
アバルト695リヴァーレと旧車FIAT500Lを試乗して当日の目的を果たしたが、ズラリと並んだアバルトたちの中で訪問前にはマークしていなかった1台が気になっていた。
ホワイトカラーがきれいなアバルト500である。
アバルト500?595ではなくて??と思ったが、シリーズ4を境に595に名称を統一したとのこと。そのくらいのことも、まだ知らない状態であった。
ベースグレードであったが、ホイールはO・Zホイール、マフラーはアクラポヴィッチに交換され、サブコン、ナビ、バックカメラも装着されていた。2016年式で6万km走行と、年式と距離はそこそこいっていたが、車両本体価格が158万とリヴァーレに比べれば安く、気楽に乗り倒せそうなところも敷居が低かった。ホイールやインパネも含め、ホワイトで品良くまとめられており、前オーナーのセンスの良さを感じる仕様に仕上がっていた。
このクルマも試乗したい旨を営業さんに伝えると、快く「準備して暖気をしますので、ちょっと待っててくださいね」と手早く試乗の準備を整えてくれた。
こういう細かな対応の姿勢一つとっても、その店や営業さんの考えや方針が見えてきて、好感がもてる。
さっそく準備されたアバルトに乗り込む。ついさっき乗ったリヴァーレの高級感とは違う、素のアバルトとでも言うべき適度なスポーティ感とイタリア車的遊び心を纏った車内の雰囲気に安心感を覚える。過剰な演出よりも、これくらいの方が毎日乗るには丁度良いと思える。全体的に年式なりの使用感はあるが、これからまだまだ元気に動いてくれそうだ。何せ、自分のLupo GTIからしたら「たった6万km」走行しただけなのだから。
本日3回目の試乗をスタート。
「踏み込んでもいいですよ」と営業さんから促されたが、リヴァーレで予想外のトルクステアという”サソリの毒”にやられたこともあり、終始おとなしく運転(笑)。ただ、自分の性格上、購入当初こそ加速感を味わいたくて踏み込んだ運転を楽しむが、通勤で毎日乗るようになれば交通の流れに合わせて走るので、次第におとなしく走らせるようになることは分かっている。だからこそ、流れに乗って走った時にどう感じるかも大切だと考えている。
そのような視点で言えば、このアバルト500はパワー、足回り共に、程良いバランスが取れている。パワーは踏み込めば十分にありそうだ。足回りはホイールが16インチであることと、ベースグレードには比較的柔らかめのスプリングが装着されていることで、リヴァーレと比較すればしなやかで快適な乗り心地に感じられた。
それでもアクラポヴィッチのマフラー音が程よく主張してきており、退屈になることはなさそうだ。アバルトらしさを失うことはない。
試乗を終え、もう一度クルマを一周してよく見た。
リヴァーレと同じアクラポヴィッチでもバルブの開閉機能の有無が関係しているのか、リヴァーレよりも若干控えめのサウンドに感じる。
「もう、これで良いのではないか…。」
そんな気持ちが湧き上がってきた。
走りは十分、所有欲も満たされる。何より半導体不足などの影響で、新車は納期が相当長くなっている。しかし中古車なら今そこにクルマがある。Lupo GTIはいつ修理できるか分からないし、直してもまたいつ壊れるか分からない。友人からクルマを借りていて、このお店にも友人のレグナムで訪れているような状況だ。
「見積もりを作ってもらってもいいですか?」と営業さんに伝えた。
カフェ風の商談席に案内され、しばらく待つ。
すると、イベント中だからなのか、年配の方が近づいてきて「ハンバーガー食べる?」と聞かれた。
(ハンバーガー?自動車ディーラーで??)
あまりにも意外な質問だったので一瞬躊躇したが、せっかくなので頂くことに。
テラスのような場所には石釜が置いてあり、そこで焼いているようだ。
しばらくして出されたハンバーガーはボリュームたっぷりで、野菜もしっかりと入っており、見た目からして本格的なものだった。
食べてみると、ディーラーで出されたものだとは到底思えないレベルの美味しさで、「なんなんだ!?この店は!」と思わざるをえなかった。
明らかに、今まで経験してきた自動車ディーラーとは違う趣向だった。
食べ終わって間もなく、営業さんが現れて商談に入る。
「食べました〜?うちは外のイベントでもキッチンカーで出しているんですよ〜」とさらりと言う。手馴れているしこだわりもあるのだろう、美味しいわけだ。
見積書を提示され、想像より総額は高かったが、それでも次期愛車候補への支払額としてはリーズナブルだった(エリーゼの売却益もあったので…)。
商談の中では、検討中のアバルトはその店の顧客のクルマで整備もしていたので素性が分かっていること、アバルトのクルマとしての魅力、カスタムやイベント参加などの様々な楽しみ方があることを説明された。また、かなりの台数のアバルトを扱い、メンテナンスも行っていることでノウハウの蓄積や中古パーツの在庫もあること、これからもアバルトに力を入れていくことなどの話を、営業さんから楽しく熱く語ってもらった。アバルトのある生活がイメージできると共に、安心してこのお店に任せられるなと思えた。エリーゼの売却でもお世話になっていたので、さらに信頼感が高まっていた。
商談が進み、このクルマに決めても良いか…と思えた。
しかし、 Lupo GTIが直れば似たような2台体制になってしまうこと、まだ試してみたいクルマがあるように思えたこと、初対面なのに即決断することで何か後悔するかもしれないこと、何より一度自分自身を冷却して落ち着いて決断を下したいこともあり、
「かなり前向きに検討して、またご連絡します」
と答え、保留した。
今となっては、もしこの時に購入する決断をしていたら、今とは全く違うカーライフになっていただろう。
今、抱えている満足感と悩み、どちらも無く、また違った満足感と悩みを抱えているだろう。
どちらが幸せかは分からない。
どこまでいっても尽きない悩みの中にあるクルマ生活もまた、幸せなのかもしれない。
Posted at 2022/06/04 05:46:22 | |
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