ブログ名に「ラッシングパワー」と名前をいただいている理由を、ラッシャー木村追悼の言葉として書き記す。学生時代、中島体育センターに全日本を見に行ってた時、ラッシャーが、いつものように悪役商会の一員として6人タッグに出ていた。無論全盛時をとうに過ぎ、動きもままならない状態ではあった。試合中盤、ラッシャーの動きに笑いが起こった。一種の失笑。それがどんな動きに対してだったか、相手が誰だったかは忘れたが、ラッシャーは「笑われた」ことに対し、場内への無言の抵抗を静かに開始した。コーナーに追い詰めた相手に、立ったままゆっくりとヘッドバットを叩きこみ始めたのだ。ゆっくりと、何度も、何度も・・・。数々の戦いの歴史を体現してきたプロレスラーとして、今の姿しか知らないであろう若い客に対して、説き聞かせるように、ひたすらひたすら頭突きを放って行く。自分も出血して血まみれになりながら、その数が20回を超えただろうか―。失笑からどよめき、そしてシーンと静まりかえった場内に、ラッシャーのごつっごつっという頭突きの音だけが響く。試合後のマイクではほぼ鉄板で場内を爆笑の渦に巻き込むラッシャー。しかし、あのとき見せた鬼気迫る顔と、悲しい目と、乾いた音は忘れられない。ブログ名を急に決めることになった時、この時のことをなぜか思い出し、その通称を拝借した。合掌