リチウムイオン電池駆動 反転型DCパワーアンプのつもりでした
投稿日 : 2021年05月17日
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ソニーTAF‐555ESX-Ⅱから取り出した半導体類を再利用して反転型DCパワーアンプを製作してみます。
直して使え、もったいないとの声が・・・聞こえる?ようです。
皆様のジャンクと化したパワーアンプの半導体類の有効利用の参考となります。
ただ、手間暇を考えると余りお勧めはできません。
電源の仕様
・リチウムイオン電池の充電器は中華、zanflare製で3,200円位
・リチウムイオン電池は18650保護回路付きの3,200mAhrの容量(表示)を4本使用(ニッケル水素電池12本でも代用可能)20時間程度使用可能
・電圧増幅段はニッケル水素電池4本(4.8V)を上乗せして3電源方式
・電池残容量の確認はデジタル電圧計(200円)で確認の予定
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製作の目的は、
1.リチウムイオン電池4本と、電池フォルダを使用することで、簡単で安く電池駆動のパワーアンプが製作できる。ノイズレス電源。
安全基板組込みのリチウムイオン電池と専用充電機が使用可能となるため、安全性が増す(中華製品なのでリスクは残る)。
代償として電池フォルダとの接点が増え、制御基板数(電池に組込み)が増える。
2.ジャンクな半導体類を有効利用する。前回報告の回路は、終段のドライバとパワートランジスタの適用範囲が広いため同等品であれば交換可能。
3.反転型DCパワーアンプとすることで、入力抵抗1本を外すことで、パワーIVC(I電流・V電圧・Cコンバーター)へ容易に転換できる。
4.終段の発熱が少ないため、簡易な放熱器でもOK、このままでも電源電圧±15V位までは対応可能。
再利用した部品は、
2SK389(初段の差動アンプ:未使用品は結構高価)、2SC3586(終段ドライバ)、2SC2835(終段)、0.22Ω(エミッタ抵抗)他は、ほば手持ちのものを使用しました。
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回路図
金田式No.267をベースに電源電圧による修正と反転増幅のため、入力抵抗を1本追加しました。
Si‐C MOS・FET+MOS FETから終段・ドライブともTrへ変更し修正。
後に反転増幅は止めて通常入力型へ変更しています。
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組み立て
今回は基板の改造・調整がしやすいようにサブシャシー(20cm×14cm)の上に組み立てます。
発熱が少ないので放熱板も兼用しています。
とてもシンプルかつコンパクトで製作が容易です。
コンパクトなので外観の格好の良いジャンクなアンプにこれを組み込むことは容易で、音質と外観に優れたアンプが安く出来上がります。
【調整編】
基板が出来上がり、仮調整をします。
終段モジュールと基板・電源を配線し、スイッチON!
無事80mA程度に調整できました。ここまでは順調です。
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ついで、オシロスコープで波形を確認します。
赤線は入力、黄色線は出力波形です。
10KHzサイン波
むむ・・発振しています。
初段のステップフィルターのCを330pFから660pFへ増加させてみます。
発振は減少しましたが、オーバーシュートがかなり見られます。
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ここから試行錯誤の道へ突入・・・
1.過大なゲインが要因と思われますので、終段ドライブをダーリントン接続からエミッタフォロワドライブヘ変更(終段のゲインを落とす)してみます。
→大分改善されましたが、まだ局部発振の症状が出ています。
2.反転入力は入力信号に出力信号がフィードバックされるため、入力信号が乱れてしまします。
残念ですが、反転入力を通常の入カヘ戻してみます。
→まだ局部発振の症状が出ています。
3.NFB抵抗と2段目Trに30pF程度のコンデンサをパラってみます。
→ほぼ発振が収束しましたが、少し方形波にオーバーシュートが見られます。
4.アンプの初段に使用した2SK389のgmが高く、過大なゲインが原因であろうと考え、初段を2SK30ATM(GR)に変更します。
上記1~4まで途中休止しながら3ヶ月が過ぎました・・・ (^^)
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位相補償コンデンサ無しで、発振が収まりました。
写真は10KHzサイン波
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方形波(10KHz)に少々オーバーシュートが見られますが、後日の対応としこれで終了とします。
増幅率は6倍で最大振幅は±6.8Vとなり、約3W(8Ω負荷)の出力となります。
つづく
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