ブレーキパッド交換(VAB)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
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GRBの時もそうでしたが、純正ブレーキパッドのダストの多さには閉口してしまいます。
写真はローターの孔に詰まったダストを指でドリルを使って落としたのでホイールの内側がダストだらけになっていますがスポークとリムのダストは通勤で120km走っただけでこんなになりました。
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孔のに詰まったダストはφ3.5のドリルを指で回してホジホジすれば落ちますが手袋をしないと手が真っ黒ですね(笑)
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さて、パッドですが前車の時と同様、DIXCELのM-Typeです。久々に買ってみるとフロント用は角を落としてあるし鳴き止めプレートは装着済で至れり尽くせりでした。
今のところローターの凹凸は少ないのですが、鳴きの心配が無いわけではないので整備工場にローター研磨の必要性を相談をしてみると、「まずはパッドを交換して、暫く走って、もし鳴きが出てしまったらその時にパッドもローターも研磨はできるのでその時に相談ください。」と回答をいただいたので今回はパッド交換を続行しました。
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VAB後期のキャリパーは純正で6potになりパッドの固定方法が4Potと少し変わりました。GRBの4Potはパッド固定のピンから抜け止めのピンを抜きましたがVABの6Potはパッド固定のピンそのもので固定できる構造になっています。
また、キャリパーのセンターに太いピンが1本増えているのでまずはそれを外します。
ピンの固定ボルト(パッドクリップボルト)はM8ですが対辺12mmでなく13mmなので13mmのソケットのコマがない方は揃えておくと良いですね。
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パッド抑えのプレートの固定ピンは他の方の投稿を見るとφ4のピンポンチで…と見るので、初めはφ4のピンポンチを使って抜きましたが、細くてやりづらいのです。
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とりあえず手持ちの適当なφ5のピンで抜いてしまったのですが、当てたピンの先端はピンポンチと同じく平らなので叩いた時にズレやすくイマイチな感じです。
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そしてパッドを抜いたあとに通してみるとφ5でもガバガバです。
ガバガバは好きじゃありません。。。(謎)
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じゃあ実際何φのポンチが使いやすいのか、キャリパーの穴径を図ってみると6mmを超えてるじゃないですか!そりゃφ5でもガバガバなわけです。
ピンの方も6mm弱で6mmであれば通ることがわかりました。
とりあえずパッドはサクっと交換してしまって、改めてこのピンポンチ使いづらい問題解決にはどうすれば良いか。ググって見てみると、やはりおられました。考えることは一緒です。(笑)
一度でもこのタイプのキャリパーでパッド交換した方はお判りと思いますが、ジャッキアップした状態でピンを固定するのにキャリパーの裏側からトンカチでピンポンチを当ててピンを叩くのに普通のピンポンチでは長くてこれまた使いづらいのです。
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市販のピンポンチを加工した方は柄をカットしていたようですが、あの太さの金属をカットするのには結構骨が折れそうなので初めから短くてφ6のものを・・・と考えると、手軽なものとしてはやっぱりコレです。ボルト・・・。
M6のボルトですが、ボルトをそのまま使うのでは芸がないのでピンを抜くのにピンを叩いたときズレにくいよう、ボルトの先端をドリルで軽く揉んでおきました。
ズレなければ孔に対して太くてもキャリパーには当たりにくい。との目論見です。
折角なのでSUSのものとブラスのものと2種作っておきました。ブラスの方が柔らかいのでピンに対しての攻撃性は低いですね。
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M6のボルトでも十分余裕で通り・・・というかいい塩梅です。
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新しいパッドを入れてピンを戻しますが、整備工場のようにリフトで上げた状態でならキャリパーの裏側に正対して作業できますが、ジャッキアップした状態で行うには当てるピンを指で支えるのにも(ハンドルを切った状態で)良くて真横からですし、このくらい短い方が使いやすいので自分的にはコレでOKです。
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ちょっと前後しますが、パッドの固定ピンはキャリパーから抜けないよう、抜けどめのピンを差し込むのではなく、ピンの頭(?)に樽型で割れた形のメタルブッシュ(?)が嵌めてあり、これがキャリパーの孔に縮められた状態で押し込まれるとメタルブッシュが広がろうとするバネの力で抜け止めになっているという寸法です。
樽型にして脱着しやすく、且つ抜けにくいという、スプリングピンのような構造で考えた人頭いい!
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パッドの固定ピンはトンカチで叩いてカツンカツン・・・とう音から、足回り全体に響くガチン!といった感じの音になったら奥まで押し込まれた状態かと思います。
奥まで入ってもメタルブッシュで留まっていますからこの状態でもパッドの固定ピン自体はクルクル回ります。
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ピンは折角なのでステンレスブラシで磨いておきました。DIYならではの趣味の世界です。
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パッド交換に直接関係ありませんが、ステンレスブラシで磨くのは電動リューターを使えばとても速いです。
電動リューターは何か削ったりするのにとても便利ですし、個人の趣味程度の使用でなら5000円前後で買えるのでもっと早く買えばよかったと思っています。
あ、このテのものはケース付きが収納に困らず良いです。
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パッド抑えのプレートを固定ピンで留めたらセンターの太いピンを戻します。ピンの固定のボルトはゆるみ止めのネジロックが使われていますが、パッド交換のように取り外しする前提なので中強度のものを使用していると思われます。
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ディーラーのメカさん的にはあくまでも個人的にという条件でネジロックは無くても大丈夫かな?とは仰っていましたが、一応念のため教科書通りネジロックを塗布しました。ちょっと多めに出たのでこのあと綿棒で少し拭きました。
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今回使用したネジロックはコレ。
ロックタイトの243。嫌気性(けんきせい)の中強度です。金属と接触し、且つ空気が遮断されることによって硬化するタイプで、中強度は取り外しすることがある箇所で使用します。
「金属と接触」というのは塗装面など直接金属の素地と接触してない場合は硬化しにくいということのようです。
また、高強度のものは二度と緩めない箇所で使用するもので、硬化すると本当にカチンカチンに固まってしまうので、場合によっては緩めてもボルトの方が先に折れることもあるようなので注意が必要かと思います。
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パッドクリップボルトにネジロックを塗布したらセンターの太いピンを通し、ボルトを軽く締めたら最後にトルクレンチで締め込みます。締め付けトルクは30N・mです。
トルクレンチはマイカーのメンテナンス程度の割合でしか使わないのでアストロプロダクツのものを使っています。東日等の業務使用するような高級品は勿体ないです。
締め付けトルク自体は公差もあるでしょうし、レンチ本体の誤差も含めても公差内に収まればOKなので。手ルクレンチよりよっぽどマシです。
安物を校正したとしても校正費用で新しいのを買えてしまいそうなので校正もしませんが、初期の状態を維持するために使い終わったあとはそのレンチで使える調整範囲の"設定最低値"に戻しておきます。
リアはGRBのとほぼ同じでパッドの固定ピンが違うだけで、ボルトも使っていないのでフロントができれば楽勝。ですのでリアは割愛させていただきます。
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純正の6Potはハードな使用で開いてしまうとのことで開き防止のパーツが売られており、効果の確認も実走行でされているでしょうし否定もしませんが、純正との差がどのくらいなのかちょっと疑問に感じました。
というのは、パッドクリップボルトを外して見たときに、ボルトの頭には10.9と刻印があり、調べると引っ張り強度1000のN/mm2の高強度ボルトでただのボルトではないことがわかりました。太いピンの構成はナット側であるピンとボルトだけで、引っ張った時には一番弱い部分に力がかかると考えるとボルトのネジ部が一番弱そうな感じがします。まさかM8のボルトよりあの太いピンが先に伸びるとも考えにくいです。それにしてもM8の高強度ボルトに対し、開き防止のパーツもステンレスの太いピンにチタンのT40のボルトは太さはM8相当で同じでも高強度の64チタンでも900N/mm2で少し低いです。引っ張り強度は破断する時の強度なので伸びて戻らない塑性強度ではないので実際に即した比較にはならないのでチタンボルトが劣るとも言えませんし熱処理によっても変わるでしょう。
純正ってSシリーズに付いているシルバー塗装の6Potも差はあれどピン1本が別物とも思えないですし言うほど悪くないんじゃない?と。サーキットをガンガン走るのなら安心料としても2万は決して安くなく、自分ならあっさりあっちを買いますね。
ところでここの編集中に10コマ目の写真を見ていて思ったのですが、パッドの固定ピンの代わりにココも上下とも長いボルト(をダブルナット固定とかして)にしたら応力分散して真ん中の太いピンの負担は減らせないのかなあ?とか、35GT-R用みたいにセンターのピンは2本にしてしまえばいいのにと思ってしまいましたが素人考えですよね、きっと。実物がそうなっていないのですから。
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