
ひと通り弄りたいところやって資金も乏しいので今さらアルミテープチューンあれこれやってみました。たくさんの先人が「全然かわんねぇ!」とか「劇的に変化!」とか仰ってますが、自分もちょっと試してみたりトヨタの特許読んでみたりでなんとなくというレベルで感じていることを書いてみます。
正しく施工できている前提ですが確かに静電気は除電できるのでしょう。何も対策されていない車は静電気によって設計当初の性能が出ていないのかもしれないし、対策することで改善することもあれば行きすぎて悪い印象になることもあるのかもしれない。その効果について信じる信じない、感じる感じないは個人差があるのは仕方がない。あくまでやった本人の自己満足と言われればそれまで。でも実際に違いとして感じられるのもまた事実。
この曖昧な感じになってしまうのは相手が静電気だから。
制御のための電流や電圧は優れた導電体をとおしてその大きさ、強さから確実に伝わる、もしくは伝わらなくなるというハッキリしているが、静電気は電気の伝わりにくい非導電体の表面に蓄積された移動しにくい電気。場所も広域でしかも曖昧だから電流として取りだすことも電圧として検出することもこれまで注目されてきませんでした。表面をめっちゃ拡大して帯電したところとそうじゃないところという、ミクロな領域で見れば確かに1000V近い電圧がかかっているというのも静電気ならではの世界だし、コロナ放電という現象で電流として不特定なところへ消えてしまうのも制御用の電気とはかけ離れている。
コロナ放電という現象が起こるにはこうした電位差の大きい場所ときっかけ(空気との摩擦など)があるというのも、いったん放電が起こりだすと芋づる式に放電が繰り返されて電位差が小さくなる(静電気がある程度抜ける)と終わってしまうのも静電気の姿。放電が終わってもまた帯電してくる(多量に電気が溜まりだす)とまた放電するという繰り返しがあって決して電流みたいに永遠に安定して放電し続けているわけでもない。スイッチのような明確なトリガーがあるわけでもない。したがってアルミテープを馬鹿みたいに貼れば静電気が全部なくなるなんてありえない。し、効果も持続しない。もしそんなことが可能ならお金かけても樹脂パーツを全てアルミや帯電しない部品に置き換えればいいんだから。トヨタの特許には除電装置としてアルミテープ箔を150~200mm間隔に設けるとある。これはは帯電する静電気の量とコンデンサーのように電気を吸収し、優れた卑な金属という性質をもつアルミニウムの量を絶妙に調整したものだと思う。
ちょっとこむずかしい話だけど、もと電気化学を専攻していた人として興味はつきない。
とにかく、除電による効果が人の感性に通じるほどの大きさとなるか、それも持続的なものかどうかはアルミテープを貼りつける場所、材質、大きさによって評価が別れるし、効果が現れるまでタイムラグがあったりするのは仕方のない話。
これまで自分が試したのは①ヒューズボックスカバーと②エアインテークボックスの導風板?で、
①については即効性が高く、貼ったそばからアクセルのツキがやたら良くなった。けど、しばらくすると元の感覚に戻ってしまった。
②については正直なところ明確な違いは感じられなかった。が、これを契機に何となく変わったところ(思い当たる?)があり、その効果は持続中である。
この違いはおそらくECUの学習効果が関係するか関係しないかという要素があると思う。
①はノイズだらけだった電気信号、例えばスロットル信号の数値は静電気を除電することで純粋なスロットル信号として送られる。その結果、バックグランドの減少により同じアクセル開度なのにECUにすれば『おっ、たくさんアクセル開けたね』となってスロットルを多く開けることになる。しかし同じ条件でECUの学習が進むと例え除電の効果が継続していても機械的にマッピングにしたがった燃焼に補正されていくため貼りつけた当初の感動が薄れていくものと考えられる。
一方で②は除電により空気の経路が広がったのと同様の効果が得られる。結果、エンジンが要求する空気の量を無駄なく供給できるようになるので効率が良くなる。初めの方こそECUの学習による補正というのは影響しても、放電により静電気が減少している限りは吸気効率は向上したままとなる。なので静電気の除去レベルによって同じように運転していても「お、今日は燃費がいいね」という日もあれば「あら、今日はいつも通りの燃費やな」という日もある。
実はECUの学習というのは個人の感性や対策したときのバラツキに対して共通認識できる原因としてあげてみた。トータルな車体のつくり(パワステの違いやボディ形状の違いなど)によるバランスだけでなく、走行、それも人それぞれ走るシチュエーションも違えば走り方も違うような千差万別な静電気の発生状況ではたかがアルミテープ一つの静電気除去装置として評価するには評価の基準が曖昧すぎているのが現状。メーカーですらこの様子なので
一人の車好きとしてはそれぞれで楽しむのはいいがヒトに押しつけるものではまだない気がする。
それでもこうして成功例と失敗例を上げるのは同じ車種ならある程度共通して効果の有無を蓄積していくことでなんとなくその車種での静電気対策の方法がみえると信じられるから。
ついでにもう少し成功例と失敗例をば。
失敗例はステアリングコラムの裏に貼りつけるというもの。微塵も効果が感じられない。やはり油圧式だからか。速攻で剥がしました。今度みんながやってるパワステポンプのホースにしてみようかな。
成功例では①マフラーハンガーの樹脂部に貼るというもの。排気効率の向上になるため1割近くも燃費が向上することもあるしレスポンスがビンビンになることもあるし、いつも通りという日もある。②フロントサスペンションの純正ビルシュタインにもアッパーのゴム部にはるとやたら減衰が柔らかく?なってフロントだけ高級車、リアがそのままなのでリアのゴツゴツ感が強調されちゃった。今度はリアもやってみようかな。
メーカーじゃないからトータルバランスをとって完全にチューニングするのは難しいし、これを目的にすると眉間にしわ寄せて楽しくなくなるのでしない。
あくまで楽しく自己満足と効果のバランスでしばらく遊んでみたいと思う。
Posted at 2021/04/30 15:28:25 | |
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