
トライアンフ・ボンネビル・スピードマスターというクルーザー(アメリカン)バイクを売却しちゃった。
バイクに乗ってなかった17年間を挟んで正味5年ほど、スポーツバイクと並行してクルーザー系を持ち続けたけど、そんな日々も一旦おしまい。
所有期間はオーバーラップしているものの、旅バイクのポジションをドゥカティ・ムルティストラーダに譲ったかたちになる。
今回の売却も、だいぶ迷った。トライアンフのモダンクラシックシリーズに搭載されている2気筒エンジン(ボンネビルエンジン)は、現代のバイクの中で唯一無二の味わいがあって、その中でもスピードマスターのチューニングはシリーズ中でも屈指の心地よさがある。その牧歌的な佇まいとコンパクトで乗りやすい乗車感覚と相まって、なかなかこのレベルの幸せ感をくれるバイクはほかにない。
とはいえ、ニダボも来てこのままだと4台体制になっちゃうから整理しなきゃという局面が来て、いろいろ迷って、スピードマスターは充分堪能したからもういいかな、と思ったんだ。
満足してないわけじゃない。自分の中での評価が下がったわけでもない。じゃあなんで売ったのか、というとですね。
中年としてリターンしてからのバイク生活4年間で(つまり、ものに対する分別や自分自身に対するメタ認知力が若い頃よりある今の目線でバイクを見て)、自分がバイクに何を求め、何が譲れないかの価値基準や優先順位が見えてきたんですよ。
その価値基準については長くなるのでまた次回にでも書こうと思うけど、とにかくクルーザー系は自分の中でとりあえずの「ケリがついた」感触がある。私が今と同じ健康状態であり続け、今と同じ日本の地形の中で住み続ける限り、おそらくもう所有することはあるまい(あ、タイトル詐欺だった)。
とはいえ、スピードマスターみたいな「ダウナー系」、つまりあくせくとカッ飛ぶのではなくのんびりゆっくり流すのが心地よいバイクを1台手元に置いておきたいという、そんな気持ちが失せたわけでもない(せっかく減車できたそばから一体何言ってんだと怒られそうだけど)。
スピードマスターを手放すとき、ああ、ボンネビルシリーズにはまたいずれ乗りたいなあ、と思いながらサヨナラした。T100/T120やスクランブラーは、スピードマスターを買ったときに同時に検討したバイクで、本質的にはどれも似た魅力を持っている。
でも今あらためて考えれば、一度所有したバイクと同系列のものに再び乗るよりも、まだ乗ったことないバイクを体験してみたいという好奇心のほうが強い。
たとえば、みんなが褒めるモトグッツィV7とかね。あとは、BMWのR-nineTも嫌いじゃない。ショールームで一度跨っただけだけど、あのバイクの金属質な質感はそれだけで心惹かれるものがある(どちらもリターンするときに候補に入れていたバイクだ)。
まあ要するに、味わい系バイク。単に味わい系ってだけじゃなくて、「今日はどこ行こう」と思い立ったときに自然と跨ってしまう第一候補バイク。メインというか相棒的な立ち位置ですね。
実際のところ、スピードマスターのようなクルーザー系だと走れる道とかシチュエーションが限られちゃうから、どうしてもメインは張り辛かったんですよ。
そうすると必然的にネオクラ系ネイキッドが候補に上がってくるんだけど、別にネオクラじゃなきゃいけないわけでもない。気持ちよくてまったりしてて見た目がよいことが大事。
でもね、そうやっていろいろ候補を考えているうち ーー とはいえトラとグッツィとBMWとハーレーを除けば、あとはロイヤルエンフィールドくらいしか思いつかないけど ーー 面倒くさくなってきちゃった。今乗ってるので充分じゃね?って。
私にとって、これは成長なのだろうか。成長したってことでいいよね。
これまで、「かっ飛び枠」「まったり枠」とか「セパハン枠」「クルーザー枠」のような「枠」を作って所有ラインナップを考えてきた。枠をマネジメントしてきた、と言ってもいい。用途別、走る道別に、キャラの違うバイクでベスト布陣を組む、みたいな。
でも、とりあえず一巡、二巡して(つまり、リターン後の3〜4台体制の全バイクがすべて1回か2回入れ替わって)みると、なんだかもう、つべこべ言わずに乗ってみて気に入ったバイクだけ手元に残してけばいいんじゃないか、という境地に至ることができた、ような気がする。
だいたいにおいてですよ。
これまで手に入れ、売却してきたバイクは、自分のニーズと合わない部分があって手放した子もいれば、逆に100%満足したが故に手放した子もいる。どちらのケースにおいても、手放したあとで「ああ、売らなきゃよかった」と後悔したことは実は皆無なんだ(例外は、リターン前に乗っていたアプリリアの2ストRS250とドゥカティ400F3かな)。同時に「買わなきゃよかった」と後悔したこともない。
つまり、どれも経験として楽しめたということだ。生きてるうちに、乗れるうちにいろんな車種を体験しておきたい、という気持ちでこの4年間バイク趣味を続けてきた。でも、そろそろ腰を落ち着けてもいい時期なのかもしれない(恋多き青春を過ごした人が結婚するみたいな話だな)。
ちなみにリターン後の所有バイクの変遷は以下のとおり。
(セパハン枠)
ドゥカティ・スーパースポーツS
→スズキ・GSX-R125
→ホンダ・CBR250RR(現有)
(旅バイク枠)
ハーレー・ファットボブ
→トライアンフ・スピードマスター
→ドゥカティ・ムルティストラーダ(現有)
(トレッキング枠)
ドゥカティ・スクランブラー(現有)
(見た目枠)
MVアグスタ・スーパーヴェローチェ800
→(しばらく欠番)
→ドゥカティ・フォーミュラ73(予定)
と、ここまで4年。もう品揃えとかキャラの棲み分けとか台数リミットのことは考えず、気に入ったのに乗り続けてもいいステージにようやくたどり着けたかな、と思うようになりましたとさ。
Posted at 2026/06/20 15:45:39 | |
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