
私の記憶が確かならば、一般ユーザーの多くが選択する車両の外板部材に樹脂が採用され始めたのは今から15年位前ではないでしょうか?それまでの自動車にはバンパーやモール等の部分を除いては鋼板が使われる事が最も主流で一部アルミ材を使用した車両(部分的にも含む)もございました。やはり、少数派には少数派なりのデメリットがある訳で、アルミ材を使用した外板は接触すると少しの衝撃で直ぐにくしゃくしゃになってしまうだとか、高コストであるとか等と言ったことで余り普及はしませんでした。。。当たり前のことなのかも知れませんが、多くの者が採用する(支持される)にはそれなりの理由があり、あらゆる面から考えるとそれが理想である或いはその時点では最も理想に近しきことであるという裏返しではないでしょうか。
しかしながら、近年車に求められる事柄が環境寄りにシフトしていっているのは多くの方がご承知の通りですが、その片鱗として自動車そのものの軽量化も求められ続けてきました。その結果、一つ一つの部品の軽量化、或いは部品点数の削減、ボルトやナットよりクリップ止めや嵌め込みの採用等々、そういった細かな積み上げてきた成果で現行車両の重量が成り立ってきている訳ですがそんな中、それまで当たり前とされてきた鋼板に代わり
樹脂製の外板を採用する車が増えた
のが出始めの頃はとても衝撃的だったことを今でも記憶しています。今でこそ、樹脂外板に拒絶反応する方は余り聞き及ばなくなりましたが、出はじめ当時は今まで無い物に対して不安や拒絶、強度や耐久性を疑問視する声も少なくありませんでした。今でも、一部樹脂外板であることが鋼板に比べデメリットがあるとは聞きますが、一般ユーザーが通常使われる中ではその部分にマグネットが付く付かないを除いて先ずをもって影響が少ない(今後は分かりませんが)ことから世間への認知が進行したのか或いは樹脂が採用されることが当たり前すぎて興味も関心も向き辛くなったのかは分かりませんが、敢えて言う事は無くなったような気がしないでもありません。
樹脂材と言いましても、モノそのものが完全樹脂の場合もありますし骨組みには鋼材を使い表面には樹脂を採用する等といった場合もあるようです。社外品のエアロパーツなどで多用されるFRP材は純正と比較すると素材感や歪みなど余りにも安っぽい印象を受けます(個人の感想です)が、私の愛車である2代目のムーヴキャンバスにも部分的に外板は樹脂製です。しかしながら、FRPのような安っぽさは皆無で触れば勿論樹脂だと分かりますが傍から見る分には私には樹脂だか鋼板だか分かりません。
車両重量の軽量化に寄与する等といった理由でスモールカーを中心に採用が続けられる樹脂外板ですが、例えばバックドアに採用されると開け閉めする重さにも関係してくる訳ですから使用の過程でユーザー側が恩恵を受けることも最近感じ、かつては否定的な樹脂外板でしたが最近はこれでもいいのかな?なんて思えるようになりました。更に、長年愛用する方にとってはメリットと考え得る点もあり、ずばり
錆びない
車にとって錆がどれだけ天敵かは言わずもがなですが、当たり前ですが金属ではありませんので樹脂部分については錆とは無縁の世界なんですね。勿論、車全体が樹脂な訳ではありませんから経年劣化が進行すると他の金属部分には腐食が起こり得ますが、外板がしっかりしていると(見た目には)状態の悪くない車を演出できます。外装の綺麗さというのは素人さんにとってはとても重要で、玄人さんの中には外装なんてどうでもいい!機関が絶好調なら傷があろうがへこんでいようがどうでもいい!!と言われる方も少なからず存在しますが、人の心理としてボロボロよりはピカピカのほうがいいと思うのは殆どの方はそう感じるのではないでしょうか。
樹脂によってはコストと重さを両立したPP材を多用するケースや、コストよりも軽量の恩恵に舵切りをしたカーボン材(CFRPなんて呼ばれたりすることもありますが)を採用するケースも稀にございます。中には、数千万円単位のスーパーカーなどには殆どの外板にカーボン材を多用する車両などもあるそうです。カーボン材は一般的ではありませんからここではPP材の話しで締めますが、耐腐食能力と言う観点から見て、樹脂外板というのは勿論使えない箇所もあるでしょうが今後採用される事もひょっとすると増えていくのかも知れません。ただ、普及といいましてもいっても中型モデルまでに留まるとは思いますが、鋼鈑に取って代わる部材としてひょっとすると数十年後には市販車の多くが樹脂外板を採用する事になるのかも知れません。
私、知らなかったのですが…板状の外板部材ですから衝撃が加わると割れが生じるとばかり思っていました。勿論、一定以上の衝撃ですと鋼板でも引きちぎれることもありますから決して不思議な事ではないのでしょうが、樹脂外板であっても
接触等すればしっかりへこみは出来る
ようです(;^_^A
これが部材の特徴なのか意図した演出?なのかは分かりませんが!?それなら多少の凹みは傷む部分にお湯掛けて引っ張り出せばある程度直るんじゃね?と考えてしまいますが果たしてどうなのでしょうか???
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2024/07/02 17:10:05