続）EA11R　エンジンECU　回路図

前回、クランク角センサ入力から点火系統の回路をピックアップしましたが、それに比べると幾分かはシンプルな回路構成となっています。
インジェクタ駆動回路を含めて、センサ系統とスイッチ入力系統、負荷駆動系統の主だった部分の回路構成を抽出してみました。

電源系統に使用しているレギュレータは、車載に特化した部品になり、マイコンの外部監視機能もパッケージされたタイプでした。

当時、８ｂｉｔＣＰＵでは、Ｚ８０、８０８５、６８０９がメインでしたので、その内のどれかをベースにして、カスタムかされていると考えられます。演算機能が強化されている６８系をベースにしてＭＰＵ化した可能性が高いかも。

オリジナル部品も多々使用されているようでしたので、推測で回路構成を割り出している部分もあります。

インジェクター駆動回路

＃１０と＃２０の２系統しかありませんので、一つに２本のインジェクターがぶら下がる構成。ダイハツの軽トラでも、ＤＬＩで独立噴射になっているので、それと比べるとひと世代前という感じがします。

全ての動力系統で共通になりますが、オープンコレクタ出力となっています。

ＡＢＶ、ＥＧＲ、ＩＳＣ、ＦＰ駆動回路

基板上のＤＩＰパワートランジスタを使用しているところと、ダーリントントランジスタアレイを使用しているところに分かれています。基板のサイズに制約が有ったのか、抵抗を含めて、パッケージ品が多く使われています。

ＴＩＬ駆動回路、ＴＡ０１内部構成

ＥＡ１１Ｒにしか付いていないターボランプのＩ／Ｆ回路にＤＩＰのパワートランジスタアレイを使用しています。コストダウンで、ＥＡ２１Ｒでは省かれたのだと思います。

ＩＤＬ、ＷＯＴ、Ａ／Ｃスイッチ入力Ｉ／Ｆ
ＲＳＷ入力Ｉ／Ｆ

Ａ／Ｃスイッチは、デマンド機能が働くんですよね。車のキャラクターなのか、人よりもエンジンが優先となり、Ａ／Ｃ　ＯＮの時に、ＩＤＬと車速、フルブースト条件が成立すると、確かエアコンカットとなり、エンジンパワーを優先する機能が有ったような気がします。

アナログ信号系統　ＩＣ１０１

ＰＭ、ＴＨＷ、ＴＨＡ、ＡＤＪ（ＣＯ）、ＯＸ（Ｏ２）の他に、ＤＬ（ダイアグスイッチ）、ＴＳ（イニシャルセットスイッチ）入力もＡＤコンバータで処理している。

マルチプレクサ入力ではなく、独立した回路ブロックの素子と推測。分解能は不明ですが、ＣＰＵ自体が８ｂｉｔですので、分解能は８ｂｉｔか９ｂｉｔ程度かなと。

電源用ＩＣ　ＴＡ７９００Ｓと、パワトラアレイの写真。

ＡＤコンバータを含めて、既製品でない部品も多々使用されている。