2014年10月14日
本物のアトキンソンサイクル
アトキンソンサイクルと言えばハイブリッド用のエンジンとして最近採用されるケースが増えてます。そもそも、アトキンソンサイクルとは通常の4サイクルが圧縮比=膨張比なのですが、リンクを使って圧縮比よりも膨張比上げて熱効率を高めることが目的の機構です。ちなみにミラーサイクルというものもありますが、アトキンソンサイクルと根本的な考え方は同じで圧縮比より膨張比を上げるやり方を吸気バルブを早閉じか遅閉じすることで実現してます。こちらはエンジン本体に手を入れなくてもバルブタイミング次第でミラーサイクルにできるため最近割と使われています。
以前から気になっていたのですが、それはアトキンソンサイクルとミラーサイクルが混同されていることです。一番最初にやらかしたのはトヨタのプリウスです。このエンジンは紛れもなくミラーサイクルですが、アトキンソンサイクルと称しています。なぜかと言うと実は20年ほど前に量産車では全世界で先駆けてマツダが実用化してしまったからです。大企業のトヨタがマツダの後追いではよほどプライドが許さなかったのでしょうね。
ちなみにマツダのミラーサイクルですが、現在のスタンダードとなっているダウンサイジング理論を当時からいち早く取り入れた画期的なものでした。
なんと最近ホンダが念願のアトキンソンサイクルを作り出してしまいました。量産エンジンでは初という快挙です!ガスエンジン用ですが、トヨタのなんちゃってアトキンソンではなくリンク機構を用いた本物です。
ホンダ製「EXlink」は吸気工程と排気工程で異なるストロークにすることで圧縮比12.2<膨張比17.6と高膨張比を得ることできています。構造が可変圧縮比エンジンに似てます。あんな複雑怪奇なリンク機構で上手に回転さないと振動が出るでしょうに。これだけハードルの高いシロモノを実用化したホンダには感服いたしました!熱効率の方も従来型より5%も改善したそうです。
ただ、ひとつ気に食わないのはホンダのフィットハイブリッド用のエンジンがアトキンソンサイクルと名乗ってますが、実はミラーサイクルなんです。ホンダよ、おまえもか…。
おそらくEXlinkは発電用の一定回転数で使用するエンジンだったから可能だったのでしょう。本物のアトキンソンサイクルがクルマにも積める日が来ることを願うばかりです。
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Posted at
2014/10/14 09:00:08
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