前回、フロントをサイクルフェンダーに交換しました。
これによって、フェンダーとタイヤの隙間をなくすことに成功したのですが、カラーがメッキのため、リアフェンダーとのバランスが取れず、後付け感が強い仕上がりとなってしまいました。
だったらリアフェンダーも同じものを付ければいいじゃないか、とお思いの方も多いでしょう。事実私もそのような考えでした。
しかし、前オーナーの強いこだわりなのか、現在つけられているリアフェンダーは、いろんなパーツとセットになっており、一部は専用ステイを溶接、という形で取り付けられていたのです。
説明が面倒なので画像をどうぞ。
①.荷台の前方を取り付けるためのステイが溶接されています。
②.荷台後方の取り付けステイも溶接されています。
③.荷台後方のステイとに共締めする形でブレーキランプが固定されています。
④.テールランプのステイにナンバープレートのステイが固定されています。
⑤.①と②はリアフェンダーを取り付けている棒に溶接されています。
⑥.また、この棒も当然フェンダーに溶接されています。
という事は、フェンダーを交換するには、①と②のステイを完全に再現しなくてはなりません。そんな技術は私にはありません。
つーことで、新品のリアフェンダーはお蔵入りにして、現在使っているものをメッキ仕上げにしてしまう方が数倍楽なのです。
そういう訳なので、ホームセンターに行き、塗装の剥離剤と竹製のヘラを買ってきました。ナーニ、あれだけ厚塗りしてあるんだから、きっとすぐに剥がせるでしょう。塗料だって見た感じ所々浮いてきてるんだから、溶剤をかけたらたちどころに…。
――ごめんなさい、ナメてました。
今回は30分くらいで決着がつくだろう、などと考えていた私が甘かったのです。この作業、二日に分けて行いました。その奮闘ぶりをご覧ください。
さて、完全にナメた気分でそろえた物品です。ホームセンターのペンキコーナーに置かれていた剥離剤に、内にあったハケ、そして竹製のヘラです。
剥離剤をカップにトロトローと出して…
全体に塗っていきます。
ふと思い立って、カッターで塗装面に無数の傷を入れて行きます。こうすることで、きっと剥離剤がスムーズに染み込んでいくはず。
もうこれで剥離出来たも同然、とのんびりした気分でコーヒーブレイク。剥離剤が染み込むのを待ちます。そして10分後。
もういいだろう、とヘラでこすりましたが、全ッッ然落ちません。
ならば、バイト先からもらってきた床面ポリッシャー用の3M製SPPパッドの真ん中(要するに捨てる部分ですね)でこすりまくれば…。
だ、駄目だッ!! 落ちる兆しが皆無です。
ならば最後の手段(最後が早いのね)。
気合を入れてハサミで削っていきます。これはかなり有効ですが、根気のいる作業です。っていうか、しっかりと丁寧に下地処理までされていました。前オーナー様、先ほどはナメた口を効いて申し訳ございません。
1時間後…。
どりゃー。何とかハサミだけでここまで落としましたが、エネルギーが尽きました。こんなことになるなんて予想だにしていなかっただけに、疲労感も数倍です。悲壮感も相当なものです。この日はここで時間切れ。
次の日、開店と同時にホームセンターに行き、軍備を整えました。
ディスクグラインダーのアタッチメントです。
そして…。
バイト先からもらってきた床面用のバフパッドの切れ端。いつか使おうと道具箱の底に眠らせていたものです。
数年前に何故か購入したディスクグラインダーにラバーパッドをセット。
そして、丁度いい大きさにバフパッドをカットし、中央に穴をあけます。同様にSPPパッドの方にも穴を。
見せてみよ、SPPの実力を!!
このパッドは結構固めで、床面のワックスを洗剤なしで落としてくれます。その効果はポリッシャーで実証済み。グラインダーを押し付けると、徐々にですが塗装を剥いでくれます。これは楽です。
ですが、音がかなりうるさい!! ディスクの回転するギュイィィィンという音に加えて、パッドが当たるとギャンギャンと非常に騒音が出ます。また、溶接されている棒に共鳴して、ビリビリとこれまた大きな音を立てます。
コレは苦情が来る!!
ご近所の方々に心の中で謝りつつ、適当なインターバルを空けて作業します。終始ビビりっぱなしです。
十数分後、SPPパッドは消失しました。
塗装も大方剥げました。あとは細かい部分をハサミで削っていきます。
そしてそのあとにバフ掛けです。正直ご近所の方々に申し訳ないので、この作業をするのは気が引けましたが、サンドペーパーでひたすらゴシゴシする方がもっと気が引けたので、心の中で謝りつつ、成大にバフ掛けしました。
バフパッド、消失!!
フェンダーもかなりきれいになりました。裏側の塗料は…もう勘弁してください!!
あーあ、お気に入りの革ジャンとキンツレーの年代物の腕時計が台無しです。教訓その一、電動工具を使った大掛かりなチキりの際は、粗末な格好でやるべし。
それでは感動のビュフォー・アフターです。
~ビュフォー~
フロントフェンダーはカッチョ良く決まったものの、リアと色合いが違ったため、ちぐはぐな感じでした。ことによるとスペアパーツを着けているように思われていたかもしれません。
~アフター~
何という事でしょう。フェンダーが同色で揃っただけで、車体全体の印象が締まったものになりました。
メッキパーツが増えたことで、高級感すら漂う上品な仕上がりです。また、特徴的な形状のタンクも目立つようになり、人々の目線を車体中央に誘導することに成功しました。だからと言ってどうという事はないけど。
まあ、なんにしてもこれでバランスがとれるようになりましたね。
次回、またフェンダー関係のチキりをします。で、次回でひとまずチャーリー号のドレスアップは完成…かな。