基準電圧発生器とデジタルテスター(DMM)の校正
投稿日 : 2018年12月26日
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アナログデバイセス社製のAD584LH(Perfeclan 2.5/5/7.5/10V 電圧リファレンスモジュール プログラマブル AD584モジュール )を使用した基準電圧発生器でデジタルマルチメーター(DMM)の測定値と校正をしてみました。
基準電圧発生器は中国のPerfeclan?製でAD584LHを使用したもので、10V、7.5V、5V、2.5Vの基準電圧を出力できます。
しかも、6・1/2桁のDMMで測定値付きです。巷では偽の測定値を表示した同様の商品も売られています。
価格は1,060円(送料込み)でした。
発注から約2週間で到着しました。
写真のように手書きで各電圧測定値が記載されています。
(2017年 Agilemt 34401A測定)
基板は10V、7.5Vの印字が擦れていて、怪しさ満点です
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基準電圧発生器|R6452A(差V)|ZT109(差V)
――――――――――――――――――
2.50032V|2.4996(0.00072V) |2.499 (0.00132V)
4.99968V|4.9985(0.00118V)|4.996 (0.00368)
7.50105V|7.4994(0.00165V)|7.497 (0.00405)
9.99937V|9.9964(0.00297V)|10.00 (0.00063V)
注:読値からR6452Aは-5カウント、ZT109は-3カウントが真の電圧読値
うーむ・・・ 微妙な値です。差がもう一桁少なければ信用するのですが。
基準電圧発生器とR6452Aとの差は0.0220%~0.0297%の範囲にあり、十分なような気もします。
R6452Aの仕様では±0.02%±5dであり、その範囲内に入っています。
ZT109は±0.5%+3dに収まっています。
基準電圧発生器は3・1/2桁のDMMの校正に使えそうです。
そこで手持ちのDMMで基準電圧発生器(10V)の電圧測定・校正してみました。
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Sanwa CD-780C
10.0V 合格です。2.50Vも同値でした。古いのに立派です。
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MASTEC MS8221C
10.0V 合格です。2.50Vも同値でした。
電圧・抵抗測定は正確のようです。
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OHM M-830C
10.0V 合格です。2.50Vも同値でした。
チープな作りですが、電圧・抵抗測定は狂っておらず立派です。
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DT9205A(2台)
No.1は9.90V、No.2は9.86Vと1%差がありました。
校正が必要です。
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基板の配線を追っていくと、VR221表示の可変抵抗で調整できました。
2台とも10.0V表示で調整しましたが、写真は気温の影響?で9.99V表示となっています。
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Kaise KU-2608
9.90Vで1%の差がありました。
標準価格が16,800円(税抜き)と高く一番期待しましたが校正が必要です。
両面基板でVRが4個あり、基板に調整表示もありません。
そこで、VRに現在の設定位置をマーキングし、少し回して電圧表示が変化するVRを見つけます。
基板左上のVRが電圧測定の補正VRでした。抵抗値の補正VRも兼用?しているようです。
10.0Vに調整できました。
R6452Aは5・1/2桁であり、校正済みのDMMで基準電圧を確認しませんと、基準電圧発生器添付の測定値を信じることはできません。
ちなみに、基準電圧器の添付計測電圧値に0.99964を一律掛けるとR6452Aとの誤差は0.0004%、ZT109は0.1%まで縮小します・・・・・
だれか、校正済みのDMMで基準電圧を測定してくれないかな~
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