現在の自動車には暖房と冷房の機能があり、
まとめてエアコン(エアコンディショナー)と呼ばれています。
現在の主流である水冷式エンジンは、熱を帯びたエンジンを冷却するために
クーラント(冷却水)という水を使用します。
このクーラントがエンジンの内部を循環することでエンジンの熱を奪い冷却します。
暖房は、このエンジンから発生する熱を利用するため「タダ」なんです。
そしてこのクーラントはラジエターへ回りラジエター自身で放熱、また走行風をあてて
冷まし、またエンジン内部へと循環します。
暖房の仕組み
エンジンの熱によって温められたクーラントは、
ヒーターコアに貯められます。
この部分にファンで風を当てることで温風を発生させます。
このとき、クーラントは80℃以上で保持されます。
ヒーターコアをクーラントで完全に満たしてしまうと温風の温度が高くなり過ぎるので、
ウォーターバルブによって、ヒーターコアに入るクーラントの量を調節します。
適度な温度になったヒーターコアにブロアの風を当てることによって、
車内に温かい風を送り込むことができるようになります。
車を乗っている人なら経験があると思いますが、エンジンを始動させて間もない時は、
エアコンの吹き出し口から温かい風が出てこないことがあります。
この原因は、エンジンを始動させて間もない時は、まずエンジン本体の温度を上げるために、
クーラントをヒーターコアに循環させないようにしているからです。
e-POWERなどは上記の仕組みでなくヒートポンプ式電動暖房だそうです。
私のノートはただのNAですから前述の方式です。
ノートは昨年末から、走行中エンジン回転が高い状態では暖かい風が出るけど、
(他の車に比べるとそれでもかなりぬるい)
エンジン回転が下がるとまたぬるくなりたまに冷たい風が。
ディーラーで調査。
ヒータコアの熱を奪った風はテンプレチャー・バルブ
(冷たい風と暖かい風をミックスして、風の温度を調整しているフラップ)
で温度調整され、通風口から出て、暖かい風を出している。
①暖かい風が出ない→ブロワーの故障
ブロワーが故障していると、風自体が出てこないはず
→風の温度が低いだけで風自体は出ている→ブロワーの故障ではない
②ブロワーの故障でないとすると、テンプレチャー・バルブが故障
→もしバルブ故障でバルブが暖かい風を制限してしまっているとしたら、あり得る。
③テンプレチャー・バルブが正常だとしたら、ヒーターコアが熱くなっていない
のではないか
→ヒータコアへ流れる冷却水の温度不足、もしくは流量の不足
→冷却水の量は規定値まで入っているし運転中の冷却水温は80℃なので、
オーバークールなどによる水温不足ではなさそう。
(もし水温が低いのなら、サーモスタット不良の可能性がある)
④となると、冷却水の流量不足→
ヒーターコア、ヒーターバルブの詰まり、あるいはウォータポンプの吐出力不足
もしウォータポンプが故障しているとしたら、ラジエターへも冷却水が回りにくくなるので、
オーバーヒートなどの症状がでるはずですが、水温は安定してる。
→ウォータポンプが原因ではない
⑤ヒータコア、ヒータバルブが詰まっているとすると、エンジン回転を上げると
ウォータポンプの回転が上がるので、冷却水の流量が増えて暖かい風が一時的に出せる
→まさしくこの症状。
エンジンルームから、ウォータポンプ~ヒーターコアまでの水路を確認。
暖房をMAXにした状態でヒーターコア~ウォータポンプへ戻るアウトレットホースと、
インレットホースの温度差を手で触って調べてみるとインレットホースは
触っていられないほど熱いのに対して、アウトレットホースはぬるい。
冷却水の流量が制限されているため、車内のブロワーで熱を全部奪われて、インレットに対して
アウトレットホースの温度差が大きくなる。
ヒーターコアorヒーターバルブの詰まりの可能性が大。
テンプレチャー・バルブの故障の可能性もある。
①テンプレチャー・バルブの故障
②ヒーターコアの詰まり
③ヒーターバルブの詰まり
ということで、ヒターコアの交換となりました。
それには、ダッシュボードなど、運転席周りの内張を全部はがすそうで入院となりました。
ヒーターコアの部品代はそれほどではないですが工賃がかさみ7~10万円コース。
新車は5年保証部品と3年保証部品がありヒーターコアは3年保証部品ですが、新車購入時にグッドプラスに加入し3年保証部品すべてを5年に延長してあるので
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Posted at
2020/02/03 22:15:45