フォルクスワーゲンの新型世界戦略車「up!（アップ！）」

　ラインアップは「move up! 2ドア（149万円）」「同4ドア（168万円）」「high up!4ドア（183万円）」。国産コンパクトや軽自動車とも真っ向勝負の衝撃プライス！だ。
　ブログ「VWの世界戦略車up!（アップ!）試乗～もし日本車だったなら」もぜひご覧ください。

　JC08モード23.1km/ℓと、VW史上過去最高の低燃費を実現。ただしハイオク仕様なのでリッター当たり10円余計にかかるのが、ご愛嬌。
　ドイツではさらに燃費の良いブルーモーションテクノロジー付きや天然ガス仕様車があり、2013年には電気自動車が出てきます。

　「high up!」で標準のホイール。オプションのホイールは他車種にはない様々なタイプが用意されます。他のオプションも非常に充実で、楽しそうです。

　ゴルフ並みのマルチファンクションインジケーター（high UP!のみ）も付いていました。白色LEDの透過照明です。これも安っぽさを感じさせない演出です。

　エアコンレバーにはパサートCC並みの加飾メッキが付いています。ラジオも専用で差し替えられません。カーナビをエアコン上に取り付けると、吹き出し口をふさいでしまいますし、ラジオ下だと見にくい。次回マイナーチェンジでこのレイアウトは変わるかもしれません。

　車内はVW流の徹底的な割り切りが随所に見えますが、うまく処理されていて国産車のように安っぽくありません。ただリア窓やドアは昭和の国産商用車のようで、いけません。日本用にはせめて手回し窓とフレームカバーは欲しいところ。

　上級車ポロとほぼ変わらない内寸で、リアシートもくぼんでサポートもよく、足元も意外とすっきり、ポロより乗りやすいかも。
　モーターショーでは、コンセプトカーながらアウトドア派「buggy up!」、海好き仕様「up! Azzurraセーリングチーム」、SUVクロスオーバータイプ「cross up!」、ガンガン走る「GT up!」、電気自動車の「e up!」、CNG圧縮天然ガスエンジンとアイドリングストップシステム、エネルギー回生ブレーキで燃費を向上させた「eco up!」、スイスご当地モデル「swiss up」のバリエーションも、いずれ出てくるでしょう。

　今回一番楽しみだったのが、新型トランスミッションのシングルクラッチ“ASG”。重量30kgと自動変速ギアボックスとしては最軽量の部類で、0-100km/h 加速13.9秒の快足。
　1ℓ MPIエンジンは走り出すと過不足ない自然吸気らしい加減速で、非常に滑らかで静か！ポロの1.2ℓ TSIの爆発的な加速よりも、扱いやすく好感が持てました。しかも車内が静か。ポロより静かかも？