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もう2年ぐらい前のことですけど。
US版のエスプリにはその年式によってはエンジンルームのクーリングファンが付いています。私の83年モデルにはラッキーなことに付いています。ご覧の様にエンジンカバー側に大きなファンが付いているんです。
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このファンを使ったなかなか凝ったエアーフローが設計されています。
まず殆どの風は真下に向かって、つまりエンジンとターボユニットを直接冷やす方向に向かいます。しかしファンの右側の一部がちょっと隠れてるのは、この方向に少し風を分けるためなんです。ここのトンネルから前方に向かって風は流れます。そしてトンネルが90度曲がると大きくエンジン上部にあたる部分が開いています。ここで風の流れを使ってエンジン上部の暑い空気を左方向へ吸い出します。その熱い空気はまたトンネルを通って、今度は90度下にむかって流れが変わります。ここでカバー側は終わるのですが、今度はボディー側に風の受けがあります。ここからタイヤハウスに向かって別のダクトが作られており、最終的に左リヤのタイヤハウスに熱い空気が放出されます。これって凄い!設計ですね。
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さて、このファンは温度によって動作する「はず」ですが、一度も動作したことがありません。実は前オーナーが強制的にオンにするスイッチをシフトノブの所に付けてあったのですが、もしかしたらセンサーはバイパスしてるのかもしれません。
ご存じターボエンジンは異常に熱くなります。停車した後、エンジンを切ってもエンジンルームにかなり熱が残ります。そこでイグニッションキーを抜いて車を離れても一定時間このファンを回す仕組みを作りました。
以前秋葉原に行った時に仕入れたものなのですが、12V動作の遅延タイマーキットです。電子回路に詳しい方にはおなじみの555というタイマーICで出力されるパルスをバイナリーカウンターで数えるというキットですが2千円弱で手に入ります。これって部品を全部自分でそろえても殆ど同じ値段.....手間を考えるとキットを使うのが一番お得なので入手しました。一応12V動作ですが、車はご存じ最大14.5V、最低は11Vまでと変動があるので12Vのレギュレーターも使いました。これは低損失3端子レギュレーターだけ買って、ユニバーサル基板に組んでいます(左の小さな基板です)。アルミニウムの手持ちのケースに組んでみました。
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丁度良いサイズの箱でした。穴を開けて基板を固定してシリコンでちょっと足を固めて出来上がり。この箱から出す配線は右上の3本だけです。12Vの電源、タイマーで遅延されて出力される12V出力、あとはグラウンドだけという簡単構造です。
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ケースを閉じて完成です。完全なブラックボックスとして使えるのでスマートです。いくつか作っておくと何か別の用途に使えそうですね。
説明した通り、12Vを加えると一定時間12Vが出力されてその後オフになるだけです。オフになった後の待機電流はミリアンペア以下なので無視出来ます。
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さて遅延オフの時間ですが、バイナリーカウンターの分周によって変更可能です。555の出力は1Hzつまり1秒のパルスで設計されていてそれをカウントしますが、2進(バイナリー)カウンターの為2の乗数で設定が可能です。一応512回のカウント、つまり512秒間(8分32秒)ファンが回り続ける様に設定しました。あんまり長いとバッテリーが弱るのでこの程度です(ファンは4Aぐらい食うので)。
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暴れない様に薄いフォームで覆ってフロント左に置いてあります。特に固定はしてませんがごろごろすることはありません(もう2年近く使ってますが問題ありません:以前この写真撮ってなかったので今日撮りました)。
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そしてこれが手元にあるスイッチ。左側(手前)が強制オンスイッチ、そして右側がタイマーのスタートスイッチです。停車したあと右側のスイッチを入れるとファンが回り出します(12Vから直接取ってるのでイグニッションキーは関係ありません)。そのまま車を離れても8分間はエンジンルームを冷やしてくれます。
車を離れる時左側のタイヤハウスに手をかざすとかなり熱い空気が出てるのが判ります。結構これでエンジンルームの温度が下がると思います。
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