
超マニアックなお話しです。ヒマな方、ウンチク好きな方だけ推奨です(笑)
とあるオープンチャットで純正から社外ブレーキパッドに交換した方が、効きが悪くなったとのこと。
考えられるのはまだ当たりがついてないだけというケース、
またはそもそも純正より効きが低いパッドのケース。
社外品はメジャーなところだと、摩擦係数と使用温度域が書かれていますが、
その数字だけ見ても今ついている純正に比べてどうなのかは普通分からないです。
が、実は純正品はAMECAという北米の認証機関に届け出をする際に、
摩擦係数のクラスも合わせて申請して、それを部品に刻印しています。

※みんともさんから写真お借りしましたm(__)m
赤丸の所が摩擦係数を表すコードで、左側が常温、右側が高温を示しています。
D:0.15~0.25
E:0.25~0.35
F:0.35~0.45
G:0.45~0.55
H:0.55以上
写真のVAB後期は純正でロースチ材を採用していてコードも「GG」なので、
ワインディングなど楽しむには十分なスペックだと分かります。
ただし、「高温」といっても400度以下の温度域なので走り方次第では
800度にもなるサーキットでの性能保証はされてませんのでご注意を。
ちなみに多くの日系メーカー純正品はダスト汚れ、錆貼り付き、鳴き等の背反から
「FF」以下程度のマイルドなものがほとんどです。
摩擦係数だけでパッド性能は語れませんが、判断の一助にはなると思います。
黄丸のところのアルファベットは銅規制対応と数字は製造年を示しています。
A:銅含有量 5%以上
B:銅含有量 0.5~5%
N:銅含有量 0.5%以下
銅はブレーキパッドにとっては魔法の材料で、パッド自体の強度や熱拡散性など高負荷に耐えるためには重要な材料です。
なぜ銅にフォーカスしているかというと、過去に足尾銅山鉱毒事件があったように
銅は環境負荷物質に該当するため、近年北米で規制が始まり順次追従対応するものが増えてきています。
※同様に過去禁止になったのがアスベスト
銅だけで性能は決まりませんが、純正で銅規制が「A」で摩擦係数が「FF」以上のロースチ材であれば、それなりに遊べるスペックだと思います。
(35GTRやRCF/GSFなど)
ちなみに現状は銅規制は純正品にのみ適用されるため、社外品は対象外で銅が見てわかるくらいキラキラしたものが入ってることが多いです。
長くなったので、高ければよいでもない摩擦係数に関するウンチクはまた次回に…
Posted at 2025/09/06 00:24:34 | |
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