
世間的には話題作なれど、みんカラ的には多分、
ダイハツ・ハイゼットデッキバン(あるいは
スバル・サンバーオープンデッキ)乗りの方と、ホンダ・スーパーカブ乗りの方と、車でアニメや映画の聖地巡礼をすることが趣味な人以外、あんまりみんなのカーライフとは関係なさそうなアニメ映画『
君の名は。』ですが、本日、発売前からAmazonで予約していた
Blu-rayコレクターズエディションが届いていました。私は既に映画館で2回見ているのですが、家でゆっくり鑑賞するために、長いこと発売を楽しみにしていたBlu-rayでもあります。いつものように届いても開封の機を逃して結果的に半永久保存版、なんてことはせず、ちゃっちゃと開封して即日鑑賞しました。
私は別にハイゼット/サンバー系のオーナーでも何でもないのですが、みん友さんやMYファンの方の中にはこの系列の車種に乗っている方もおられます。きっと今頃、全国のハイゼット/サンバー系のオーナーの方々も、今頃は愛車がヒット作の、クライマックスを前に盛り上がるおいしい場面(
サウンドトラック17曲目辺り)で、チョイ役ながらも活躍する様子に感動したり、愛車を痛車化したり、内外装を高山ラーメン店仕様にカスタムしたりするための資料として、映像を何度も巻き戻しつつ食い入るように見たりしているのだろうなあ……などと想像しながら(いや、ハイゼット系のコミュニティを覗き見る限りはそこまで盛り上がってない?)鑑賞しました。
閑話休題、あんまりみんなのカーライフとは関係ない、終盤のネタバレを含んだ感想になりますが、以前映画館まで見に行ったときのブログで書き損ねたことで、見ていてつらつら思ったことなど。
個人的に、ある種の災害映画として見た場合の『君の名は。』において、白眉だなあと思っているのは、物語のクライマックスにおいてサヤちんの防災無線が始まると同時に、挿入歌「
スパークル (movie ver.) 」がサビ前の長い長い長い間奏に入って、それから馬鹿長い間奏が(最初で最後のサビを前に)途切れるまでの間……要するに主要登場人物らが偽の山火事騒動を起こして、糸守町の住人を未来の大災害から救おうする計画を決行するものの、人々の無関心によって頓挫し、ヒロイン・三葉の心がぽっきり折れるまでの場面です。
古い防災の常識に基づいて描かれたパニック映画であれば、大パニックのひとつやふたつでも起こりそうな場面ですが、『君の名は。』に登場する群衆は、ほとんどが偽の山火事騒ぎに対して無反応、あるいは狼少年でも見るような反応で、なかなか避難行動を起こそうとしません。近年は「正常性バイアス」などと言われて知られるようになりましたけど、災害に直面した人々は、(古い防災の常識に反して)そう簡単にパニックを起こしたりせず、それどころか避難を呼びかけても危機を実感できなかったり様子を見たりしていて、避難しようとしないことが多いのだとか。そういう新しい常識が映画に反映されているのは、やはり阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震……といった大きな災害の体験を積み重ねてきた、現代日本の映画らしい描写だと感じます。
映画『君の名は。』の評価の中には、この映画は日本の被災の歴史を改編している、つまり、過去の震災の記憶を置き換え、あったことをなかったことにして美談に仕立て上げているけしからん映画だ……といった趣旨のネガティブな主張もあります。が、個人的にはそうは思わないです。まあ男主人公・瀧くんの視点から見ればそういうことになるのかも知れませんが、彼はそれを成し遂げた代償に、大冒険を通して経験し全てのものを失い、成し遂げた成果も知らされぬまま、独りぼっちで無人の荒野に放り出されてしまったわけです。しかし女主人公・三葉の視点からこの物語を見れば、1,200年前の人々から託された神秘的な災害予知の情報を正しく使いこなし、一度は起こってしまった災厄の教訓を生かし、友人を、家族を、その他大勢の地域の住民たちを救うという寓話にもなりましょう。「最終的に人々を救うのは避難訓練」という教訓的な内容(?)も含まれていますし。「次こそは失敗しない」という、強い願いを含んだ映画なんじゃないかな……などと、個人的には受け取っています。
そうそう! 一時期話題になった「ティアマト彗星の軌道のミス」は、Blu-rayでは修正されていました。
災害をテーマにした映画としては痛いミスでしたからね(まあ、それ以前の問題の荒唐無稽な設定もありますけど……)。私が確認できたのはそこだけですが、細かいミスは映画から色々修正されているのかも知れません。
追記: ランダム封入されている予約特典のフイルムしおり、私のは「かたわれ時」の場面のものでした。
Posted at 2017/07/26 01:54:15 | |
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