X7をFOCAL製スピーカー+ヘリックス12chDSPアンプでサウンドアップ♪♪
目的
チューニング・カスタム
作業
ショップ作業
難易度
中級
作業時間
12時間以上
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BMW X7の事例ご紹介です。
Xシリーズは、皆様御存知の通りBMWのSUVモデルです。
2000年のX5を皮切りに、2004年にX3、X6(2008)、X1(2009)、X4(2014)、X2(2018)と、SUVの市場拡大と嗜好の多様性に歩調を合わせて、きめ細かくラインアップを拡大させてきました。
そしてシリーズ最新・最大・最強となるのが2019年発売のX7(G07型)です。
G07型は、全長5,165x全幅2,000x全高1,835とXシリーズ最大のボディに、フラッグシップのM50dで400psを発生する直6DOHCガソリンエンジンを搭載してデビューしたハイパワーSUVです。
2022年には大幅な改良がくわえられ、2025年時点での国内モデルのラインアップは、以下の通りとなっています。
X7 M60i xDrive:V型8気筒4400ccガソリンエンジン・530ps
X7 xDrive40d エクセレンス:直列6気筒3000ccDOHCディーゼル・エンジン・340ps
X7 xDrive40d Mスポーツ:直列6気筒3000ccDOHCディーゼル・エンジン・340ps
今回お迎えしたG07型の前期型に当たるX7です。
フラッグシップSUVだけあって、オーディオシステムは標準でharman/kardon仕様(464ワット9チャンネルアンプ+16スピーカー)と豪華ですが、慣れのせいでしょうか、オーナー様は「味変」というか、さらなる音質の改善と変化を目指してネット検索され、当店のたくさんのBMW事例を見つけていただき、ご連絡いただいたという訳です。
特に、全く同じ X7の事例があったのが決め手となったようです。
見つけていただいたX7は(1)フロント2way(2)センタースピーカー(3)シート下サブウーファーをHELIX製に交換し、リヤスピーカー群も含めて12基のアンプを内蔵する、同ヘリックス製DSPアンプ(V-TWELVE DSP MKII)で駆動するというシステムでした。
今回のお客様はこの事例を踏襲し、嗜好に合わせて、スピーカーをFOCAL製ユニットに変更してご発注いただくこととなりました。
ドライバーを軸とした音場つくりへの寄与度の高いフロント側の全ユニットを交換し、DSPはトランクルームの一部を囲って取り付け、室内は標準の外観に一切変更が生じないようにインストール。DSP設定によって全ユニットの調和を図り、なかなか上質な空間が出来上がりました。
予算的には、総額で742,500円(税込)となりました。
それでは施工の様子をどうぞ御覧ください♪
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以下、コンポーネント紹介です。
〇ヘッドユニット
BMWのiDriveのオーディオ部分がヘッドユニットに相当します。
各社とも、インフォテイメント+エアコン制御+車両情報管理と、もはやオーディオのためだけの「ヘッド」ではないので、オーディオシステムを構成する部品がすべて「ヘッド」に含まれないケースも多くなってきています。
今回のX7もそれで、上級オーディオシステムにつきものの高出力アンプはある程度熱を持つので、セパレート式になっています。さらには、この車の場合、全チャンネルを制御する多チャンネルのDSPアンプと、その支配下でシート下のウーファーを受け持つサブアンプの2段構えになっています。
今回取り付けたDSPにはスピーカー出力を入力しますので、このセパレート式のアンプから各スピーカーに向かう配線のカプラーを抜いて、そこからDSPに入れる信号を取り出し、DSPで処理された出力を再度、純正のスピーカーケーブルに戻す形式をとります。
ただし、ツイーターに向かうケーブルはドアスピーカーと切り離してマルチ化のために、シート下ウーファーに向かうケーブルは左右を別制御とするステレオ化のために、新規にケーブルを敷設しています。
◯DSPアンプ
老舗ヘリックスのV-TWELVE DSP MKII(税込275,000円)を使いました。
これはヘリックスのDSPアンプの上位モデルで、その名の通り、75W出力のアンプを12個内蔵し、プロセシングch数はプリアウト出力2chを含む14chまで対応するというスペックを誇っています。
フロント2way+サブウーファー1基というシンプルな構成だと5ch、リヤを入れると7chくらいのチャンネル数があれば足りるわけですが、スピーカーがたくさんついた車を1台の機器で全部制御しようと思う場合、より多くの入力に対応した製品が欲しくなります。
V-TWELVE DSP MKIIの場合、上述のとおりハイレベル12ch(スピーカー出力)の他、RCA入力なら6chの入力に対応しています。
今回は車両のメインアンプから(1)フロントツイーター&スコーカーの信号(左右で2系統)、(2)ウーファー用のサブアンプからウーファー出力(左右で2系統)、(3)リヤ信号(左右で2系統)合計6系統のハイレベル信号を取り込みました。
出力側については、末端のスピーカー数でいくと15個もあるのですが、リヤ側の純正ツイーターは、セットになっているスコーカーと同一のケーブルで鳴っているので、チャンネル数としては少なくなります。
フロントツイーター・フロントスコーカー・シート下ウーファー・リヤドア・リヤサテライトがそれぞれ左右2chづつで、これにセンターの1chを足して、合計11チャンネルになります。
〇スピーカー
FOCAL製コンポーネントで構成される「 PLUG&PLAY elite for BMW/MINI」というキットを使いました。
これは、FOCAL製品の国内代理店であるBEWITH(ビーウィズ)の独自企画商品で、FOCALの売れ筋製品である「K2 Powerシリーズ」のコンポーネントをBMW車向けに組み合わせて、シャンパンゴールドで塗ったオリジナルアルミバッフルを加えてキット化した商品です。
商品タイトルに「PLUG&PLAY」というBEWITHの独自ブランドをくっつけているので、商品の素性が見えにくくなっていますが、使用されているユニットは間違いなくFOCAL製なので、音質はFOCALのそれに間違いありません。
もととなるフォーカル製品のリニューアルに伴って、2025年4月時点の商品のラインアップとしては、以下の5点となっており、今回はフロント用に(1)、サブウーファー用に(6)をそれぞれ使いました。
(1)BMF30KVT3 2wayフロント+2wayセンターセット(税込192,500円)
(2) BMF30KV3 2wayフロント+センターセット(税込165,000円)
(3)BMF30KV2 2wayフロントセット(税込118,800円)
(4)BMF30KVTC 2ウェイセンター単品(税込77,000円)
(5)BMF30KVC センター単品(税込52,800円)
(6) BMWSUB/01 サブウーファーユニット(税込44,000円/単品)
スピーカーの性能をきちんと引き出すための環境づくりとして、フロントドアのデッドニング施工と、センタースピーカーへのアコースティックコットン充填もきっちり行いました。
以上をもって、X7のフルオーディオ構築が完了しました。
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フロントドアの外観です。
ボディの外観・ダッシュボードとテイストの調和が図られており、直線使いのシャープなデザインとなっています。
アイボリーとブラックのレザーのコンビネーションがラグジュアリー感を漂わせています。
ドアのスピーカーは、ミラー裏にツイーター、ドアグリップ下に10cmスコーカーと、BMWのテンプレート通りのレイアウトになっています。
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ドアトリムを外したところです。
ドアトリムを取り外すと、樹脂パネルの中央に「ヤグラ」が組まれ、スピーカーが宙に浮いた状態で取り付けられているのが見えます。
この写真だけで見ると、若干頼りない感じがしますが、ドアトリムを付け戻すと、スピーカーのフランジの正面が室内側、背面がドア内と、空気が隔離される構造になっています。
スピーカー側面に見える青いカプラーは、スピーカー配線です。
純正スピーカー配線は、写真のドアスピーカーと、ミラー裏のツイーターが1本(1系統)のスピーカーケーブルに属しています。
今回は、DSPの導入に伴って、フロント側すべてのスピーカーを個別に駆動(マルチ化)することとなりますので、純正のスピーカーケーブルはドアスピーカー専用として活用し、ツイーター用には、新規にケーブルを敷設することとします。
モフモフの吸音材は一般に「ニードルフェルト」と呼ばれる素材です。
外車あるあるで、ホットボンド的な接着剤で点付けされていますので、丁寧にはがして、再利用します。
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インナーパネル側の作業が終わったところです。
スピーカーはPLUG&PLAY elite BMF30KV3の黄色いコーンに変わっています。
インナーパネル全体に対してデッドニングを施してあります。
通常のドアだと、インナーパネルに設けられたスピーカーホールにスピーカーがついており、アウターパネル(外側の鉄板)との空間がスピーカーボックスに相当しますが、この車の場合、スピーカーがドアトリム側に押し付けてあるので、インナーパネルとドアトリムとの空間がスピーカーボックスになります。
従って、デッドニングは、写真のインナーパネルと、後出のドアトリム裏に対して施工することになります。
PLUG&PLAY elite For BMWは、FOCALの代理店であるBEWITHが、独自にスピーカーを組み合わせてパッケージ化した商品です。
ベースとなるのは、K2 Power EVOシリーズの10cm2wayセパレートで、ES 100 KEを2way用として、ES 165 KX3Eの80mmミッドレンジをセンター用として、組み合わせているようです。
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ニードルフェルトの吸音材を付け戻したところです。
こういう「綿系」の素材は、中高音域の周波数の減衰に効果的です。
対して、デッドニング材としてポピュラーなブチルゴムとアルミのハイブリッド材は、低音域が得意です。
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ドアトリムの裏側の様子です。
施工前の状態で、ここにも吸音材が一面に貼られています。
これは科学綿ですね。おそらくスリーエムのシンサレート、あるいは同等品だと思います。これも綿系の素材ですが、より高周波に効きます。
こちらも再利用しますので、丁寧に取り除きます。
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ドアトリム裏にデッドニングを施したところです。
前述の通り、ドアトリムは、インナーパネルと対になって、スピーカーの箱の役を果たします。
共鳴しやすい平面部分を中心に、防振材を配置していきます。
最後に先ほど取り除いた吸音材を戻したら、完了です。
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純正ツイーターを裏から見たところです。
ミラー裏の三角樹脂パネルに仕込まれています。
BMWでは、「コーナーエッジプロテクション」と呼んでいるようです。
前述の通り、ドアスピーカーとこのツイーターは1系統のケーブルを共有しており、ドアスピーカーに適したレンジの信号が供給されているため、ツイーターの再生可能範囲より低い低音域をカットするためのインラインフィルター(コンデンサー)が取り付けられています。
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キットのツイーターに交換したところです。
純正の位置にパチンとキレイに収まります。
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次はセンタースピーカーの様子です。
ダッシュボードの中央のカバーを外すと、純正のセンタースピーカーが現れます。
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付属のバッフルをチョイ加工しました。
専用バッフルって設定なんですが、なぜか干渉しました。
純正位置に収まるように切削加工しました。
ポン付け作業はあまりなく、カスタムフィッティングが中心のプロショップとしては日常的に行っている加工・作業です。
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交換後の様子です。
PLUG&PLAY eliete BMF30KV3に含まれているセンタースピーカーユニットは1wayですので、右手前に見える純正ツイーターは鳴らさないまま残しています。
このツイーターもFOCALユニットに交換したい場合は、2way式センタースピーカーがセットされたBMF30KVT3(税込192,500円)のキットを選ぶことになります。
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シートを外して、フロアをのぞき込んでいるところです。
運転席と助手席の真下にあたる場所に純正のサブウーファーが設置されています。
グリルを外すと、写真のようにユニットが見えます。
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純正のウーファー(左)とPLUG&PLAY BMWSUB/01(右)を比較してみました。
BMWSUB/01の方が、純正よりもバスケットの厚みが少しあるように見えます。
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ウーファーユニットは、樹脂製のボックスを介して、フロアに埋め込まれています。
上述の通り、PLUG&PLAYのバスケットはちょっと厚いので、干渉部分を切削して調整しました。
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サブウーファーの交換が終わったところです。
中央のマグネット部分にPLUG&PLAYのテーマカラーであるシャンパンゴールドが配色されています。
この後、ウーファーグリルを付け戻して交換完了です。
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ラゲッジルームのフロア下収納スペースをのぞき込んでいます。
右奥に見えるのがヘリックスのアンプ内蔵型DSPのV-TWELVE DSP MKIIです。
写真の向かって左側に純正アンプがあり、そのアンプのスピーカー出力ケーブルからDSP入力信号を確保し、DSPで調整後の信号をまた純正スピーカーケーブルに戻す、という方法をとっています。
ただし、上述の通り、ツイーターへの線と、シート下ウーファーの線については、新規に設けているので、このラゲッジ下から室内へと引き込んでいます。
DSPアンプはご覧の通り、バスタブ形状のライニングの上に乗っています。
従って、ライニングの下に設置されているバッテリーにアクセスする場合は、マジックテープで固定されているDSPをベリっと外してサードシート側に退避させる手順をとることになります。
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今回はBMW X7のサウンドアップ事例を御覧いただきました。
BMW向けプランとして長らくご愛顧いただいているBMWブライトオーディオパッケージでは1シリーズから7シリーズ、X、Z、iと幅広くカバーしています。
https://www.soundpro.jp/special/soundup_bmw.html
プランの標準としては、フロント側の全スピーカー(2way・センター・シート下ウーファー)と、リヤも含める場合は1対を想定していますので、DSPアンプは8chモデルを選定していますが、今回登場したX7のようにスピーカーたくさんのモデルで全部制御したい!とお考えの場合はV-TWELVE DSPクラスの出番ですね。
アンプ内蔵型のDSPでは、扱えるチャンネル数が一番多いのはヘリックスで、最多は最近新発売になったHELIX V-EIGHTEEN DSP(税込330,000円)で、20ch対応18chアンプ内蔵というのがあります。これに対して、今回登場のV-TWELVE DSP MKII(税込275,000円)は14ch対応12ch内蔵です。
その他、10ch対応8ch内蔵のV-EIGHT DSP MKII(税込220,000円)、10ch対応6ch内蔵のM-SIX DSP(税込121,000円)とあります。
9ch対応8ch内蔵あたりが老舗audisonが存在感を示し、そこから一気に混戦模様となってきます。
(色々ご覧になりたいお客様は当サイト内の DSPデータベースを覗いてみてください)
https://www.soundpro.jp/special/dsp_list.html
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