2022年03月12日
大人のスポーツカーをつくろう(6)
「吸排気はどうします?」
と聞かれたので、もっと吹けるようにしたいと答えた。
アクセルに対するエンジンのレスポンスが良くないように思うこと、別の個体に乗った時にはもっと軽快に回った印象があるので、調整でなんとかならないかと聞いてみると、「おそらくはATの変速制御の問題でしょう。前のオーナーがあまり踏まなかったのかもしれません。コンピューターのリセットをしてみてどうかですね。N43エンジンはよく回るはすです」
とのことなので、リセットをお願いした。
また、「エンジンのレスポンスを上げたいのなら、エアクリ、マフラーの交換もおすすめですが、なによりおススメしているのがプラズマダイレクトとプラズマグラウンドのセットです。」とのこと。
それはどのような製品なのかを聞くと、
プラズマダイレクトはイグニッションコイルで、通常のコイルは1回の火花を発生させるだけだが、プラズマダイレクトは3連続で火花を発生させるマルチスパークなのだと言う。
これにより点火エネルギーをはるかに高めることができる。
またプラズマグラウンドはプラズマダイレクトとの相乗効果を狙った製品で、電流の強化をすることで点火エネルギーを高めることが可能どのこと。
アーシングなどの電流関係は結構オカルト的なものもあり果たしてどこまで効果が見込めるのか不明瞭なところがある。
さらには金額を聞くと、プラズマダイレクトが10万円、プラズマグラウンドが4万円と思った以上に高額で、即答はせずにとりあえず今後のプランとして考慮しておくにとどまった。
エンジンチューニングの基本はいい吸気、いい燃焼、いい排気だと考えているので、点火系のチューニングはこのいい燃焼にあたる。
どうせならエアクリ、マフラーも変えつつ導入を考えたいが予算的に果たしてどうなのか。
そこでエアクリ、マフラー交換に是非について聞いてみた。
というのも、280馬力規制を吸排気で抑え込んでいた国産車と違い、輸入車は純正品の状態でかなり高効率なものがすでに導入されている。
国産車のようにマフラー交換で○十馬力アップなんてことにはならないだろう。
さらにはコンピューター制御が進んでおり、パーツを交換したところで、コンピューターが補正をしてしまい、狙ったような性能の向上は見込めないのではないかと考えていた。
「おっしゃる通り、ターボ車ではないので、エアクリを変えたから、マフラーを変えたからで何十馬力上がりますなんてことはありません。ただ、NA車の場合、そういう一つ一つの積み重ねが効いてきます。」
「実際に大きなパワーアップをしたいというのであれば、ターボ化や排気量アップという手段が必要になりますが、今回はフィーリングを良くしたいということですよね。ならばエアクリ、マフラーの交換は効果大だと思います。」
と言って店内にいた常連と思われるお客さんに声をかけ、エアクリの吸気音を聞かせてもらうことになった。
お客さんの車(E92M3)のボンネットを開けながら、「我々がおすすめしている吸気システムはこのラムエアーシステムです。空気の取り込み口までダクトを伸ばして、フレッシュな空気を吸い込めるようになっています。」と実物を見ながら説明してくれた。
オーナーに空ぶかしをしてもらうと、キュオオオオオオーと勇ましい吸気音が。
「すごい吸うでしょう。ターボとまでは言いませんが、より多くの空気をエンジンに取り込むことができます。」
音と実際の吸気量が必ずしも比例しているかはわからないが、少なくともこの吸気音はやる気にさせてくれる。
オーナーの方も、プラズマダイレクト、プラズマグラウンド、ラムエアーは絶対入れた方がいいと太鼓判を押してくれた。
エンジンのツキと高回転の伸びが目に見えて違うとのこと。
マフラーに関しては好みの音質があるからどれとは言えないが、これも変えた方が絶対に気持ちがいいとのこと。
オーナーに今付けているマフラーについて聞くと、スーパースプリントというイタリア製のマフラーで、ちょっとうるさいが音は最高なのだと言う。
空ぶかししてもらった時に聞いたが、はたしてちょっとなのだろうかというくらい勇ましかった。
まあ、M3だしね。
オーナーの話を聞いているうちにこのセットを多少高くても導入してみようかと気持ちになってきた。
ちなみにマフラーのおすすめはこのスーパースプリントかと聞くと、「スーパースプリントは確かにおススメですが、音量は相当あります。話を聞いている限りだとあまりうるさくない方がコンセプトに合っているのではないかと思いますが?」と聞かれ、確かに純正でもいいのだけど、ちょっと物足りないから純正プラスアルファくらいのがあればと尋ねると、「performanceのマフラーがおすすめです。純正オプションのスポーツマフラーで音質、品質ともにおすすめできますよ」とのこと。
マフラーの音に関しては実はあまりこだわりはなかったのだが、以前無限のスポーツマフラーを使用して、非常に気に入っていた。
純正オプションならば信頼性も高く、またBMW自身が考えるBMWのスポーツマフラーの音を期待できそうだったので、おすすめに従うことにした。
後々知ったのだが、perfomanceマフラーはスーパースプリントの半額ほどのお値段で、コストパフォーマンスも優れていた。
そんなこんなの話をしていると、点検が修了し、その結果について確認をすることになった。
結果的には全て問題なしのグッドコンディションだとわかった。
まあ、4年落ち程度で3万キロしか走行していない車である。
交換部品なども特になく、今すぐ手を入れなければならない部分はないようだ。
とりあえず中古車のリフレッシュとしてエンジンクリーニングとRECSの施行、エンジンオイル、ATFの交換をしてもらい、同時にCPMとリジカラの取り付けもしてもらった。
今後についてはまず足回り、そして吸排気系に手を付けていくことで話はまとまった。
初めての訪店であったが、店長みずから付きっ切りで対応、説明をしてくれて濃密な時間となった。
お見送りをされてお店からでると、いきなり別の車になっていて驚いた。
まずエンジンの軽快さがまるで違う。
これがコンピューターのリセットの威力か、はたまたエンジンクリーニングが効いたのか、オイル交換が効いたのか、レスポンスが格段にいい。
ついついうれしくなってアクセルを踏み込んでしまう。
そしてCPMとリジカラ。
車の乗り味がカッチリとしている。
しかも硬質なゴツゴツするカッチリではなく、しなやかに引き締まっている感じ。
もっさり感が顔をひそめ、それでいてピーキーな感じは皆無である。
まさに私が欲しかった方向性。
この時点で私はstudieの信者になってしまった。
studieの言う事を聞いていれば、理想の車が作れる。
それくらいの引き出しをむこうは持っている。
後は自分のイメージをいかに正確に伝えられるかだろう。
迷っていた吸排気とプラズマダイレクトも導入決定だ。
早くstudieおすすめのパーツをつけたい、試して見たい。
この車がこれからどんな車に生まれ変わるのだろうとワクワク感に包まれながら帰路についた。
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E87 | クルマ
Posted at
2022/03/12 15:04:11
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