
今回は車とは関係のない記事になります。しかし、電卓を修理するにあたって行った一連の工程が、車の修理の何かに役に立つかな、と思い記事にしてみました。
本体名:CASIO ELECTRONIC CALCULATOR FD-20
コンセントに刺して使うタイプの完全オフィス用電卓です。

こちらはオークションで落札したときの様子です。
状態は……
・キーボード、および本体の重度な黄ばみ
・スイッチ不良で電源入らず
落札時の写真だと、しっかり電源が入ってVFD管に0の表示があるように見えますが、実際到着したときには電源スイッチが壊れていて、ONやOFFができない状態でした。

これが元々付いていたロッカースイッチです。
同じスイッチを探していたら、ebayでそれらしいものが見つかりましたが、値段や配送までの時間を考慮して断念しました。
一応リンクを貼っておきます。おそらくこれです。
https://www.ebay.com/itm/134741124367
替えのスイッチについては後ほど

とりあえず全て分解しました。現役で使われてる期間が長かったのか、それとも最近まで放置されていたのか分かりませんが、中は虫の死骸と大量のほこり、そして消しゴムのカスなのかセンダングサの種なのか、そういった黒くて細長い変なものが大量に詰まっていました。
そして……とってもヤニくさい!!!!
おそらく、タバコの煙がすごいどこかの会社のオフィスで使われていたことが想像できます。本当に昭和を生き抜いてきた機械なんだということを思い知らされました。

本体の黄ばみをどうにかできないか、と考えたときに、一番に思い浮かんだのは白色に本体を塗ることでした。しかし、この本体はロゴやマークがそのまま本体に印字されてしまっているため、そのまま塗ってしまうと印字が消えます。この部分を再現できないかと、色々探しましたが、小さな文字をステッカーのように切れる機械や、塗装などで再現する方法などを見つけることができませんでした。
そこで、ダメ元で「レトロブライト」と呼ばれる手法で黄ばみをとってみることにしました。
どうやら過酸化水素水に対象物を沈め、そこに紫外線を当てることで黄ばみを取ってしまおうという手法だそうです。
とりあえず用意したのは……
・衣装ケース
・60Wブラックライト
・ブラックライト固定用ステー(自作)
・ワイドハイターEX(たくさん)
よく晴れた日や真夏などの、太陽の光が強い5〜8月までは、外でやった方が効果を発揮するといいます。おそらく太陽光が出す紫外線は、60Wどころではないでしょうからね。
しかし生憎なことに、これを試したのは2026年9月、日本中絶えず雨が降り続いている時期でしたので、今回はブラックライトを使ってレトロブライトをやっています。

こんな感じで、24時間、およそ2週間ずっと紫外線を照射し続けました。途中水分追加したりして、いよいよワイドハイター液がものすごく白く濁ってしまったので、これを取り外しました。

他の本体と比較です。右上はめちゃくちゃ状態の良い、何も手を加えていない本体、そして左上と右下は、アサヒペンの艶ありアイボリーで塗った本体です。
このように比べてしまうと、正直まだ黄ばみが目立ちます。しかし、元の色を考えるとかなり黄ばみはなくなったのかなと感じています。
うちへ来たときの本体の色は、まるで段ボールのような色でした。今回レトロブライトした事で、段ボール色から暖色電球のような色に軽減されました。
同時にキーボードもレトロブライトしていましたが、正直こちらの方が黄ばみが消えた感じがします。

上の写真がレトロブライト実施前、そして下がレトロブライト実施後に、キーキャップを艶消しクリアでコーティングしたものになります。
黄ばみが完全に消えて、新品同様に生まれ変わりました。
しかし、CキーやMRCキーを見てもらうと分かるように、赤色が少々白く変色してしまっています。
コンパウンドで少し磨いて、クリアを多少厚めに塗ったことで、少し色味は改善されました。

これは塗る前のキーキャップです。完全に色が抜けて白ボケてるのが分かるかと思います。
赤色のものをレトロブライトするときは、加減をしっかり見ておかないといけないという事がよく分かりました。

組み上げる前に大事なことを忘れていました。スイッチ問題です。
元々のロッカースイッチがもう使えなくなってしまっていたので、代わりのものを探す必要がありました。
そのとき考えていたのは、本体を加工しないこと、いざという時に完全に元に戻せる事です。
これらを念頭に置いてスイッチ探しを行いました。
できれば元のスイッチと同等のものが良かったのですが、手に入れるのは現実的ではなかったので、古い機械に使用していてもおかしくなさそうなデザインで尚且つこの本体のスイッチ穴に適した大きさのものを買いました。
寸法を測って一番近い大きさだったのがこちらです。
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/13849503/
他にもこんなものを見つけましたが……
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/15755441/
形はこれに一番近いですがあてがってみると縦幅が小さく、これの使用は見送りました。
そして画面に写っているような、どこでもよく見るタイプのロッカースイッチを購入しました。
そのままでは固定できないので、プラリペアを使って、純正の固定穴に取り付けられるような形状をした固定ステーのようなものを作ってみました。
これで準備完了です。あとは元に戻すだけ

演算処理の仕方などを変更するためのスイッチの接点が、長年の使用で汚れていたので、車のヘッドライト磨きを綿棒につけて擦って、洗浄しました。左二つは綺麗にした方です。

元々ついていた、スイッチまで伸びていたリード線を根本から外し、エーモンの0.75sqの赤黒リード線をハンダづけし直し、新しいスイッチを作ったステーと共に本体に固定しました。
本体は何も改造してないので、いつでも元の形状に戻せます。

昔の電卓らしく、キーボード下の接点は基板でできています。接点の部分を接点復活スプレーと綿棒で塗りたくり、演算処理の設定を変えるところの接点部分に、三菱のミラースイッチの時に使ったのと同じタイプの導通グリスを塗布して、接点の保護をしました。元々ついてなかったのを考えると、必要ないのかもしれませんが一応。

スイッチの収まりはこんな感じです。多少隙間はありますが、自然と収まっています。元からこうだったと言われても違和感ありません。また自作ステーがなくとも、勝手に本体の溝とスイッチが重なり合って、固定されてしまいました。

完成しました。キーを押す感触が、キーボードと全く同じで使いやすいです。またVFD管の緑色の光が、古さを演出していてとても素晴らしいです。

今回は衝動で、古い電卓をこんなに買ってしまいました。(画面外にもう一つあるが、そちらは売却済み)
小さい方の電卓は職場に持って行って使おうかななんて考えていますが、ほかの3つどうしましょう。
ヤフオクにもう一度流しちゃうのもどうかと思うし、でも置き場がなあ……
どこかの自治体の博物館などで、昭和レトロを集めているところがあるようでしたら、寄付したいですね。
今回行った事が車関係のリペアに役に立てばいいなと思っています。