2025年04月25日
忘れられない一台:アクセラXD(BM型)
今回は私が今まで乗ってきた車の中で、とくに印象に残っているものを記してみたい。マツダアクセラXD(BM型)である。
アクセラは2003年にファミリアの後継としてデビュー。以来、BK→BLと代を重ね、BM型で3代目となる。
私はBK型(2.3LのNA)→BL型(MSアクセラ)BM型と三代続けて購入したが、BM型はそれまでの路線とガラッと毛色を変えてきたように感じられた。
BL型までの、ステアリング操作に即座に反応するクイックな感覚から一変し、BM型では、あたかもドライバーの意図を汲み取るかのように、一呼吸おいてから滑らかに動き出す、より洗練されたフィーリングへと変化。
内装はソフトパッドを多用するなどして、質感も大幅に向上。
ドアを閉めた時の「バフッ」とした感触も、以前のモデルを超越した、高級感すら感じさせるものだった。
思えば、かつてのマツダは大幅な値引きが常態化し、売却時には『マツダ地獄』と揶揄されることもあった。しかし、このBM型が登場した頃から、マツダは安易な値引きを抑制し、ディーラーの外観も黒を基調とした高級感のあるデザインに変更するなど、明確にプレミアムブランドへの道を主張しはじめた。そのブランドとしての決意が、BM型アクセラの質感や走りにも見事に反映されていたように思う。
走りの面でもハイレベルだった。
特筆すべきは、2.2リッターディーゼルターボエンジンで、まさに珠玉の名機といえるだろう。
最大トルクは420Nmに達し、その性能は4リッターのガソリンエンジンに匹敵するレベル。高速道路での追い越しや上り坂でもストレスを感じさせることはなかった。それでいて燃料の安い軽油で、なおかつ20km/l近く走るというエコな性能まで持ち合わせていた。
速い、快適、経済的と、三拍子揃った完璧なクルマだった。
唯一残念だったのは純正カーナビ。その出来の悪さからユーザーからの不満が絶えなかったという(後日、無償のアップデートがあり、多少は使いやすくなった)。当時私も、お菓子屋さんを目的地に設定して、いざ着いてみたら森の中の墓場だった…あのときの困惑と脱力感はいまでも忘れられない。
そのカーナビという弱点を差し引いてもクルマとしての完成度は群を抜いており、近年における傑作とすら思う。Mazda3もスカイアクティブXではなく、同エンジン(現行は200馬力)を搭載していたら、販売が低迷することもなかったのではないか。そんな想像を掻き立てられるほど魅力のあるエンジンだった。
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2025/04/25 18:35:07
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