
真っ当なコーナリングスピードの向上は望めないスターレット。
スターレットの長所、軽さとパワーを伸ばして行くことがタイムアップの近道です。
しかし、自分のターゲットはミニサーキット。1300ccの4Eのまま使いきれるのはせいぜい230馬力くらいだと思ってます。
今の純正ターボチャージャーはオーバーシュート1.2キロ、6000rpm回ると1キロ切るくらいまで垂れます。
もちろんブーストコントロールではアクチュエーターを閉じています。
ターボチャージャーのキャパ不足ということでしょう。
また、回転数が低い時にブーコンをブーストかかる設定にするとサージングします。(様々な要因でターボチャージャーが吸気を圧縮しきれず、コンプレッサーを逆流する現象。最悪ターボチャージャーが破損する。)
ターボ車のパワーはターボチャージャーの容量で決まる!と言うことでターボチャージャー変更計画を決行です。
まずは、ハイフローと社外ターボチャージャーの2択です。
[社外ターボチャージャー]
現在スターレットのポン付け社外ターボチャージャーは販売されていません。
海外のキットはありますが、どれもターゲット馬力が300馬力以上で4Eでは下が使えません…。
となると周辺部品をワンオフする必要があるので、コスト&時間がかかる。
そして肝心のターボチャージャー。
大分探しましたが、ターゲット馬力が250馬力程度で付きそうな形状というのが見つかりません。
まだ実現性があったのは、ちょくちょく話に聞くR34GT-R用を流用する手法。純正以外にGCGが販売しているGT2860Rも使えます。これらは、全てボールベアリングです。まとめると以下の通り。
①GT-R純正:セラミックブレードでブースト耐性が低い。CT9とそんなに容量が変わらない。
②N1:メタルブレードだけどデカイ。
③GT2860R:純正タービンのインコネル化。CT9とそんなに容量が変わらない。
④GT2860R2:インコネルブレード。デカイ。
※デカイと言うのはメーカー公証のハウジングA/R値から判断しています。
[ハイフローターボチャージャー]
ほぼ純正ターボチャージャーを使ってインペラーのみ変更してコンプレッサー風量を稼ぎます。抜けを確保するためにターボブレードを削るカットバック加工もあります。
数店名が知れてるターボ屋さんがありますが評価は様々。完成度は店次第。
根本的な容量が増えないため大幅なパワーアップは見込めないが、ポン付けできるため予算は大幅に抑えられる。
以上のことを踏まえて、今回はハイフローで行くことにしました。なんせターゲット馬力が200→230馬力なので、そんなちょうどいいタービンがありません💦
多大な予算をかけて社外タービンを着けて、パワーバンドが狭まりタイムが落ちるなんて本末転倒です。
そうなると問題なのは依頼するお店選び。せっかくなら面と向かって相談したい。幸いあてがありますw
株式会社 昭和
https://www.turbo110.com/
主にターボチャージャーやインジェクターのOHを行っている会社で家から20分くらいで行けるのです。以前OHをお願いしたことがあったり、様々なとこで好評を聞いたので信頼性が高い。公式にはハイフロー化の依頼を受け付けていないようですが、ポルシェ用やミニ用など実績があるようで、相談することにしました。
メールに相談内容をまとめ、1度訪問したい意思を伝えたところ、快く日程調整いただきました。
今持っているCT9A、CT9B、海外製CT9 Hybrid を持ってお店に伺いました。
もう一度内容を説明し、SHOWAさんの意見をお聞きしました。
CT9がコンパクトな設計なので、ハイフローの上げ代は少ない。よってあまりパワーは上がらないかもしれない。まず純正をバラして、適合するインペラーがあるか探してみる。もし無かったら鍛造アルミから削り出しで設計製作することもできるが高額になる。
せっかくなのでGT-Rタービンの流用についても聞いてみた。
確かに容量的にはちょうどいい。GCGのタービンはいい製品だが、AOの考えていた通りターゲットはRとR2の間くらいなためいまいち。ただGT-Rタービンはハウジングに余裕があるため、おすすめは中古の33Rタービン(メタルフロー)をハイフロー化することらしい。
調査が終わったら連絡するとのことで、この日は工場や、今やっているタービンの加工を見せてもらって帰宅しました。
急いでないと伝えてあったので、1月くらいしてメールが来ました。
流用できそうなインペラーがないので、ビレットインペラーでいいかとのこと。
2つ返事でお願いしました。まだ見積り貰ってないんですけどねw
またしばらくすると写真が添付されたメールが来ました。そこにはつらつらと長文で調査の結果とサンプル切削したブレードの解説が書かれていました。
見積りより先にサンプル品が出てきてちょっとビビりつつ、メールの内容をワクワクしながら読みました。
写真見たい!?見たいですよね~!?
ワクワクですよ?
見れば分かると思いますが、左がCT9Bの純正。右が今回設計製作いただいたビレットインペラーです。
メールでいただいた内容をまとめると以下の通りです。
一般的なハイフローは他車種のインペラーを追加工したり、スペーサーを入れて流用するのが一般的。
しかし、SHOWAさんが調査したところCT9Bはコンプレッサーハウジングが肉薄で、インペラーに合わせて削り込むと強度不足による振動が発生し、寿命が短くなる傾向。
そこで、ビレットインペラーで専用設計することにより、コンプレッサーハウジングを加工せずにブレードの容量増加
ビレットインペラーについて
①純正が1&0.5が4セットに対してほぼ同サイズの8ブレード
②鍛造ビレット材の硬度を生かして、各部を薄肉化
③ハウジング内が拡大できない分、インテークポート部のブレードハイトを出すことでブレード面積増加
④底面フランジぶからブレードを飛び出させることでブレード面積増加
⑤②によりブレードが軽量化
めちゃくちゃ真剣に検討してくださったのがひしひしと伝わってきます。
低回転のブーストをサージング防止で抑えていることを考慮してタービンブレードのカットバックを追加して見積をお願いしました。
翌日見積書が届いて、安さに驚きながら注文しました。OHなど含めて20万超えるのを覚悟してたので、感謝感激です。エンジニアの自分が見積もると開発設計費が丸っと抜けてます。ええのか。SHOWAさんに感謝ですね。
※許可を取ってないので見積書は公開しません。値段知りたかったらDM等なら教えるかもです。
2週間かからずに届きました。
早くつけたくてしょうがなかったですが、これが2023年11月末シーズンインしちゃってました。
当然燃調狂うので、セッティングとセットで取り付けたいのもあって2024年に導入することにしました。
と思ったら年末にミッションブロー😇
予算も時間もそっちに取られ後回しに…
ようやく手をつけられたのが今月。
現在慣らし中です。
早くフルブーストかけたい!!
残念なのは同時に各所を仕様変更しているので、単品評価ができないことですね。開発車両が欲しいところ。純正ECUとのマッチングも気になるしね。
あ、部品取り号あるじゃん。