
しばらく書き込みの準備をしているうちに時間がかかりすぎしてしまい、結局車両は西日本の方のショップで、SMG不動でも構わないということで引き取ってもらいましたので初めに書いておきます。
E60 M5の修理見積もりが上がってきて、どうやらクラッチと、無理して自走で家まで戻ろうとした際にフライホイールまで痛めてしまったようで、少なくともその両方の交換と、その他の部分はバラして見て別途ということになってきました。
厳密には、クラッチが限界まで摩耗して滑ったというよりは、固着して劣化したクラッチに、強い力が加わって、クラッチプレートが剥離してしまい、動力を伝えられなくなってしまったということのようで、走行距離や年式の問題というよりは、コンスタントに乗っていない個体や、長年クラッチ交換されていない個体に発生する問題のようで、夏の高温と湿気という日本でかなり多く発生するパターンのようです。
確かに、言われてみると、昔私が中古で保有したE46でもクラッチを二度踏みしないと変速できなくなったことがあり、交換したところ、クラッチ剥離してしまっていた、ということがありました。
ちなみに、今回のM 5に関して言えば、かなり長い間前のオーナーからショップが預かり保管の形で大切にしまって?販売をしていたようなので、そのことが逆にクラッチ剥離のトドメを刺したのではないかと思います。
修理見積もりを見てみると、クラッチパーツ類が20万くらい、作業代込みで約30万くらい、フライホイールまで入れるとパーツ代だけで50万以上ということで、トータルで70-80万くらいになりそうです。
SMGに関しては、その他にも複雑な機構が盛りだくさんで備わっているので、そこまで高額でないパーツに問題があっても、付帯するガスケットやシール類やボルトなども併せて変えると、工賃も合わさってすぐに100万近いコストがかかってしまいます。
何よりも悩ましいのが、SMGは全てがブラックボックスで、MTのように手感触や足の踏み感触で問題点や兆候を把握ができないので、実際にはそれほど壊れないというご意見があるのは分かりつつ、常に、壊れるかもしれない、壊れてるのかもしれない、壊れかけてるのかもしれない、という恐怖感で、しっかりと車を堪能できなくなるという問題があります。せっかくの素晴らしいV10を手に入れても、V10を堪能するために乗るのではなく、SMGを壊さないように乗る、壊れてないことを確認するために乗るという悪循環に陥ります。
実は、この60M5は2度目の所有で、前回は他の車両への乗り換えで手放しましたが、V10が忘れられず、再度の購入となります。
ただ、いきなり70万の出費で、さらに前回と違い、今後もメンテの手がかかると見込まれることを考えると、ここで直すか、早めに撤退するかの選択を迫られることなってしまいました。
ちなみに、もう昨年ですが、購入前に60M5のリセールバリューを調べようと思い、MOTAで、当時カーセンサーで販売されていた2008年式5万キロ台右ハンドルのM5で350万円くらいで売られていた車両を入力してみたところ、まともに値段を示してきた業者の中で一番高値を付けてきたのが当時のビッグモーターで140万円、他は高くて100万円くらいでした。
ネクステージは一社だけ450万などとありえない値段を付けてきて、その後も電話番号を頻繁に変えてしつこく電話をして来て困りました。
60 M5ですが、今年に入って値上がり傾向が続いていて、最近は走行距離も10万キロに近づいた個体が多い中で、売り値は450万くらいになっています。
ただ、以前より値が上がっても、程度が良くなってるわけではなく、距離的にもSMGや、スロットルアクチュエーター、ロッドベアリングへの対処が必要になって来ているのに、メンテなどできそうもない店がただ値段を釣り上げて売ってるだけと思いますので、買うには相当の覚悟と予算が必要と思います。
車としては、SMGを除けば、V10エンジンも、その他の部分も特別他のMモデルに比べて手がかかるというわけではないと感じます。
SMGにしたって、巷間言われるほど変速ショックがデカいとか、低速でギクシャクするとか言われまくってますが、自動変速に妙なタメと間があることを除けば、全然スムーズだし、手動変速を行えば、MTよりもはるかに早く確実にギアチェンジを行ってくれます。
この辺の特性は、46M3のSMG2も一緒で、乗ったことのある人間からすれば、言われるほどひどい機構ではないと思っています。
ただSMGの問題は、クラッチの摩耗度合いが全くわからないことと、ある日突然警告灯が点灯し、それがどこまで深刻な不具合なのか全くわからないことという点に尽きます。
ネットを見ると、SMGユニットの耐久性は高く、クラッチも半クラがほぼ無い分、7万キロ以上保つという情報もありますが、乗ってる側からすると、3万キロを超えたくらいから、いつ警告灯が点灯するのか、いつクラッチやフライホイールがダメになるのか不安なまま、ひたすら気にしながら、できるだけクラッチに負担がかからないように走らせるようになるので、せっかくの素晴らしいV10を楽しむよりも、そっちの方が気になってしまって、車を十分に楽しむことができなくなってしまいます。
いいクルマなんだけど、終のクルマにするには必ず変速機構がネックになるということで、数あるMの中でも忘れ去られているのがこの車ということになりますね。
39M5と違って、日本でも2000台近く売れたと聞いていますが、今生き残ってるのは一体なん台くらいなんでしょうか。
ブログ一覧
Posted at
2025/07/06 18:35:33