
前回のブログで書いたように、125ccのセパハンバイクが気になっている。
しかも、4月に書いた『
モーターサイクルショー行ったらいろいろ勉強になったよ』を読み直したら、そこでもしっかり「国産小型スポーツが欲しい」と既に書いてあった。
ということはあれだ。もうすっかり欲しがりモードだ(汗
ということで、YZF-R125を半日レンタルすることにしました。
今回の試乗でどうしても確認しておきたいことは3つあって、
1. おいらの身体は、SSの乗車姿勢にまだ耐えられるの?
2. 125cc・15psのパワーは、箱根で遊ぶのに足りるの?
3. 高くていい足回りを使っている大型バイクに比べて、安い原付2種は本当に安全・安心なのか?
という点。
さっそく出発です。
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走り始めて最初に感じたのは「加速しないなあ」と「けっこうアグレッシブなバックステップだなあ」ということ。
トルクは街中走るのに充分なだけあるけど、まあそりゃ大型バイクと比べれば、スロットル一捻りでストレスなく加速していったりはしない。まあでも、「こういうもんだ。これはこういう乗り物なんだ」と気持ちを切り替えりゃいいんだ。切り替えてしまえば、10分も走ってるうちに慣れた。加速がバイクの命だなんて誰が言った?
バックステップは、マイルド系SSである私のドゥカティスーパースポーツSとは明確に違う。久々のアグレッシブさに、ちょっとワクワクする。ボディサイズにゆとりがあるので窮屈感はない。
各種レビューでさんざん言われていて心配だった前傾については、「ああ、これくらいならなんとかなるよ」というレベルだった。そこまで本格的レーサー仕様ではない。実を言えば、MVアグスタがちょっと前傾きつくて降りてから、セパハンバイクでの上手な街乗り方法を少し調べたのだ。
つまり、
「戦闘態勢じゃないときは、ハンドルに体重をかけてもいい(四六時中背筋で支えている必要はない)」
というのと
「教習所乗り(背中を逆に反らして胸を張る)すると首が楽」
という2点。
後者については、どこかのユーチューバーが「女子乗り」とか呼んでたな。女子は股間の構造が男子と違うので、背を反らせて腰の前部をタンクに押し付けても痛くならないのだそうだ。
うん、ぼく、まだまだ乗れるよセパハン、行けるよSS!(※短時間限定)
そんなわけで確認点その1「乗車姿勢」はクリアです。
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さて、お店から渋滞気味の街中を30分ほど走ると、三島塚原の国道1号線上り口にたどり着く。
いつも箱根へのアクセスに使っている伊豆縦貫道は自動車専用道路なので使えないのだ。まあ、時間的には大した違いではない。
国道1号線を上っていくが、道中スロットルほとんど全開だよ。初代スーパーマリオカートでいうところのノコノコだ。いくらパワーないほうが操る楽しみがあるといっても、ずっと開けっ放しじゃスピードコントロール面で操る要素がなくなっちゃう。
ここの道、上り2車線で一部カーブには中央分離帯バリアーもあり、中速コーナーが多いので、大型だと調子に乗って速度超過しすぎないよう気をつけなければいけないところだが、このバイクだとさすがにアンダーパワー&オーバーヒラヒラな感じ。ロングなコーナーではピタッと旋回姿勢が安定する感じは大型より薄い気が。ここらのコーナーならもう少しどっしりしてたほうが安心感がある。
このへんのトルク不足感からすると……YZFを買うならR15のほうがいいかな、という気がした。あとちょっとだけパンチ力があれば、必要充分になりそう。
そうして椿ラインを通って大観山を目指す。
その椿ラインもね、直接は行けないんですよ。
いつもは箱根新道経由で入るんだけど、あれも自動車専用道路なので、いったん道の駅・箱根峠の横を通って芦ノ湖畔に降りてから、駅伝ミュージアムの交差点から椿ラインに入り直さなければならない。
さらに箱根・芦ノ湖スカイラインも伊豆スカイラインも自動車専用道路だから、箱根で遊ぶには原付2種だと走れる道が限られてしまう。それらの道は制限速度も高めなので、125ccスポーツだとちょうどよさげなんですけどね。
これ、サブバイクとして原付2種を選ぶときには以外な盲点で、「このバイク、ロングツーリングには使わないつもりだから高速乗らないよ」と思っていても、変なところにさりげなく自動車専用道路があったりするんだ。ふだん気にも止めてないので漠然と「自動車専用道路=料金所のある道路」みたいにイメージしていたら、そういうわけでもなかった。事前に調べておいてよかった。
そういった意味でも、155ccのYZF-R15という選択肢が魅力的に見えてくる。
いやでも、制約があり行けない道があるからこそ、「大型で来るときとはあえて違う道を楽しもう」という考え方もあるぞ。
確認点その2「125ccでの過不足」は……とりあえず判断保留。ここで「もっとパワーを」とか言い出すと、じゃあ250ccにしよう、いやどうせなら400ccにしよう、となって、けっきょくは元の木阿弥なのだ。ダウンサイジングには「足るを知る」が肝要です。
それにしてもこのバイク……カッコいいよね。
私、たまたま下調べして来たからこれが125ccだと知っているけど、いきなり見かけたら中型SSと言われても信じたかも。
見た目にしても操作感覚にしても、とにかくちゃちいところ、安っぽいところがほとんどないんだ。
ここがライバルであるスズキGSX-R125との大きな違いで、あちらはボディサイズやフロントフォークの細さに「小型感」が溢れている。あれにはあれで割り切りの美学がある。
私の求めるものにあっているのはどっちか?正直まだ迷っている。
これが免許とって初めて買うバイクだったら、あるいは学生時代にバイトしたお金で買うバイクだったら、YZFの「本物感」は貴重な価値だ。「原付2種なのに大型バイクのような存在感」というのにはたまらない訴求力がある。
だけど、大型からダウンサイジングしてここにたどり着くのなら、その大きさゴージャスさは何か大型バイクへの未練のようにも思えなくもない。「だったらそのまま大型乗ってりゃよくない?」と。
せっかくダウンサイジングするんなら、あからさまに軽量小型なバイクに乗りたい、という気持ちがどこかにある。
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まだ1時間半くらい走り回る時間があるので、椿ラインをそのまま伊東方面に向かってみる。
重ね重ね言いますが、このタンクの造形カッコいいよね。
途中の椿台(しとどの窟)で折り返す。このあたりの道は、軽さがいちばん活きる場所。全開くれてもスピードは大して出ないし、バンクはさせやすいし、自らの重さを感じずヒラヒラ走れるので、本当楽しい。
足回りに不安なところは全然ない。タイヤのグリップを信用して操るんだけど、かといってタイヤのグリップを信頼しきってすべてを預けるわけでもない、ってのが、大型スポーツに乗った感覚との違いかもしれない。しかしこれバイアスタイヤなのね。そんなスペックなんて気にしたって意味がないってことがよく分かる。
ブレーキはよく効く。効かないって意見をレビューで見たけど、下りでも特に不安はないし、公道で常識的速度で走るのならこれで充分なんじゃないですかね。レバーの位置調節機構は付いていないけど、握り応えはしっかりしていて握りやすい。そもそも上りじゃ強力なブレーキングが必要なほどスピード出ないし。
クラッチはワイヤーが外れてるんじゃないかってくらいに軽いし、使う必要もそんなにない。クイックシフター(アップのみ)は、アクセル開度にもよるけどややギクシャクする印象。回転がピタっと合ったときの「熱したナイフをバターにいれる」と形容されるようなスムーズさがもうちょっと欲しい。
一方のダウンは、クラッチを切らなくてもアクセル操作だけで思う通りシフトダウンできる。これはアシスト&スリッパークラッチも効いているんだろうな。
これだったら、クイックシフターはとりあえず最初は無しで注文してもいいかもしれない。
と、そんなわけで確認点その3「足回りのしっかり感」は、充分合格。
半日走ってみて、この控えめパワーはこれはこれで癖になる。なんだか久しぶりに自然吸気エンジンと対話したような感じ。どんな場面でもバイクが「なんとかしてやりまっせ」とサポートしてくれるんではなくて、バイクに対して絶対的に生殺与奪権を預けてしまうのではなくて、バイクもライダーも非力だからこそ「お互いがんばって支え合っていきましょうや」みたいな。そんな感じ。
※写真は道の駅・箱根峠ですが、後ろにいる2台はたまたまそこにいた見知らぬ方々です。こうやって大型(らしきもの)といっしょに写っても遜色ないよね。
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さてさて、こうなるとGSX-R125のほうも乗ってみたいぞ。どっちかというとそっちが本命だし。
ところが、近場でレンタルできるところがない。都内にはあるようだが、山道走れないんじゃ意味がない。だいたいこの初夏の陽気のなかをあんなちっこくて前傾のバイクで都心の渋滞の中を走るなんて、冗談じゃないスよ。
そして試乗車もない。あっても、ディーラーの中身はみんな独立した町の個人バイク店というイメージがあるので、試乗だけしといてそこで買わないというのはなんだか悪くてできない性分の私。
なんだかもう見切りでえいやっと買っちゃっても後悔しないような気がしだしているのですが、さてどうなりますことやら。
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バイクの感想 | 日記
Posted at
2025/06/06 17:04:43
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