【純正8スピーカーをフラット傾向にするその4】調整作業【最終回】
| 目的 |
チューニング・カスタム |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
  中級 |
| 作業時間 |
3時間以内 |
1
前回までで設置は終わったので、調整により三つユニットをひとつとし、フラット傾向を目指しましょう
2
調整するにあたり気を付けるべきはやはり逆相
今回は3wayなので、2か所で発生の可能性がある
画像は設定上349hzでミッドとウーファーをカットし、クロスさせたグラフ(ツイーターは切ってある
赤は-12dB/oct スロープ
黄は -6dB/oct スロープ
ごらんのとおり、黄は逆相により550hz付近が凹んでいる
難しいのは、理屈の上では-12dB/octだと逆相になるはずなんだけどそうなっていない点と、349hzでカットしているのに凹むのが付近の550hzだということ
いろんな要因があって、机上の計算どおりにならない
逆相は発生するものなので、計測するしかない
自分みたいにそこそこの測定環境があれば見えるけど、仮にスマホしかないような状態だったら、youtubeとかで周波数毎のテストトーン拾ってきて、スマホの音量計測アプリを使って、クロス付近の周波数帯総当たりするしかないという恐怖
今使っているメインユニットMDV-M911HDLは、サブウーファー出力のみ位相反転機能がついているので-6dB/octのスロープ使いたい場合は位相反転すればいい
しかし、ミッドとツイータの出力にはその機能はないので、逆相になった場合、そのスロープの値をあきらめて他のスロープを使うことになる(または接続を反転
いろんな要因に左右され、私と同じ構成で同じパラメータにしたとしても、逆相になる時はなるので注意
3
ここからは、各ユニット毎の調整の話
なお、各ユニット毎の音量レベルは既に合わせてあるグラフを表示している
まず、ツイーターから
ハイパスカット 4khz -12dB/oct
ごらんのとおり、計測上は3khzカットになっている
この要因については、4つほど考えられる
①私の計測環境がヘボで正しく計測できていないor私の取付精度が悪い
②純正ツイーターユニットの特性による
③メインユニットの出力の精度が微妙
④環境要因、車内の反射等で4khz付近が偶然増強された
で、あきらかに①だと思われる
解析の章でも述べたが、この設定は、私の聴感上、ツイーターが不快に感じないギリギリのラインを責めた値なので、仮に①以外が正だとしたら、このツイーターは3khzまで使用可能となる
が、さすがにケンウッドのユニットの出力が正しくないとは考えずらいので、ツイーターの使用できる帯域は4khzまでだろうなぁ
ワンチャン、純正は面白スピーカーセットなので②の可能性はなくはない
いずれ、聴感上問題ないし、グラフもフラットなのでヨシ!😺👉
4
お次は、ミッド
ハイパスカット 349hz -12dB/oct
ローパスカット 1.6khz -12dB/oct
またもや設定とグラフがちょっと違う
ローパスカットの話から
ツイーターとだいぶ間が空いてしまうので、ツイーターにはもっと頑張って欲しかったけど、あっちは4khzが限界
ミッドは、指向性の関係でカットせずとも1.6khz以上の音をまともに飛ばせてないので、正直ローパスしなくともそこまで影響ないレベル(一般的な2wayやコアキシャルでも、ローエンドはウーファーのローパスしていない商品そこそこある
ハイパスカットの話
こちらも実はそこまで必要ではないと思われる
出せないような低い音はカットした方がいいとは言われているけど、私の聴感上違いが解るレベルではない
ウーファーの音の方が強いので被る帯域はどうせ聞こえない
5
最後に、ウーファー
ローパスカット 349hz -12dB/oct
おおむね想定どおりの計測結果
純正アンプにもフィルターがかかっているので実質2重フィルター
こいつをどこでカットするかはかなり好みが分かれるところだと思う
ガチ勢が組む3wayは、基本的にはこれにサブウーファーもプラスされるため、ウーファーの役割は約100~700hz間の中低域特化なのに対して、純正ウーファーは重低域の60hzもしっかり出力しており、サブウーファー寄りの性能をしている
そんなわけで、音楽はパワーだぜ! という方は500hz付近でクロスさせればいいし、明瞭でない音はちょっと・・・という方は200hz付近でクロスさせればいいかと
6
タイムアライアメントはこんな感じでした(個人差があるので、参考にはならない
7
車が静止しているのであれば、なにもブースト機能使わない状態できれいに聴けるのが正解
ブーストのがよく聞こえる場合は、なんかがうまくいっていない
8
というわけで、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
完成品がこちらとなります。
9
あるぇー?(・3・)イコライザーいじらないんですか、と思ったそこのあなた
ヤツは化け物?違う、ヤツは悪魔だ…!
あんなの、私ごとき素人が触るものじゃないですよ
これまで、多くの時間ヤツと戦ってきたが、私の結論はこうだ
触らぬ神に祟りなし
多少スピーカーの癖が出たとしても、それは味だと思ってスルーすべし
一仕事終わったのでここ以降はフリーダム雑談(関係ない話)に入りますよ
※逃げるなら今のうちだぞ☆
10
とりあえず、誰も真似することはないであろう中華アンプの話から
中華アンプには2つの大きな問題があったが、それは想定の範囲内だ
(*ロωロ)ゞクイッ✧
①音質が悪い
まー、当然だわな
アンプで音質変わるなんてオカルトだと思っている私でも、1000円未満のアンプがまともに鳴るわけがないことは分かっている
実際フロントのプリアウトからミッドを鳴らしてみたが酷いものだった
しかし、それは中高音域の話であって、低域は音質的にそれほど気にならない
とはいえ、1000円のアンプから出た低域とケンウッド最上位機種から出た低域を並べれば明らかに分かるレベル
逆に言えば、並べて示されなければ、まさか低音が1000円のアンプから出ているとは思うまい
②音量が低い
レビューで言われていたことで、スペック上は4Ω対応するが、使えるのは8Ωが限界だといわれていた
しかし、スピーカーに出力するのではなく、純正アンプに信号を送るだけである点と、もともと純正ウーファーは音が出すぎている点から想像して、メインユニットのゲイン調整でバランスが取れる範囲に収まるであろうと想定した
結果、画像のような音量設定で何とかバランスが取れた(プロモードEQの音量はデフォルトのまま)
※フロント=ミッド
※リア=ツイーター
※サブウーファー=ウーファー
というわけで、ここまで読んでいただいた方なら、少しでも低音の音質が上がるなら国内メーカー製のアンプ買うよ、という人が大半だと思うのでお勧めしないという話でした
夢グループさん辺りで、安くてコンパクトな2chアンプ出さないかなぁ(ねぇ社長
11
中華アンプネタをもうひとつ
ボリューム上げるとノイズを拾う対策として、アースポイントの見直しや、配線の強化(2Sqにした)、画像のノイズフィルターを装着したんだが・・・
ノイズフィルター入れたら、逆にノイズが増えた
なんでだよ!
まるで意味がわからんぞ!
12
フラット傾向よりかまぼこのが良いかもしれないという話
実は今回完成したチューニングではなく私が普段使っているのはグラフの黄のチューニング
13
設定は画像のとおり
ツイーターの音量をだいぶ落としてある
フラット傾向で作ったチューニングは、自分の聴感だと高音が出過ぎている様に聞こえたため、音量を落とした次第
14
【スーパー自画自賛タイム】
今回の試み、先駆者ニキ達のおかげで、配線が想定どおりにできた
音質も、楽器の分離感、ステレオ感共によく出せたと思う
ウーファーがすごいいい感じ
2Ωユニットを2機使って放たれる低音は、量感がありパワフル、圧倒的じゃないか
逆に重低音としてみればタイトな部類に感じられた
所有してないけど、役割的にはカロツェリアのTS-WX010Aに近いイメージかも
ちょっと離れすぎてしまったと思ったミッドとツイーターのクロスだが、聴感上も計測上も、音が凹むことなく出せていたので一安心
個人的には、これまでで最高の出来 金をかけるばかりがオーディオではない 経験が生きたな
YouTuberやオーディオショップに酷評されているユニットだが、本当にそんなに悪いユニットなのか?
案件が欲しかったり、スピーカーを売りつけたいだけではないのかと邪推してしまう
<●><●>
雑談以上、今後はユニット毎のパーツレビューとかやる予定
15
【2025/10/30追記】
いろいろやりながら調整し続け、やっと設定が安定したのでご報告
一番大きく変えたのは、ツイーターのカットオフ周波数
過去の記事では4khz -12dB/octとしていたが、スロープをきつくすれば、もう少し下まで出しても刺さらないことが分かった。
自分が使っているメインユニットのスロープは-12dB/octが限界だが、ハイパスを2重に適用することができる機能がある。
これを利用し、2.2khz -12dB/octのハイパスを2重適用することで、画面上の表示のとおりであれば、2.8khz -24dB/octのハイパスが適用できる。
16
上記のハイパスに併せて、ミッドのローパスもわずかだが変更した1.8khz -12dB/oct
17
結果として、クロスポイントは2.5khzで変わらないが、聴感上の繋がりが自然になり、中高域がより明瞭になった。
※スロープの角度を変えたことで、位相の面で良い結果に繋がったのかも
当初ツイーターが思ったより低い音が出せなかったので、社外品にすることを検討していたが、この設定により当分の間は純正のままでいいと考えを改めた。
18
ミッドとウーファーのクロスは349hzから変更していないが、なぜかある時逆相になってしまった。
幸い、サブウーファーのプリアウトを使用していたおかげで位相反転機能が使えたので、それで解決した。
ウーファーとミッド・ツイーターの音量差の調整について、当初はリスニングポジションの項目で設定していたが、それだとポジションごとに調整が必要だったので、画像のとおりクロスオーバー設定内にあるスピーカーレベルで調整した。
19
スピーカーレベルの調整だが、一つ勘違いしていたことがあって、画像のレベル調整でツイーターのレベルを下げた場合、ハイシェルビングフィルターがかかる仕組みになっていた。
ミッドとツイーターが1chで駆動している場合は役立つ機能だが、バイアンプの場合は触る必要がなかった(追記前の記事では普通に下げていた)。
20
以上が最終的な調整内容
画像のとおり、低域と高域で4dBほど差がある設定に落ち着いた。
私自身が低域を推したいというのもあるが、ミッドが600hz以降若干高域に向けて傾斜しており、この設定の方が自然、収まりが良く感じた。
[PR]Yahoo!ショッピング
タグ
関連コンテンツ( バイアンプ の関連コンテンツ )
関連整備ピックアップ
関連リンク