
スロコン(スロットルコントローラ)がなぜ必要なのか?
それは至って簡単。
マニュアル乗りならば、スロコンをよくさない理由がない。
グラフをよくみてほしい。
DSC(Dynamic Stability Control)が標準ではONになる。
これはABSや横滑り防止などを統合した安全パッケージ。
しかし、そこにはスロットル開度のなぞの制御が入っている。
20世紀のクルマは「アクセルペダル」と「スロットルバルブ」はワイヤーで繋がれ、基本的には「1踏んだらば、1開く」というリニアな関係にあった。
私はこのリニアな関係のクルマに乗り馴れ合いしている人間だ。
それ以上に、踏んでいるのに加速しないのは気持ちが悪い。
DSCがオンの状態であると、30%踏み込んでもアクセルは15%程度しか開かない。なぜか?21世紀のクルマはアクセルペダルに踏み込み量を感知するセンサを取り付け、スロットルバルブの開き方を電子制御しているからだ。
さらに、R53系のスロットルバルブの制御のタチが悪いのは、踏み込みが30%を超えた際に一気にスロットル開度が高まること。
30% -> 18%
40% -> 40%
50% -> 58%
60% -> 70%
という有様だ。
日本のような渋滞にハマる機会が多い国においてこの設定は地獄そのもの。
乗りにくい上にクラッチの消耗も促進する。
そして、もう1本の線をグラフに描いた。
水色の線はDSCをオフにした状態で、これこそ「フツー」なわけ。
点線が完全なリニアであるけれども、それより少し開き気味。
DSCオフこそが本来のR53の乗り心地であり、過不足ない状態。
しかし、安全装置はある程度放棄することになる。
さらに、R53特有の問題としてスーパーチャージャーの問題がある。
ターボはエンジンの背圧を利用するが、スーパーチャージャーはエンジンのトルクをモロに奪い去り、エンジンの加速を鈍くする。
要するに自転車の発進時を思い浮かべてほしい。漕ぎ出しの重さがエンジンがタイヤを回すのに加えて加わっているのだ。
この部分を加味してあらかじめ少しだけ多めにスロットルバルブを開けておいてやるとラグが緩和される。
DSCの出鱈目なアクセル制御+スーパーチャージャー特有の重さ。
この2点を改善し、スロットルバルブとアクセル踏み込み量をリニアな関係にし、スーパーチャージャーの弱点をある程度補ってやる。それがスロコンで行えること(DMEでも良いのだが)。
で、2枚目の画像。
DTE Pedalboxを私は気に入っているが、これは同じスロコンでもコンセプトと制御方式が違うからだ。
DTEは「低速時の不自然感を消す」ことにフォーカスしている。まさに自分のやりたいことそのものだ。
1枚目の画像と見比べてほしいが、DSCをオフにした状態を再現するには、緑色で示したPedalboxを装着し、「Cityモードの+1か+2」を選択することによって実現する。
少しだけパンチが欲しければ、Sportsモードを使用する。
この程度までが設計者が意図した運動性能を発揮する調整幅だ。
タイヤを太くしたり、なんだかんだやるのは自由だが、私は設計者の意図を重視したい。そんな風に思う人はやる価値が十分にあると思う。
おそらく、グラフを示して書いた人は他に日本のサイトではないと思いますよ。
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Posted at
2025/11/09 00:21:11