2017年06月18日
「田中角栄」という巨魁
明日は定例の通院の為、家で読書とCD、ラジオ三昧です。
やることが無いとCDなりNHK-FMをBGMに本に手が届いてしまう、ある意味「読書中毒」です(笑)
今日は昨年から今年にかけて関連図書が沢山発行された「田中角栄」元首相の本を読んでいます。
あるテレビを見ていたら「昭和を代表する人物」のアンケートをとったところ田中元首相が二位の確か長嶋茂雄さんをダブルスコアで圧倒し、ダントツの一位でした。
さて、田中元首相と言えばこれほど「毀誉褒貶」のある人物はいないのでは無いでしょうか。
日中国交正常化を成し遂げ「日本列島改造論」を論じ、国民の期待を背負いながら「ロッキード事件」で失脚、その後は「闇将軍」として君臨し続けた男。
田中という人物は物差しで測ることが出来ないほどスケールの大きい人物であったことは確かでしょう。
彼の演説や会話から引用すると。
彼曰く。
豪雪地の新潟で。
「三国峠をダイナマイトで吹き飛ばせば新潟に雪を降らせる雲は関東に行ってしまう。そして出た土で新潟と佐渡を地続きにすればいい」
大蔵大臣就任時、大蔵官僚を前に。
「私が田中角栄だ。高等小学校卒である。諸君は日本の秀才達の代表だ。しかし私は棘の多い門松をくぐってきているので仕事のコツは知っている。我こそと思うものは遠慮なく大臣室に来て欲しい。上司の許可はいらん。出来ることはやる。出来ないことはやらない。しかし全ての責任はこの田中が負う。以上!」
ロッキード事件の渦中。
「オヤジだけが悪者になるのは許せません。オヤジを悪くいっている連中の金の出処を掴みました。これをマスコミに投げましょう!」と血気盛んな若手代議士(たしかハマコーさんか小沢一郎さんだったと思います)に対し。
「馬鹿野郎!こんな物を表に出したら日本は滅茶苦茶になる、犠牲はオレ一人で十分だ!」
と叱った話。
彼の逸話の数は数え切れないほどあります。
彼は「人たらし」で兎に角その人間性は誰からも好かれ、政敵であった福田赳夫元首相や三木武夫元首相でさえ彼の人柄には惹かれていたといいますし、新潟の有権者、番記者、運転手、秘書、彼に接した人達全てがその人間性に惹かれたという事実。
それを「人たらし」という一言で片付けてしまうのは簡単ですが果たして「打算」が働いたものだったのか?
仮にこれを全て「打算・計算付く」でやっていたとしたら、(尊敬の意味で)彼は人間ではありません。
そして「打算」は必ず見破られるものですが、未だにその人柄が語られるほどですから、逸話の数々や対人間力は「全て彼の本心から出た行動」だったのだと思っています。
こうして見ると「鉄の軍団」とも言われた田中派=木曜クラブが圧倒的支配力をもち、鉄の結束を誇った事は至極当たり前のことだったのでしょう。
ロッキード事件が起き、その年の衆院選、やはり田中派議員への世間の風当たりは相当強かったようです。
大野伴睦さんの名言「選挙に落ちればただの人」の世界ですから田中から距離を置く人もいたようです。
しかしそれでも田中に魅入られ忠誠を誓った人物達。
例えば梶山静六。
田中の保釈の際、東京拘置所で万歳で出迎え、それがマスコミに叩かれ落選します。
しかし「私は恩ある人を出迎えただけだ。この事を誇りに思う」と。
渡部恒三。
自分が師と仰いだ人が逮捕されたからと言って自分が損するから離れていいものでありましょうか!」
小沢一郎。
「オヤジだけを固い椅子(法廷の椅子)に座らせておけない」といい、公判の全てを傍聴。
奇しくもこの三人、後に政界で中枢を占めていくことになります。
私は彼に接したことも当然ありませんし、当時の国民の熱狂ぶりも知りません。
しかし彼の人となりを「本」という媒体を介して読むだけでも魅入られてしまうのです。
これでは当然、接した人物達が田中の魅力に参ってしまうのは当然でしょう。
1つ、田中に関する思い出。
私の祖父と祖母は新潟に縁も所縁も無い人でしたが田中の熱狂的信者で「男孫が生まれたら角栄と名付ける」と公言していたそうです。
しかし、私が生まれる前に田中はロッキード事件で逮捕され、親父やお袋が「角栄なんて付けたらイジメられる」ということでオジャンになったという話を祖母の生前、聞いたことがあります。
また、小学校高学年か中学の授業では「田中角栄」は「悪の権化」のような存在と教えられた記憶があります。
(それが違うものと気付かされるのは大学生になったあたりからでした)
田中を一言で評するなら「毀誉褒貶」。
しかし人間的魅力はその人の為すこと、為してきたことが無ければつかないものです。
私は政治的にはノンポリです。
しかし一人の「人間」として田中に一歩でも近づくことが出来ればといつも思うようにしています。
最後に田中の「人生10か条」(田中角栄 心を打つ話より)
1.人間を愛する
2.義理を果たす
3.人情を大切にする
4.約束を守る
5.相手を思いやる
6.しっかりとメシを食べる
7.批判を恐れない
8.学歴より学問
9.大胆に決断する
10.努力が運を呼び込む
「巨魁 田中角栄」は歴史の一ページに燦然と輝き、その名を残すことでしょう。
田中関連の本、本当に沢山出版されています。
是非、一読頂ければ楽しめると思います。
今日はヒマのあまりブログを連投してしまいました(笑)
本日も他愛もないブログを拝読頂きありがとうございます。
※文中、一部敬称略いたしました。
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Posted at
2017/06/18 16:13:06
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