ステンレス
アルミよりは重いが鉄よりは軽い アルミの3倍
硬く、強度が高い
アルミよりも高価
アルミ
比重が小さく、非常に軽い ステンレスの1/3
柔らかく、加工しやすいが強度が弱い
比較的安価
120℃を超えると長期使用で機械的性質が低下
64チタン
引っ張り強度はクロモリ鋼に近いが
剛性の面でヤング率はアルミ並みに低い
高強度低剛性
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ヤング率 縦弾性係数(E/GPa)
大きいほど変形しにくい材料
引っ張り強度(N/mm2)
材料に引張荷重を加え破断するまでの最大応力
降伏点、耐力(N/mm2)
材料や構造物がどれだけの力に耐えられるかを示す指標
明確な降伏点を持たない材料の強度は耐力を使用
クリープ温度
一定の荷重を受けている状態で、
時間とともに変形する現象
クリープが起きやすくなる温度の理論目安
材料の融点(K)に対して:
0.3 × 融点(K):長時間使用時にクリープが始まりやすい温度
0.5 × 融点(K):顕著にクリープが進行する温度帯
靱性シャルピー衝撃値 (J/cm²)
材料が破壊時に吸収できるエネルギーの大きさを示し
「割れにくさ」や「衝撃吸収性」の指標
種類 /ヤング率 /引っ張り /耐力 /クリープ /靱性
炭素鋼 S45C /205  /828  /345 /400 /20
SS400    /205  /400  /215 /400 /100
強度区分5.6  /210  /500  /300 /-  /-
強度区分8.8  /210  /800  /640 /-  /-
強度区分10.9  /210  /1000  /940 /-  /-
  
SUS304    /197  /520  /205 /550 /150
強度区分A2-50 /210  /500  /210 /-  /-
強度区分A2-70 /210  /700  /450 /-  /-
強度区分A2-80 /210  /800  /600 /-  /-
強度区分A2-90 /210  /900  /700 /-  /-
強度区分A2-100 /210 /1000  /800 /-  /-
BUMAX 88   /190 /800  /640 /- /-
BUMAX 109  /190  /1000 /900 /- /-
アルミA2017  /69  /425  /275  /150 /10
アルミA5052  /68  /260  /215  /100 /25
アルミA7075  /72  /570  /505  /150 /10
チタンTi-6-4  /110  /895  /825  /-  /55
ダイヤモンド /1000  /---   /---  /-  /-
金      /78  /110  /---  /-  /-
ナイロンPA66 /2.9  /78   /---  /-  /-
木材     /7.8  /30(繊維方向) /--- /- /-
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@キャリパーサポートについて
制動力強化で社外キャリパー、大型ローターを使用するために
オフセットさせるアダプタ
キャリパーサポートはなぜアルミ製が多い?
・軽量でバネ下重量の軽減
・切削性が良く
安い、大量生産向き・設計次第で充分な強度と剛性
・150℃からクリープ発生しもろくなるが
 放熱性とヤング率の低さで変形してカバーしてる?
・ステンレスより疲労強度弱い約 130〜160 MPa
・アルミのねじ穴で締めすぎるとねじ山が伸びる
 無印だと1/2、高強度だと1/3しかトルクかけれない
・熱膨張率差による緩み 
 アルミ地の場合 鉄4倍、ステンレス10倍
 どちらも緩みやすい 同素材がベストだが
 アルミボルトなんか使えない
・アルミ地だと鉄、ステンレスネジ共に電蝕起きる
 スレッドコンパウンド使えば問題ない?
・アルミ側が雌ねじの場合、最低ネジ径の1.5倍の厚み必要
サポートはステンレス製でも問題ない?
・ステンレス製は難切削材で時間かかり高額
 工具負担大で大量生産不可、加工利益でない?
・ステンレス製は重いが1/3の厚みで同等強度?同等重量?
・ステンレス製ならステンレスボルトで
 電蝕、熱膨張による緩み発生しない
・アルミより疲労強度強い約 200〜250 MPa
・ステンレス側が雌ねじの場合、最低ネジ径の1倍の厚み必要
・高強度ボルト A2-90、A2-100等なら強度問題ない?
  強度区分(相当)
  A2-80=8.8=7マーク、8マーク
  A2-100=10.9
クリープ現象温度(おおよそ開始) 
鉄400℃、ステンレス550℃、アルミ150℃
ヤング率だとアルミはステンレスの約1/3
約3倍変形しやすいということ
同じぐらいの引っ張りで変形し耐えて元の形に戻るが
その時の変形は3倍ぐらい大きくなるということ
ブレンボキャリパーはアルミキャスト(鋳造)製
使用材料と熱処理により強度出している?
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まとめ
アルミ製サポートで鉄ボルト
切削性よく安く軽いが150℃でクリープし脆くなる
鉄ボルトでも電蝕
締め付けトルク1/2しかかけられない(高強度ボルト意味なし)
熱膨張差で緩みやすい
何回か取り外すとネジ山が伸びる
(アルミ製ブレーキバンジョー再使用不可の理由)
ステンレス製サポートで鉄/ステンレスボルト
アルミより疲労強度あるが難切削材で高価で重い
ステンレスボルトで電蝕なし
鉄高強度ボルトなら電蝕あるが強度的には問題ない
かじりつく為スレッドコンパウンド使用しトルク管理必須
     /アルミサポート    /ステンレスサポート
重量   /軽量(約1/3)    /重い
強度   /高強度アルミなら十分 /高強度で剛性も高い
耐熱性 /約150℃~強度低下  /200℃以上でも比較的安定
腐食耐性  /良好(酸化被膜形成) /耐食性良好
結果
軽量、コスト重視ならアルミ製
安全、強度重視ならステンレス製
ステンレス製サポートでスレッドコンパウンド使用しトルク管理して
10.9鉄もしくはBUMAX、A2-100ステンレスボルト取付