
ちょっと前の
ブログで、ドゥカティ・ムルティストラーダと入れ替えにスーパースポーツSを手放したこと、それにもかかわらずバイクが増えちゃったことを書いた。で、なんで増えちゃったの?という理由についてまだ書いてなかったので今日ここに告白することにする。
それはなぜならば、スズキGSX-R125が来たからなのです。
これまたちょいと前のブログで書いたとおり、春のモーターサイクルショーの頃からGSX-R125あるいはYZF-R125/150に目をつけてたんです。所有車の中のセパハン枠をいったんリセットし、小排気量スポーツに戻って一からスポーツバイクとの向き合い方を考えようかな、と思って。
だって、たまたま割引キャンペーンで安くなってたんだもん。
だって、お財布のひもが緩みっぱなしの心の隙に付け込まれちゃったんだもん。
だって、原付なら増車にまつわる精神的負荷が少ないと思ったんだもん。
そんなわけで、GSX-R125がやってきて、それもまたいろんな巡り合わせの都合で、ムルティストラーダが納車された週末のちょうど1週間前の納車となりました。
さて。
私のページのメインタイトルを見てもらえば分かるように、無駄遣い欲求との戦いがこのブログの大テーマである。
私のような買い物中毒者にとって、消費への扉を開くカギとなるのはいつだって「自分への言い訳」だ。
こいつら(我々の耳元で囁く悪魔のこと)ときたら、いつだってとんでもない言い訳を持ち出して無駄遣いを正当化しようとする。
ふつうの人(きちんとお金を貯めることのできる人)は、直近で何か別の大きな消費があったら、たとえば「今年は車を買い替えちゃったから、そのぶんしばらくは節約しなきゃね」と思って、財布の紐を締めるもんだ。
ところが買い物中毒者と来たら、直近で散財したのなら「あのときに使った50万円がアリだったんだから、こっちの50万円もアリということにしよう」という発想をして財布の紐を緩んだままにしまう。たとえふだんは慎ましく生活してたとしても、出費に対する感覚がときどきバグるのだ。
今年の正月、私は「今年はあんまりものを買わずに節約して過ごそう」と思ってた。間違いなくそう思ってた。だけど、タイミング的に仕方ないかなっていう通勤用の車(IS500)の入れ替えがあったり、やむない修繕費や海外渡航が複数回発生したりしてるうちに、「ああ、今年はきっと貯金を減らす運勢の年なんだ。そういう年なんだから仕方がないんだ」と開き直るようになってきた。
ついでに株価が好調ぎみなので、未実現利益があって気も大きくなってたのもある(←いやいや、利益確定させるまでは儲かってねえよ)。
そんなときに興味のある原付バイクが40万円以下で出てくる。これは困る。
だって、オプション付けようかさんざん迷ったIS用の鍛造ホイール(BBS製)が1セット60万円ですよ。それは必死にこらえて買わなかったけど。それに比べれば車体まるごと手に入って30万円台だなんて。
だって、欧州路線でビジネスクラスに乗ればエコノミーの価格にプラス40万くらい上乗せですよ。機内で十数時間眠るためだけに40万円よけいに払うことに比べれば、30万円台で買って手元にずっと残るだなんて。
こんなとき我々買い物中毒者は、エコノミーにしたらしたで「ビジネスに乗るのを我慢して40万円節約したんだから、そのぶんこっちで40万円使っても怒られないよね」という発想をする(←いやお金が増えたわけじゃねぇだろ)。そして、ビジネスにしたらしたで今度は「アップグレードに40万円使えたんだから、こっちでも40万円使っていいよね」と考える。
これを、「財布の穴現象」と名付けたい。財布の底に40万円が通過できる大きさの穴が一度空いてしまうと、同じ大きさの出費はその穴からダダ漏れしてしまうのだ。ビジネスクラスの40万円がOKなのにバイクの40万円がNGでは、一貫性が損なわれて認知的不協和が発生するからだ。
と、そんな言い訳を頭の中で繰り広げていたのですが、いくら原付だからってそんなかんたんにGoを出さないくらいには私にも自制心がある。さすがの私でも数十万円の耐久消費財には即決レベルの衝動買いはしないのだ。
いちおう現車(新車在庫車)を見に行って、跨ってみて、見積もりも取った。
そろそろムルティが入荷しそうなのに今買ったら買いすぎだよなー。もしこれが来たら4台になっちゃうよなー。でも人気車種で絶版が近そうだから売却価格も悪くなさそうだし、実際にはそこまで悩むほどの出費にはならないかもなー。
なんて思いながら1週間悩み、もう一度現車を見て考えてみようと店を訪れた日、目当てだった個体はもう売れてしまっていた。
私が買う予定だった子に、知らない人の名前の入った「納車準備中。お手を触れないでください」という紙が寂しく貼られていた。いや寂しいのは私のほうで、買ったほうの人は絶賛ワクワク中なんだろうけど。
そして、系列店舗にまだ何台か残っていたほかの在庫車の価格も、期間限定キャンペーンが終わって定価水準に戻っていた。もう今買うと10万円くらい高く払うことになる。40万円未満ならセーフでも、50万円近くになると気が引けた。
ああ残念、縁がなかったのね。まあいいか、ムルティももうすぐ来ることだし、別に急がなくても。
と、そこで話が終わっていればバイクが増えちゃうことはなかったんだけどさ。
家に帰って、がっかりしたようなほっとしたような気持ちが入り混じりながら寝転がってぼーっとしてたら、ふと頭に浮かんだ。
そういえば、見積書にはふつう有効期限があるよなあ、と。
あわてて飛び起きて最初にもらった見積書を引っ張り出してみたら、バッチリ書いてありますよ。◯月◯日まで有効、って。
そこでもう1回バイク店に問い合わせてみたら、「はい、最初に提示した値段で大丈夫ですよ」って言うじゃないですか。
「やっぱり縁があったのね!」
多くの皆さんもご経験あると思いますが、こういうときに「縁」とか「運命的出会い」といった言葉を使ってしまうのは、たいていは判断力停止してる危険な兆候で、もう無駄遣いへの誘惑に抗うことはできない。
そんなわけで「そういうことなら、うちにお迎えしてあげなきゃ!」と、保護猫引き取るみたいなノリになって、ジスペケさんがうちにやってくる顛末となりました。
考えてみたらスーパースポーツSを売却した金額のうち、(赤字にはならないまでも)半分以上がこっちに流れたことになるので、そのまま持ち続けてればよかったじゃん!という意見もあるかもしれない。
でも、私はこいつを所有することで自分のバイク観がどう変化するのか、興味深いのだ。
久しぶりの原付2種。久しぶりの国産車。そしてはじめてのスズ菌。
こいつとの付き合いは1年未満で終わってしまうかもしれないし、何年も続くかもしれない。どっちにしても、自分がスポーツバイクと今後どんな付き合い方をしていきたいのか、半年後には少し視野が広がっている気がする。
問題なのは・・・
気づいたら、持ってるバイク4台中3台が赤×黒になっちゃったよ!
以上、今日の告白終わり。(懺悔室を出る)