
経年劣化による性能低下の懸念は車だけではなく、むしろ運転手側の方が顕著であるという中年事情を鑑みてアンチメタボリックと称した無駄な抵抗を試みることにした。
先月の父親訪問イベントの際に、生活圏内から程近いところにめちゃくちゃ良いスポットを発見したので今回は一人で来た。
「相模原麻溝公園」
入園無料、駐車場も無料、併設の「ふれあい動物園」なる小さい動物園も無料、敷地内にある「グリーンタワー相模原」という展望台施設も無料と何から何まで無料という至れり尽くせりのレジャー施設である。

前回来た時は平日だったため比較的空いていたが今日は土曜日ということで家族連れやキッズたち、散歩を楽しむ老夫婦など様々な人が訪れていた。
どうやら敷地内か近隣施設にドッグランもあるようでお犬様を連れた方々も多く見られた。
いうまでもなく私は一人である。

14時頃に到着し目当てのバスケットコートに歩いてくると既にキッズたちがわんさかいた。
天気も良いので大盛況である。

数組のグループが縦横無尽に駆け回るコートに、やたらデケェ中年が単身乗り込む。
何を隠そう、私は中学時代は3年間バスケ部に所属しており「でかいから」という理由だけでスタメンを勝ち取っていた実力者である。
約25年のブランクはあれど若いもんにはまだまだ負けんよ。
と心の中で息巻いた3分後にはへとへとになっていましたね、えぇ。私が若いもんより勝っていることなど年齢を表す数字くらいのものである。

でも単にドリブルをしたりたまにシュートをしたりするだけでもかなり楽しめた。
シュート成功率は15%も無かったと思うが、25年前の部活の光景が思い起こされ懐かしい気持ちになれた。
キッズたちが1on1で勝負している様子などを見ていても「あの頃を共に過ごした旧友たち」が脳裏を掠めたりした。
近年、何をしていてもことあるごとにノスタルジックな気持ちになってしまう。
それが良いか悪いかということでもなく、しかしもうとっくに人生の折り返し地点は過ぎているのだなと気付かされ、「年々速くなっていく時間の経過とその中にどれ程の濃度で日々の充実感を溶かせられるのか」という一種の焦り。
「あの頃は良かった」というセリフの正体とはこの一種の焦りなのではなかろうかと私は考える。
時間は有限であるという至極当たり前の事実を生々しく突きつけられる機会が増える年齢に差し掛かると、どうしても現在よりも過去を美化してしまいがちである。
しかし、大人になった今だからこそ味わえる幸福もあちらこちらに転がってはいるはずだ。
私は免許を取得し車を購入し、新しい楽しみやそこから広がる楽しみを見つけることが出来た。
今日訪れたこの場所も、車が無ければきっと一生来ることはなかっただろう。
普通の人よりも遅いスタートではあるが、それはそれで我が人生。
久しぶりにスポーツで汗を流しへとへとになったが、この疲労感は嫌なものではない。
たまにで良いからこの公園に通って身体を動かし、私の身体の「経年劣化による性能の低下」を少しでも回復・遅延していければと思う。
「あの頃は良かった」し「今もまぁたまには良いこともある」と思えたら御の字である。
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2024/03/09 22:14:45