同社のラインアップの中では安価とは言え,当時の価格を現代に換算すると,NSX辺りに相当すると思う。
れっきとしたスポーツ・カーで,ごく一部のモデルを除き,エンジンこそVW流用だが,コーナリング性能とトータル・バランスはピカイチだった。ましてや学生にとっては,とても贅沢と言える車種だった。
そんなスポーツ・カーを,体育会系のあるクラブの部員達は,色違いで揃え,通学に使っていた。昼間から練習をするクラブで,しかも練習場所は大学から遠い。彼らは兄弟ではないが,自ずから行動も共にすることが多かった。
そこで,ほぼ毎日,午前中は同じ場所に,色違いの「下駄」が並ぶことになる。外野のカー・マニアは買えない者の僻みもあり,そのスタイルから「下駄」と呼んでいた。
校舎を挟んだ道路際の塀に沿って,カラフルで高価なスポーツ・カーが並ぶこと自体が異常なのに,彼らの行動は常軌を逸した,さらに驚くべきものだった。
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通学快速 | クルマ
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2006/12/18 08:25:59